駆け引きのほかにも、Intelとその協力者のすべてが考慮しなければならない障害物がもう1つある。それはコストだ。
情報をレーザーによって、透明なファイバを進む光子として送信する光ネットワークは、安価に作れるものではない。
しかしDoherty氏は、大量生産によってコストは下がるだろうと考えている。そして、USBは極めて大量に生産されている。In-Statによれば、現在、1年間に約30億台のUSBデバイスが出荷されているという。
「光ネットワークの経済的側面がUSBと同じになれば、コネクタのコストは、現在の多くの高性能光ファイバコネクタの数10ドルから、数10セントにまで下がる可能性があることを、あらゆる証拠が示している」(Doherty氏)
コストを削減する1つの方法として、ガラスより品質の低いプラスチック製のファイバを使うことが考えられる、とDoherty氏は述べた。同氏によると、プラスチックはガラスに比べてデータ転送能力では劣るが、ガラスより安価で、柔軟性にも優れているという。Intelもそう考えていることを示唆する発言を紹介しよう。Ziller氏はLight Peakについて、「結び目を作っても正常に機能する」と話している。
Intelは、レーザーをプロセッサ自体に組み込むシリコンフォトニクスに関して、多大な研究を行ってきた。しかしLight Peakでは、1および0と光との相互変換を行う光モジュールについて、従来の技術を使用している。Ziller氏によると、IntelはAvago TechnologiesやSAE Magnetics、Foxconn Technology Groupといった主流メーカー製の光モジュールを使用しているという。
2本のワイヤ同士の接続については、よく理解されている。それでは、2本の光ファイバケーブルを接続する場合は、どのようにすればよいのだろうか。Rattner氏が行ったデモでは、Light Peakケーブルのホットプラグ接続が披露されていた。したがって、Intelは明らかに、それを経済的に実現する方法について何らかのアイデアを持っている。
ハイエンドのファイバ接続は、光ケーブルを融かすことによって行われる。しかしDoherty氏は、ゲル状の接着剤を使うことができるだろうと考えている。接着剤をキャップで保護し、コネクタを差し込むとキャップが裏返るようにできるかもしれない。そのようなコネクタは、「1日に100回も着脱するものには向いていないかもしれない」が、数十回ないし数百回使用することができるだろうとDoherty氏は述べた。
Intelによるアイデアの多くは、失敗の憂き目にあってきた。しかし、Intelは複雑な技術を導入することに関して、ほかの多くの企業よりも豊富な経験を持っている。そして、IntelはLight Peakについては、強引な売り込みをしようとはしていない。
「われわれは、向こう数年間で膨大な数のポートを、という話をしている。そのことは、コストを下げて魅力的な技術にするのに本当に役立つ。基本的に、われわれは光技術が大量に普及するときが来たと考えている」(Rattner氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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