このホリデーシーズン中に消費者の財布のひもがずっと堅ければ、Appleでさえ影響を受けずにはいられないかもしれない。
いつもならばAppleに関するどんなニュースにでも明るい面を見つけることができるPiper Jaffrayが米国時間11月17日に発表した予測によると、PCおよび家電業界にとって過去数年で最悪のホリデーシーズンになると見込まれている現状において、「iPhone」と「iPod」の売り上げが数週間のうちに減少に向かうだろうという。Appleが最新のノートブックを投入したおかげで、「Mac」の売り上げは比較的健全そうだが、2007年のときほどの急成長は見られない。
Piper Jaffrayの見通しは、同社の調査に基づいている。調査は11月に米国中のApple Storeで実施され、ある25時間の間に各直営店でのMacとiPhoneの販売台数が数えられた。この調査で、10月のMacとiPodの売り上げに関する市場調査会社NPDのデータによる予想が裏付けられた。
預金残高が240億ドルあり、無借金で、今なお一般の人たちに人気がある製品を抱えるAppleは絶好調であり、消費者の支出に依存する企業にとってかなりの困難が見込まれる次の2四半期を乗り切ることができるだろう。しかし、売上高と利益面におけるAppleの7年連続2けたの成長率は、ほとんどの連続記録と同様、ついに終わりを迎えるかもしれない。
それでは、数字を見てみよう。
Piper Jaffrayのデータによれば、Appleの第1四半期(10〜12月期)のiPhone販売台数は640万台になる見通しだ。ちなみに、前四半期は690万台を売り上げ、予想を完全に覆した。携帯電話市場は概して、7〜9月期と比較して、ホリデーシーズンを含む四半期は15%の連続成長の傾向があるが、2008年は例年のようにはいかないだろう。
Appleの各直営店は、「iPhone 3G」が発売された7月には1日平均98台のiPhoneを販売していた。11月、1店舗当たりの販売台数は約28台しかなく、数字上は71%の減少だ。このことは、Appleが現四半期に向けてiPhoneを減産するという報告を裏付けている。
しかし、Piper Jaffrayによれば、これらの数字がすべてを物語っているわけではないという。Appleがほぼ6週間でiPhoneを完売した四半期の後も、iPhone 3Gの繰延需要は確かにあった。また、Piper Jaffrayは、現四半期、iPhoneが売られている場所はAppleの直営店だけではないことも指摘している。AT&Tがいくらか販売しているのはもちろんだが、Appleは現四半期中にBest Buyを代理店に加えた。
現四半期にiPhoneを販売する国の数が増加したことを考慮に入れれば、減少はわずか8%だとPiper Jaffrayは予想している。ただし、iPhoneがAppleの経営にとっていかに重要かを考えれば、Appleにとってよいニュースというわけではない。
Macの台数が急降下しているようには見えないというPiper Jaffrayの数字は、Appleを安心させるだろう。Piper Jaffrayは、現四半期のMacの販売台数は、前四半期の販売総数とほぼ同じ260万台と予想している。
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