孫正義氏の後継者の育成機関である「ソフトバンクアカデミア」が創設から5年を迎えた。これを記念した特別講義「リーダシップ論」が6月18日に開催され、元米国務長官であるコリン・パウエル氏が、孫氏の質問などに答える形で、組織のリーダーとしてあるべき姿について語った。
孫氏とパウエル氏はともに、移民の家系という共通点がある。孫氏は在日韓国人3世として、パウエル氏は在米ジャマイカ人2世として生まれ、幼いころには差別を受けるなど辛い経験をしたが、これを乗り越え巨大な組織のリーダーとなった。なお、孫氏は帰化しており現在は日本国籍だ。
パウエル氏は、米国務長官や統合参謀本部議長などを経験し、陸軍大将まで上り詰めた元軍人でもある。同氏は軍だろうと国務省だろうと、リーダーがやるべきことに大きな違いはないと話す。それは「前線へ行くフォロワー(部下)に対して目標やビジョンを与え、達成感を得られるようにする」ことだという。
その例として紹介されたのが、あるドキュメントでニューヨークのエンパイア・ステート・ビルの清掃スタッフが、仕事内容について尋ねられた際に、ゴミ掃除ではなく「翌朝も美しいビルだと思ってもらうための仕事だ」と答えたエピソードだ。「最適な環境を作ることでフォロワーが目的に追求できるようにすべきだ」(パウエル氏)。
では、どうすればフォロワーがそのような意識を持つようになるのか。それはリーダーが自ら彼らのお手本になることだという。「兵士たちがお腹が空いているのであれば、将軍は最後に食べる。疲れても、暑くても、寒くても、それを見せてはいけない。彼らが死ぬほど怯えている時、たとえば敵が目の前にいる時には、リーダーとして励ましそれが皆に影響していく。これは小さな団体でも、大きな組織でも変わらない」(パウエル氏)。
続けて同氏は、自身の著書「リーダーを目指す人の心得」にも記してある、リーダーに求められる“自戒13カ条”を紹介した。以下はその内容である。
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