この1年で米国の無線通信事業者が家族向けデータプランを導入したことにより、親たちが自分の子どもにスマートフォンを持たせることがはるかに現実的になっている。大人2人がすでに同じデータプランを契約している世帯では、それぞれ10ドル(T-Mobile)、20ドル(Sprint)、35ドル(AT&T)、40ドル(Verizon)というわずかな月額料金で、子ども1人のスマートフォンを大人のデータプランに追加することができる。
その結果、現在では米国の10代の若者の37%がスマートフォンを所有するようになった(2011年から23%の増加)とPew Internetの報告書「Teens and Technology 2013」に記されている。これとは別に、Zactの2013版「Mobile Families Survey」は、2013年の時点で米国の12歳から17歳の子どもの44%がスマートフォンを使用していると報告している。同調査は、この数が2014年には51%、2015年には59%、2016年には66%、2017年には73%へ増加すると予想している。
こうしたことが意味するのは、米国には、iPod touchを所有していて、近いうちにスマートフォンに乗り換える可能性がある子どもが約4000万人から5000万人いるということだ。その理由は、1つには家族向けデータプランが充実したためであり、同時にこうしたiPod touchを所有する子どもの多くがスマートフォンを持つ年代になろうとしているためである。
その結果、巨大な市場機会が生まれる。米国と欧州ではますます飽和状態にあるように見えるスマートフォン市場において、開発すべき新しいセグメントだ。
また、こうしたiPod touchを所有する子どものほとんどは、音楽やアプリの購入によって既にAppleのエコシステムの中に取り込まれているため、Appleは最初から、彼らを説得してiPhoneを購入させるには有利な立場にある。
その観点からいえば、iPhone 5cで用意されているにぎやかなカラーや、カラフルなシリコンケースは、完全に理にかなったものだといえる。そうしたカラーなどには、「若々しい自己表現」が目に見える形で現れている。また、世界中の携帯電話ストアの店頭で目立つ存在になるのは間違いない。
iPhone 5cを新興市場向けの低価格iPhoneと考えるのはやめよう。Appleがそのような製品を出すかどうかはわからないが、iPhone 5cはその製品ではない。
むしろiPhone 5cは、これからスマートフォンに次々と乗り換えようとしている大勢の子どもたちに向けた、iPod touchの代わりとなる製品だと考えたほうがよいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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