「SharePoint Conference 2008」で、Microsoftの最高財務責任者(CFO)であるChris Liddell氏がYahooについて質問されず、元会長のBill Gates氏が質問を受けていたのは、いささかこっけいだったように思われた。
公に議論されていない時も、誰もが常にYahooのことを考えている。私自身、Microsoftのほぼすべての幹部に質問をする際には、Yahooに対する買収提案が実現した場合と、実現しなかった場合の2通りの回答を求めたいくらいだ。
だからといって、Gates氏や最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏をはじめとするMicrosoftに所属する人たちに今、この件について話す材料がたくさんあるわけではない。確かにGates氏はCNET News.comの取材に応え、MicrosoftがYahooを必要とする理由の一部を語っている。だが、買収担当チームが次の手を考えている間、Microsoftは衆人環視のもと、おおむね「待ち」の戦術を取っている。
いずれにしても、米国時間3月3日に、Yahooに対する買収提案が実現するか、実現した場合、「Microsoft Sharepoint」の将来計画にどのような影響があるかという質問に対して、Gates氏は次のように回答した。これが買収問題に関する最新のコメントということになる。
SharePoint会議の発言録によれば、Gates氏はスピーチで次のように述べている。「最終的にYahooを買収するかどうかという問題が、Sharepointに直接影響するとは思わない。この買収が、一般消費者向け検索市場での競争に本腰を入れようとするわれわれの意志を示すものであることは明白だ。われわれは、多くのサーバを設置したデータセンターの構築法について、社内で多くのことを学んできた。実際、データセンターの自動化についてわれわれが徹底的に検討したことで、ユーザーにも恩恵がもたらされている。われわれは、Sharepointと『Exchange』を提供しているので、われわれ自体のデータセンターでも経験を積んだが、それだけでなく、データセンターに関するソフトウェア管理についても学んだ。これは顧客のデータセンターにも応用可能だ」
Yahooに対する買収提案については、Gates氏は次のように述べている。「一般的に言えば、これは検索とソフトウェアに関してわれわれが積極的であることを示している。ただし、今回の買収そのものが実現するかどうかを推測するのは難しい」
SharePoint会議でGates氏は、どの大統領候補を支持しているかという質問も受けたが、具体的に名前を挙げることは避けた。
「Microsoftと私の財団(The Bill & Melinda Gates Foundationのこと)はともに、信じる大義をかなりはっきりと示している。財団においては、世界の保健問題に重きを置いている。さらに『One.org』という組織で、実際に働きかけも始めている。One.orgはわれわれが資金援助したサイトだが、各大統領候補に世界の保健問題に関してどんな公約があるかを尋ね、内容を公開している」(Gates氏)
Gates氏は、One.orgはMcCain氏、Clinton氏、Obama氏のビデオを公開していることに触れ、どの候補も「非常に力強い公約を打ち出している」と評した。
ただしGates氏は「だが、この問題に関して各候補の微妙な違いを確認したければ、One.orgにアクセスするよう勧める。これ以上、公の場で詳しいコメントをするつもりはない」と述べるにとどまった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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