楽天は11月12日、2009年度12月期第3四半期(7月〜9月)連結決算を発表した。売上高は772億円(前年同期比23.9%)、営業利益は151億円(同21.1%増)、経常利益は149億円(同28.1%増)、純利益は93億円(同50.9%)となった。売上高および営業利益、経常利益では、第3四半期としては過去最高記録を更新した。
EC事業では、主力事業である楽天市場で注文件数や平均購入回数が微減したものの、ユニーク購入者数が772万人だった前期から775万人(前年同期比21.6%増)と増加。さらにユーザー別・主賓ジャンル別のマーケティング施策や店舗支援が奏功。流通総額も前年同期比20.8%の高成長を維持した。その結果、売上高が806億8300万円(同24.1%増)、営業利益が245億700万円(同52.3%増)となった。
トラベル事業については、不景気のあおりを受けてビジネス需要が減少した一方、夏休みやシルバーウィークの予約が好調だった。さらに営業力強化でレジャー目的のニーズを掘り起こしたことから、売上高は225億1500万円(同25.6%)、営業利益は64億2300(同17.6%増)となった。
第1四半期より連結対象となった、イーバンクの銀行事業については、第2四半期での黒字転化後、好調な推移を見せた。決済サービスのグループ内連携も進めており、クレジットカード一体型キャッシュカード「楽天イーバンクカード」の提供も開始している。
楽天では2008年に台湾へ進出しているが、2009年9月には第2の海外展開としてタイのEC最大手であるTARAD Dot Comの子会社化を発表している。楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、台湾での展開について「波に乗ってきた。台湾では現在第3位(のオンラインショッピングモール)。プレゼンスも上がってきた」とコメント。その一方で、「楽天市場は時間のかかるモデル」(三木谷氏)と語るように、現時点での売上規模は日本に比べてまだまだ小さい。タイでの展開についても、「来年度ではそれほど大きくない規模」とした。
また同社は11月5日、ビットワレットの子会社化についても発表している。三木谷氏は、まだ子会社化を終えていないとした上で、「Edyの発行枚数は多いが稼働しているカードは少ない。使用頻度を上げて、コストを下げる。加えて楽天会員に使ってもらうことで1つ桁数の違う使用総数にしたい」語った。また、黒字化については「現場と意見は違うが、遠くない未来にいける」と自信を見せた。
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