ウェブサイト「Groklaw」を運営するPamela Jones氏は、プライバシーや政府監視への懸念に言及し、サイトの活動を終了する意向だ。Groklawは長年にわたり、Jones氏と能弁な支持者らが間違いだと考えるハイテク分野の訴訟を取り上げてきた。
Jones氏は米国時間8月20日、最後の投稿で、「今はもはや、強制的な情報開示を防ぐすべがない」と述べた。Groklawは電子メールを介した共同作業に頼っていたが、「今では、協働するための内密の手段が存在しないのは明らかだ」という。
パラリーガル(弁護士補助職)のJones氏は、10年前にサイトを開設し、LinuxとUNIXの知的財産に関してSCO GroupがIBMなどに仕掛けた法的措置を取り上げた。Jones氏は、SCO Groupの論拠に反論し、訴訟手続きの表に出ない部分を詳述したほか、同訴訟が依拠する裁判提出書類を共有した。ボランティアらは数回の審理に自ら赴いて傍聴し、協働を通じて、SCOの訴訟でつつけそうな穴を徹底的に拾い出した。Groklawには、2003年5月の開始以来、何千件もの投稿がアーカイブされている。
SCOの訴訟が失速すると、Groklawはその義憤をほかの訴訟に向け、ハイテク界で特許侵害を巡って吹き荒れる訴訟、具体的にはデジタル著作権管理、オープンソースのライセンシング、Psystarによる「Mac」クローン機などを取り上げた。
Jones氏自身も、この電子の世界から身を引く意向だ。
「私個人に関する決定は、可能な範囲でインターネットから距離を置くというものだ。私は単なる一般人だ。しかし、これまでの自分が手がけたあらゆる調査と真剣に考え抜いた事柄を受けて、私が自分らしさを失うことなくオンラインにとどまることができないことを実感している。オンラインでプライバシーを確保するのは不可能だと知った今、書くことはできないと悟った。変な話だが、仮にみんなが同じように、インターネットから離れると、世界の経済は崩壊するだろう。私はそんなことを本心で望むことはできない。だが私にとっては、インターネットは終わった」(Jones氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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