ソーシャルニュースサイトのDiggは、Microsoftと結んでいた広告販売契約を、契約期間の終了まで1年以上残して解消する。Diggは今後、独占的広告パートナーとしてMicrosoftに頼る代わりに、最近組織した社内の営業部隊を主に利用する。Microsoftは残った広告枠の担当を継続する。
「7月1日より、Microsoftは『Microsoft Media Network』を通じてDigg向けのネットワーク広告枠を販売する。Microsoft Media Networkはこの1年半、順調に広告を運用してきた」とMicrosoftは声明文で述べている。「Diggは社内に営業部隊を結成した。Microsoftは、Diggが直接的に広告枠を所有および運用し、企業としての成長をさらに加速させるという決断を尊重する」とMicrosoftは記している。
DiggとMicrosoftは2007年中ごろ、3年間の広告契約を締結した。Diggはこの時、広告パートナーをGoogleからMicrosoftに乗り換えている。創業者のKevin Rose氏は当時、より経験のある専門チームに広告販売を任せることで、Diggスタッフが機能の開発に専念できるとして、この決断を自画自賛していた。
Microsoftは当初、Diggからの契約獲得を大きな勝利としていたことから、今回の契約解消はMicrosoftにとって痛手となりそうだ。だが、この件はウェブ広告が急速に変化していることを示すものともいえそうだ。
ClickZによると、Digg社内の営業部隊は「標準的なバナー広告のほかに、Internet Advertising Bureau(IAB)規格外のカスタマイズ広告」にも注力するという。この戦略的判断、つまり長年に渡ってデジタル広告を規定してきた従来のIAB規格のディスプレイ広告への依存から脱却するという決断は、ソーシャルメディアサイトに広告を出すベストの方法が議論や不安を呼ぶさなかに打ち出された。
ソーシャルネットワークのFacebookもMicrosoftとディスプレイ広告の契約を結んでいる(MicrosoftはFacebookに2億4000万ドルの出資もしている)が、Facebookも自社の実験的な取り組みである「Engagement Ads」により力を注いでおり、この広告商品をパッケージし販売している。一方、News Corp.傘下のMySpaceは従来のディスプレイ広告により多くを頼っている。
おおかたの推測では、MySpaceが売り上げをめぐる争いでFacebookの先を行っている。MySpaceは広告費が海外よりも集めやすい米国でより大きな基盤をもつ。またMySpaceは広告をより一層訴求させるために全ページに表示するキャンペーンなどに積極的だ。またMySpaceがNews Corp.のメディアコネクションを持っているということも周知の事実だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」