ボックスジャパンは5月20日、クラウドストレージサービス「Box」日本語版サービスの開始と、日本での事業展開を本格的に開始することを発表した。
あらゆる場所からPC、iOS、Android、Windows、Blackberryなどさまざまなデバイスを使い、簡単で安全にコンテンツにアクセスし、簡単にファイルをシェアできるのが特長だ。
Boxは2005年に創業し、シリコンバレー、欧州、日本に拠点を持つ。2007年にエンタープライズにフォーカスすることを決め、現在では22万5000社以上の企業で導入。2500万人以上のユーザーに利用されているという。BOX共同創業者兼CEOのアーロン・レヴィ氏は「フォーチュン500の99%の企業が使っている。使っていないのはマイクロソフトだけ」と語り、記者たちの笑いを誘った。
ボックスジャパンは2013年8月に設立。日本ベリサインの代表取締役社長を務めた古市克典氏が代表取締役に就任している。古市氏は、「クラウドを使いこなすことで、日本企業の生産性をとにかく向上させたい。単に売るだけではなく、日本をイノベーションの発信地とすることを考えている」と意気込む。
同社が目指すのは、「人と情報をつなぐことで企業の競争力強化と生産性の向上を実現し、コラボレーションを可能にすること」だ。
単に社内外のメンバーとファイルを共有できるだけでなく、ファイルの中まで検索できる検索機能を持つ。さらに、エンタープライズ基準のプラットフォームとして、ビジネスで求められる安全性やレポート機能、アクティビティログ、閲覧制限、モバイルデバイス管理、コンテンツポリシーを有する。通信経路、データセンターともに最高水準の暗号化を行い、7段階のアクセス権限ができるのも特長の一つだ。ForresterとGartnerのいずれのアナリストからも、セキュリティ面で最高の評価を受けているとアピールした。
Boxアプリまたはブラウザ経由で120種類以上のファイルをプレビューできるため、アプリケーションをインストールしにくいiPadなどの端末も活用しやすくなるという。
また、Salesforce.com、NetSuite、JIVE、Oktaといった、ビジネスで活用されているサービスとの連携を実現。Boxの「OneCloud」エコシステムにより、1000以上の連携モバイルアプリへアクセスでき、ユーザーは場所を選ばず作業が可能になるとした。
Box製品のプラットフォームにおける開発パートナーとして、NTTコミュニケーションズとコニカミノルタ、サイボウズの3社が発表された。
サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏は、「29歳と若いながらも大きな会社を動かしているCEO。パッションもあって、私たちに力を与えてくれる。Boxは非常におもしろい。やっているビジネスが全く新しい。何十年間か変わらなかったITのビジネスを変えている」とレヴィ氏を絶賛する。
また、日本における大規模なBoxの新規導入企業として、コニカミノルタ、サンリオエンターテイメント、ディー・エヌ・エー、日揮、ファミマ・ドット・コム、三菱地所、早稲田大学が表明した。
ICT企業ではない日本の企業における活用事例として、三菱地所 街ブランド推進部 東京ビジネス開発支援室の島田映子氏が登壇した。
テナントやゼネコンとのプロジェクトでは、図面を使った打ち合わせ資料が多く、サーバを設置してネットワーク経由でやりとりしていたものの容量が不足しがちだったという。アクセスするにも手間がかかる上、誰がいつ更新したのか履歴をたどりにくいという問題点があったという。
導入にあたり、「セキュリティ面は特に社内でも議論したが、海外でも名だたる企業が導入しているという安心感もあった。導入による成果は、容量を気にすることなく画像や動画データなどを保存できるようになったことが大きい。ファイルにコメントが付けられるので、一緒に1つの資料を作業として進めやすい。業務分担がしやすくなった。出張先からもアクセスしやすくなり、海外の企業とのやりとりも利便性が向上した。職場でイベントがあった時も、写真を部内で共有でき、コミュニケーションもしやすくなった」と語った。
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