Boyd氏によると、同チームは検索バーの下で検索結果がめまぐるしく変化していることに気づいた外部テスターが非常に少ないことに驚いたという。このテストプロセスに参加した人々は、Googleが少し前に施していたその他の変更には気づいた。例えば、左ナビゲーションバーのデザイン変更だが、これはテスターの大部分がテストラボに入る数カ月前に行われていた変更だ。しかし、外部テスターの中で最初の一連のタスクの間にGoogle Instantに気づいた人は半分に満たなかった。
日が経つにつれてリサーチャーたちの1週間の業務パターンが定まってきた。最初の2〜3日間でGoogle従業員のテスト、週の後半に外部テスターのテストを行い、テストが完了したらGoogle Psychicデザインチームとミーティングを行って結果を振り返り変更を提案する。このユーザーフィードバックの直接の結果として行われた大きな変更の1つは、Google Instantが新しい結果を生成するスピードだ。初期のテスターにとってはそのスピードが速すぎたからだ。
最終的な結果は、Boyd氏が「わたしのリサーチ業務キャリアの中で最良の経験」と呼んだものとなり、Google Instantは9月の始めにロールアウトされ、問題や苦情はほとんど発生しなかった。
Boyd氏のチームは、検索ユーザーエクスペリエンスのリサーチを思いどおりに遂行できているように見えるが、ソーシャルメディア製品に対するユーザー行動のテストは「複雑なリサーチだ」と同氏は認めている。人によって、実にさまざまな理由から、自分のニーズに最適なカスタマイズやプライバシーのレベルについて全く異なる考えを持つ場合があるためだ。
そのような複雑さの影響を直接受けたのが、2010年に行われた「Google Buzz」のリリースだ。Google BuzzはGoogleのユーザビリティラボのプロセスを経なかったわけではないが、リリースに先立って主に使用されたのは従業員による社内テストだった。
影響は明らかだった。プライバシー管理機能は表示が不十分で、見つけにくく、デフォルトの設定は一般のユーザーにとって快いものではなかった。その結果、激しい反発を鎮めるために慌てて変更を施すことになり、Google Buzz担当のエンジニアにとってはそれまでのキャリアの中でも指折りの忙しい休日出勤となったことだろう。
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