2009年〜2010年に投入を予定しているチップであるにもかかわらず、Intelの幹部は「Moorestown」(開発コード名)についてよく言及している。Moorestownは「広範な」モバイル市場における同社の唯一かつ最大のプッシュであることを考えると、過度な強調も納得できる。
Intelが先日開催したカンファレンスで、最高経営責任者(CEO)のPaul Otellini氏をはじめとした同社幹部は、Moorestownをよく口にした。なぜか?最初の理由は、MoorestownはIntelのシステムオンチップのショーケースとなるからだ。システムオンチップは、CPU、グラフィック技術、メモリコントローラを単一のダイに載せたもので、他のシリコンに組み合わされる。2番目の理由として、MoorestownはIntelにとって、携帯電話市場に向けた唯一の参入ポイントとなる可能性が高いためだ。Intel自身も、「携帯電話フォームファクタに初めて参入する」と説明している。なお、Intelはこの分野を、「Mobile Internet Device(MID)電話」と称している。3番目の理由として、この分野は、Intelの次期ソリッドステートドライブ(SSD)の主要な市場となる可能性が高いからだ。
MIDは他の特徴もある。高速無線ブロードバンド技術のWiMAXなどだ(インフラがその頃までに普及していれば、の話だが)。IntelはMoorestownで、(アイドル時の)消費電力が、2008年に投入する「Menlow」(開発コード名)のMID設計の10分の1という目標も掲げている。これは、バッテリ寿命が改善することを意味する。
MoorestownやMIDへのフォーカスが意味することは、Intelは現在、携帯電話用プロセッサでメインプレイヤーではないという事実だ。この分野では、最大のライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)が一歩リードしている。AMDが買収したATI Technologiesから引き継いだ「Imageon」ラインは、Motorola、LG、パナソニック、Samsungなどが採用しており、搭載した携帯電話は50機種以上に及ぶ。AMDはまた、Freescale Semiconductor、Qualcomm、STMicroelectronicsなどの半導体企業にグラフィック技術も提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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