Commodore Internationalの創設者で、Atari Internationalの元最高経営責任者(CEO)でもあるJack Tramiel氏が米国時間4月8日、83歳で亡くなった。Forbesによると、Tramiel氏は家族に囲まれて息を引き取ったという。
コンピュータは上流階級ではなく一般の人々向けに構築されるべきだ、と述べたことで有名なTramiel氏はパーソナルコンピューティングとビデオゲームの黎明期において重要な役割を果たし、Commodore Internationalは高い人気を誇った「Commodore 64」を含む、手頃な価格だが高性能な家庭用コンピュータの数々を発表した。Commodore 64は約2000万~3000万台が販売され、家庭用コンピュータの歴史上最大のベストセラーとなった。
Tramiel氏は1928年12月13日、ポーランドのウッチで生まれた。同氏の家族は、ドイツが第二次世界大戦中にポーランドに侵攻したすぐ後、アウシュビッツの強制収容所に送られた。母親はアウシュビッツにとどまったが、Tramiel氏と父親はその後、ハノーバー近郊のアーレム労働収容所に移され、同氏は1945年4月に米軍によって救出されるまでそこにとどまった。
Tramiel氏はその後、1947年11月に米国へ移住し、米陸軍所属中にタイプライターの修理方法を学んだ。それがきっかけとなって、同氏は1953年、ブロンクスでCommodore Portable Typewriterと呼ばれるオフィス機器修理店を開業した。
同社はすぐに、タイプライターの製造から計算機の製造へと事業内容を変え、最終的にコンピュータを手がけるようになった。まず1977年に「Commodore PET」を発売し、その後、1982年1月に登場してベストセラーになった「Commodore 64」でピークを迎えた。
その2年後、Tramiel氏はCommodore(1962年に株式上場)を退社し、少しの間、コンピューティング業界から離れていた。しかし、同氏は1984年7月、1983年のAtariショックで業績不振に陥っていたAtari Inc.の消費者部門を買収して業界に復帰した。Tramiel氏は1996年までAtariに在籍して「Atari ST」を含む数々の製品を監督したが、その後、同社をJTS Corporationに売却した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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