ニールセンは12月6日、ソフトバンクの米Sprint買収に対する消費者の声をまとめた。賛否両論だが、社長の孫正義氏に対してはポジティブな反応であったという。ソーシャルリスニングサービス「Nielsen BuzzMetrics」を使って日本語と英語の2言語で分析している。
日別トレンドを見ると、10月11日の一部メディアによる買収の報道と、10月15日の正式発表時に大きな盛り上がりを示し、日本語と英語の両方で同程度の書き込み数があった。書き込みが多かったメディアは両言語ともにTwitterで85%程度となった。
日本語の書き込みにおける話題は、「ソフトバンク」64%、「孫正義社長」31%、「米Sprint」8%、「その他」4%に大きく分類された。それらの話題について、ポジティブな意見とネガティブな意見に分類すると、ソフトバンクに対しての意見はポジティブとネガティブがほぼ同率なのに対し、孫氏に対してはポジティブがネガティブを29ポイント上回っていたという。
ソフトバンクの内訳を見ると、ポジティブな意見では「すごい」など、特に具体的な理由は見られなかった。だが、ネガティブな意見では、買収による財務的な不安、現在のインフラを改善してほしいといった具体的な書き込みが見られた。
孫氏の印象については、「感心した」「応援する」など人柄についての記事がポジティブな評価の75%を占めた。その一方で「理由はないけど、とにかく嫌い」という意見や経営手法に対するネガティブな意見もあった。
英語の記事では、事実のみを述べたニュートラルな意見が大半だったが、ポジティブな記事がネガティブな記事を上回っていた。孫氏の話題は少なく、ソフトバンクの契約純増数が多いこと、過去に赤字の会社を買収しV字回復させたこと、Sprintのサービスの改善を期待するといった書き込みが見られたという。
過去の企業買収の分析では、買収する側と買収される側の会社のメリットやデメリット、過去の施策や今後の方向性などが書き込みの大半を占めることが多かったのに対し、今回の分析では孫氏に対しての意見が31%と個人への注目が高かったという。
だが、経営手法や現在のサービスの話などはネガティブに書かれており、ニールセンでは、サービス面での改善に力を入れ、ネガティブな印象の払拭を目指すべきであると分析している。
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