スペイン・バルセロナ発--モバイルの世界では、画面サイズではなく、コンテンツが重要だという。
米Yahooの最高経営責任者(CEO)Carol Bartz氏は現地時間2月17日、当地で開催されている世界最大のモバイル関連の展示会である2011 Mobile World Congressでこのように述べ、同社の新サービス「Livestand」を披露した。
先週発表されたLivestandは、ユーザーのためにあらゆる種類のコンテンツを収集、パーソナライズし、そのコンテンツをどの種類の端末向けにも最適化することができる。「デジタルニューススタンド」をうたう同サービスは、個人の関心に合わせて記事や情報、広告を提供する。一方でパブリッシャーは、各デバイス向けに複数のバージョンのコンテンツを作成する必要がなくなる。
モバイル端末は画面サイズが小さいため、PC向けコンテンツの表示が損なわれてしまうという問題について「画面サイズは今後も細分化するだろう。一度公開すれば、あらゆる端末で利用できるコンテンツを提供してゆくというのが、コンセプト」と述べる。
Bartz氏は、iPadでLivestandを動作させながら披露した。文字や画像、広告が乱れてしまうYahooの通常のウェブサイトと比べ、Livestandインターフェースはシンプルで綺麗にまとまっていた。デモを手伝うあるYahoo従業員向けにカスタマイズされたこのサイトは、サーフィン雑誌や波と天気の予報、サーフボードの購入ガイド、スポーツニュースのモジュールが表示されていた。
Livestandは、人による編集管理の下、機械学習によってコンテンツのパーソナライズを自動的に行っているという。Bartz氏は人によるひと手間を「隠し味」と呼ぶ。
Livestandでは、友人同士でコンテンツを共有することができ、FacebookやTwitter経由でコメントを交換可能になっている。
Bartz氏はNikeのビデオとスポーツウォッチの広告をデモで披露し、「Yahooでは、広告も重要なコンテンツであると考えている」と述べた。このデモの中で、その広告に関連する友人のコメントがリアルタイムでポップアップする様子が披露された。
Bartz氏とその他技術企業のCEOの3人がモバイルコンピュータの将来の展望について述べたあと、IntelのPaul Otellini氏は質疑応答で、Intelチップを搭載したスマートフォンが2011年中に登場する見込みだと述べた。
一方で、CiscoのJohn Chambers氏は、近い将来、ビデオがモバイルの中心になり、サービスプロバイダーはネットワークパフォーマンスと管理能力を強化する必要があるという見解を示した。
また、ソフトバンクの孫正義氏は、日本のボーダフォン買収(200億ドルで2006年に実施)は成果を上げており、スマートフォンをめぐるデータ通信の需要によって加速していると語った。しかし同時に、この買収は悲観的に見られ、株価が下落し、同社は4年間で毎年10億ドルを損失したと孫氏は述べた。しかし、孫氏によると、モバイルのデータトラフィックは当時から30倍に成長したという。
「人々は、モバイルはもう儲けにならないなどと言い始めていた。危険な賭けではあったが、無茶な行動も時にはいいリターンになる」(孫氏)
「モバイルキャリアはダムパイプになり始めている」と孫氏は付け加え、「これは重苦しい現実だ」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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