Microsoftは「Silverlight」戦略を変更したかもしれないが、クロスプラットフォームのランタイム・開発プラットフォームであるSilverlightは現在も活発に開発が進んでいる。
これが、米国時間12月2日に開催したSilverlight FirestarterでMicrosoftが伝えようとしたメッセージだ。Microsoftは1日がかりの同イベントで、次期版「Silverlight 5」で計画している機能やロードマップについて情報を公開した。
Microsoftの幹部はイベントの前、Silverlight 5のパブリックベータを2011年第2四半期に、正式版は2011年内に公開する予定だとすでに述べていた。
Microsoftとパートナー企業のTelerikは、「Microsoft Silverlight Client for Facebook」として呼ばれていたFacebook向けクライアントの正式版を発表した。Microsoftは先にベータ版を公開しており、今後はTelerikが同アプリケーションの開発とメンテナンスを行うことを発表した。名称も変更され、「Telerik f!acedeck」となる。同アプリは無料で「Silverlight 4」をベースとしている。
Microsoftの関係者によると、Silverlight 5は40以上の新機能を含み、これはSilverlightユーザーコミュニティーから寄せられた新機能の要望の70%に応えるものだという。新しい機能の多くは、Silverlightのリッチメディアおよびビジネスアプリケーションの開発プラットフォーム機能に注力したものだ。
Microsoftの幹部は、モバイル開発に注力した新機能やクロスプラットフォームランタイムに関連したものについては、(少なくとも、Firestarterイベントの前には)取り上げて紹介しなかった。Microsoftの関係者が2010年10月末に明らかにしていたように、Microsoftのクロスプラットフォームランタイム戦略は変化しており、今後クロスプラットフォームの課題を解決する新しい方法としてHTML 5にスポットを当てる方針だ。
Firestarterイベントの前に事前ブリーフィングを受けていたというForrester ResearchのアナリストであるJeffrey Hammond氏は、Silverlight 5でのツール周りの改善は注目に値すると述べている。
「エンタープライズアプリケーションを構築する場合、ツールの質と深さは重要だ」とHammond氏。「最新のコード化されたUIテスト、強化されたデバッガはウェブアプリケーション周りでデータを構築する開発者を支援するだろう(この作業をしないというIT部門はないだろう)。HTML 5向けにも同じレベルのツールがあると良いが、まだそのようなツールがあると聞いたことはない」(Hammond氏)
ツールのほかには、メディアサポートの向上、プレミアムメディアエクスペリエンスでのリッチユーザーインターフェース機能などがSilverlight 5の特徴となる。
リッチメディア分野では、以下の機能を含む予定だ。
このほか、全般的な性能の向上やグラフィックスの強化も計画されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」