Googleの共同創設者Larry Page氏は米国時間4月4日、最高経営責任者(CEO)のポストを2001年にEric Schmidt氏に委譲して以来、初めて同職に復帰した。もちろん、Page氏はSchmidt氏のCEO在任期間中もGoogleに深く関わっていたが、その10年間、同社CEOの職務内容は常に変化してきた。それも非常に大きな変化である。Googleは急成長する一介の企業ではなく、通信、ロボットカー、テレビハードウェア、ベンチャーキャピタルも手掛ける複合企業となった。
よって、Page氏は復帰後の最初の数カ月間、以下のことに注力すべきだろう。To-Doリストと言ってもいい。
Fast Companyは先ごろ、Page氏のGoogle CEO復帰に関する記事で、同氏がFacebookもTwitterも使っていないという興味深い事実を指摘している。Page氏はツイートする必要がない。厳しい詮索の目にさらされている上場企業のCEOにとって、投稿が即座に公開されるTwitterは最適のメディアではないようだ(前任者のSchmidt氏はTwitterを利用しているが、めったに投稿していない)。だが、Page氏はFacebookについては表も裏もすべてを把握しておくべきであり、世界は同氏がすべてを把握していることを知っておくべきだ。
こう考えるのは、Facebookが多かれ少なかれ、オンラインソーシャルネットワーキング全体を支配しているからだ。Googleは何度もソーシャル分野で競おうとしてきたが、失敗が続いている。同社は既存のトレンドを「まねて」ソーシャルメディア製品を開発すると、失敗する傾向がある。Facebookのデベロッパープラットフォームを受けて開発された「OpenSocial」や、Wikipediaに対抗して開発された「Knol」などだ。また、「Google Wave」(同社は実験だったと考えている)や非難を浴びた「Google Buzz」など、ほかのソーシャルメディアプロジェクトも失敗に終わっている。ソーシャルメディアに関してGoogleに方向性がないことを最もよく示しているのは、2005年に買収したテキストメッセージングサービスDodgeballの創設者たちが、大いに失望して辞めてしまったことかもしれない。その後Dodgeball創設者の1人は、明らかにDodgeballの続きであり、(まだメインストリームで大成功を収めるには至ってないが)評判の良い業界トレンドセッターであるfoursquareを創設している。
Googleは先週、新しい「実験」を発表した。ある種のソーシャルニュースサービスで、「+1」と呼ばれるものだが、好評を得ている。Googleは新しいソーシャルネットワークを構築するのではなく、非常に得意なこと、つまり検索に注目し、ソーシャルメディア的な味付けを少し加えた。Googleにとっては正しいソーシャル戦略だ。また、Google幹部陣がFacebookとこれまでより少しうまく駆け引きしているように思える戦略でもある。これによって、Facebookが以前のようにGoogleのAPIへの参加を停止することも防げるかもしれない。
Facebookは今でも強敵だ。ただ、GoogleはFacebookが強敵であるかのように振る舞うのはやめた方がいい。
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