欧州連合(EU)における最高裁判所にあたる欧州司法裁判所は現地時間2月13日、インターネットの機能の要を台無しにしないという判決を下した。判決次第では、EU加盟の28カ国におけるインターネットの大部分を破綻させかねなかった。
ルクセンブルグにある同裁判所は、ニュース記事やブログ投稿、ウェブサイトにリンクを張る前に著作権者の許可を求める必要はないとの判断を示した。
Nils Svensson氏ら対Retriever Sverigeの訴訟で、同裁判所は、これは馬鹿げた考えであり、インターネットはそのままにしておくように裁定した。
この訴訟は新たな著作権関連訴訟で、判決要旨は以下のとおりだ。
13日に言い渡した判決の中で、当裁判所は、著作権で保護された著作物に対するクリック可能なリンクの設置はコミュニケーション行為であるとの考えを示している。このような行為は、(たとえ実際に利用されなくても)一般市民がアクセスできる形で著作物の一般利用を可能にする行為と定義される。また、利用者数が不確定でかなり多いため、Retriever Sverigeが運営するサイトを利用する可能性があるのは一般市民であるとみなすことができる。
欧州司法裁判所は、「Retriever Sverigeのようなサイトの運営者は、著作権者の許可なしで、著作権で保護されているが別のサイトで自由にアクセスして利用できる著作物に対して、ハイパーリンクを通じてインターネットユーザーをリダイレクトできる」と裁定した。
簡単に言えば、ウェブサイトにハイパーリンクを設置する際、最初に許可を求める必要はないということだ。
唯一注意すべきなのは、「ハイパーリンクが、リンクが挿入されているサイトのユーザーに対して、著作物が掲載されている別のサイトが著作物への一般利用をサイトの登録利用者に制限する目的で設けた規制の回避を可能にする場合」だ。
分かりやすく言えば、「ペイウォール(有料の壁)」がある場合ということになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス