日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は8月9日、シングルサインオン製品の最新版「HP IceWall SSO Ver.10.0」を発表した。8月2日に出荷を開始している。
同社では、企業が仮想化やクラウドサービスを導入するのに伴って認証の対象範囲が急速に拡大していると見ており、そのため社内外の大規模環境に適応できるミッションクリティカルな認証基盤が求められているとしている。また、クラウドや仮想化環境における認証基盤では、動的に変化するアプリケーションのリソースに対応して、証跡管理を統合化することも必要だとしている。
日本HPではHP IceWall SSO Ver.10.0で、こうした認証基盤への新たなニーズに対応するとともに、拡張性、可用性、運用性を向上させ、クラウドや仮想化への対応強化を図ったという。新機能として、認証サーバを複数持つことで負荷分散を可能にし、処理性能、拡張性を向上させる「認証モジュールの分散化」機能、認証データベースがダウンした場合でもアクセス認可処理が継続できる「アクセス専用スレッド」機能、認証サーバを停止することなく認証モジュールの設定変更をノンストップで実施できる「ノンストップメンテナンス」機能などを提供する。さらに、各ユーザーからのアクセスによる一連のログ出力をトラッキングし、障害発生時などに確認することで、障害解析をより迅速に進める「トランザクションID」機能も実装するという。
これらの機能によって、大規模な認証基盤においても、安定した運用や迅速な障害対策が可能になるという。また、クラウドや仮想化への対応強化では、VMwareを利用した仮想化環境における認証基盤の動作検証を行い、ベストプラクティスを提示。このほか、最高レベルの暗号強度を採用するなどセキュリティを大幅に強化し、独自プロトコル(ICP 2.0)のHTTP化も実現したとしている。
また、日本HPでは機能強化とともに、従来バージョンまでは販売完了後2年間だったサポートを、今後10年先(2020年3月末まで)の長期サポートプランとして提供するという。これにより、ミッションクリティカル環境の認証基盤の構築を強力に支援したい考えだ。
HP IceWall SSO Ver.10.0の提供価格は、100ユーザーで157万5000円から。長期サポートプランは、同バージョンが動作するプラットフォームが別途サポートされていることが条件となる。
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