次に、今回の施策が業界全体にどのような影響を与えるか、という点について聞いた。具体的には、ユーザーへの影響と、モバイルビジネスをしている携帯電話事業者やコンテンツプロバイダー、モバイル広告事業者らへの影響を分けて質問した。
まずユーザーへの影響については、「ユーザーが不便さ、不自由さを感じるようになる」といった声が12件と最も多かった。また、「モバイルインターネットへの関心や利用が減る」といった回答も8件あり、若者のケータイ離れを危惧する声が目立った。
「青少年の知る権利や表現の自由及びSNS、ブログといったコミュニケーション手段が過度に制限される」(楽天)、「特に若い世代はコミュニケーションツールとして携帯電話を利用しており、インターネットを通じた双方向のコミュニケーションが制限されるということは彼らの社会性を抑圧するものになってしまう」(魔法のiらんど)
これにより、「若年層が生み出したケータイ小説などの独特の文化を失ってしまう可能性がある」(ディー・エヌ・エー)、「若者文化の発展に制約を受けてしまう」(サーチテリア)と、今までのモバイルインターネットの魅力が失われてしまう可能性があるという。
こうした一方で、ユーザーのリテラシー育成を阻害し、デジタルデバイドを生む恐れについて指摘する声もあった。「フィルタリング技術がまだ成熟していない現時点で、その要否を親に判断させることは、親の情報リテラシーいかんで子どもの情報へのアクセスが影響を受けることとなるため、中長期的にはデジタルデバイドの拡大と階層間格差を生む危険性がある」(マイクロソフト)
フィルタリングの原則加入が求められているのは、新規契約者であれば20歳未満、既存契約者であれば18歳未満だが、対象者がこの年齢を超えても、申し込みがない限りフィルタリングは解除されない。このため、「検索エンジンなど、ユーザーにとって有効なサイトも利用できないなどの影響がある」(ミクシィ)、「子どもを守る、というのであれば、それ以上の年齢になってもフィルタリングをかけ続けることには合理的な理由がない。自動的に外れるようにするか、18歳になったときに通知して、フィルタリングを引き続き利用するかどうかを選べるようにするべき」(ヤフー)と、将来にわたる影響を懸念する声もあった。
このほか、周知不足による「利用者の混乱」を懸念する声も4件あった。今まで利用できていたサイトが突然アクセスできなくなれば、ユーザーとしては困るだろう。ただし、「ユーザーから不満が出るくらい」で大きな影響はない、という回答も3件あった。
良い影響については、「有害サイトにアクセスして犯罪の被害者、加害者になるという問題は解消される」(日本エンタープライズ)、「有害サイトを気にすることなく携帯電話を子どもに持たせることができる」(jig.jp)との声があった。
ただし、この施策自体にあまり効果が期待できないという意見もある。「子どもの抗議に負けてフィルタリングを解除する事例が多発するのではないか」(WEB110)、「福祉犯は1985年をピークに減っており、現時点では横ばい傾向であることを踏まえると、統計的には携帯電話の普及が少年犯罪を助長しているとは断言できない」(マイクロソフト)、「いじめや犯罪の温床となるものはモバイルサイト以外に無数に存在し、フィルタリングを導入したからといって、それらによる被害件数が顕著に低下することはないと思われる」(マイネットジャパン)
さらには、逆に青少年のリスクを高めるという指摘もある。「われわれの眼が届かないところでは、よりアンダーグラウンドな事業者が横行することで利用者のリスクが増えるのではないか」(魔法のiらんど)、「未成年にフィルタリングが施されていない携帯電話を売りつける業者などが出てくる恐れがある」(Yicha)
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