ポーランドにて開催されているMicrosoft主催の学生技術コンテスト「Imagine Cup 2010」もいよいよ終盤となった7月7日、ワルシャワ市内のオペラハウスでは決勝に残ったチームのプレゼンテーションが行われた。
Imagine Cupの中でも一番厳しい戦いとなるのが、第1回より開催されているソフトウェアデザイン部門だ。参加者が多いこの部門では、世界各国の代表68チームから12チームのみが2回戦に進み、その中からさらに6チームのみがこの大舞台に立つことを許されるのだ。
毎年参加者のレベルが向上している同部門の決勝戦では、審査員や観客をうならせるソリューションが次々と登場した。審査結果の発表はポーランド時間の8日となるが、観客の反応や個人的な好みなどから、同部門の上位入賞チームを勝手に予測してみたいと思う。
セルビアのチームTFZRが披露したのは、身体を全く動かせず話すこともできない障碍者でも、脳波を読み取るデバイスによって文字を選んで入力し、SMSやWindows Live Messengerにメッセージを送信できるというものだ。このソリューションを使えば、体を動かすことなくコミュニケーションができるという。
タイのチームSkeekは、聴覚障碍を持つ人が健常者と同じ教育を受けられるよう、話し言葉を手話に自動変換する「eyeFeel」を開発した。ウェブカメラで顔と音声が認識され、話された言葉はそのまま文字変換されると共にアニメーションの手話が表示されるため、教師が手話を学ばなくても聴覚障碍者が通常の授業を受けられるという仕組みだ。
ニュージーランドのチームOneBeepが発表したソリューションは、通信環境が整備されていない国においても教育コンテンツを簡単に入手するために、すでにIntelが発展途上国などで提供している「Classmate PC」などの低価格PCと、古くからあるラジオを活用するというものだ。OneBeepの開発したソフトウェアによって音声変換された教育コンテンツは、ラジオ波を使ってPCに送られ、PC上で元のフォーマットに再変換される。ラジオ波を利用することで、インターネット環境が整っていなくともコンテンツのやりとりが可能となるわけだ。
会場からホテルへのシャトルバスで他国からの出場者たちと話す機会があったが、やはり上記3カ国の評判は高かった。特にニュージーランドのOneBeepは、事前に行われたブースでのデモにおいても、うわさを聞きつけた報道陣やライバルたちが次々とブースに押しかけるという盛況ぶりだった。
ここで紹介したチームは果たして予想通り上位入賞となるのだろうか。8日は、最終展示ブースが公開された後、夕刻18時より順にすべての部門の結果が発表される。
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