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日本版“フェアユース”、権利者側は前向きを示すも慎重姿勢--第3回法制問題小委

 文化庁の著作権分科会法制問題小委員会が2009年度第3回目の会合を7月24日に開催した。

 同委員会は、日本の著作権制度に関わる法的問題を議論することを目的に、2002年度から設置。2009年度は、政府の知的財産戦略本部が4月に策定した「第3期知的財産戦略基本方針」において、重点施策のひとつとして掲げられた“日本版フェアユース”規定の議論がおもな論点となっている。

 フェアユース規定とは、デジタル化の進展により多様化するコンテンツの著作権を、法律による個別の事前規定ではなく、公正な利用については無断利用を認めるという一般包括的な指針を概念的に定めるもの。日進月歩で進歩するデジタル技術や市場の変化に従来の個別規定による著作権法制度が対応しかねない状況にあることから、米国の著作権法107条が定める規定にならい、日本版として政府が導入を目指している。

 今回で3回目となる会合では、著作権団体など有識者団体の代表者が出席してヒアリングが行われた。いずれの団体もフェアユース規定の導入には前向きな姿勢を示しており、それぞれの立場から取り組みや見解を発表した。

 日本弁護士連合会(日弁連)は、弁護士の立場から答弁。日弁連知的財産センター委員で弁護士の龍村全氏は、2008年11月に同団体が発表した日本版フェアユース規定の新設に対する意見書について説明し、「デジタル技術の発展により、従来の個別的制限規定だけでは多様化した利用に関わる著作権侵害の有無についての適切な判断ができなくなってきているのが現状。さらに、予測できない事態に備えてあらかじめ個別的に立法しておくのは背理であり、法改正には利害関係の調整に時間がかかる上に、結論は画一的で柔軟性に欠け、すぐに時代遅れになってしまう」と、十分な検討が必要ではあるものの、フェアユース規定の導入が必須であるとの立場を明確にした。

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