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特徴は“まるいデザインだけじゃない”「au design project 」の最新モデル au 「PENCK」

上之山奈津希(CNET Japan Staff)2005年04月01日 00時00分
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W31H
内容:スリムなストレートタイプの「INFOBAR」や「talby」、機能性重視の二つ折りタイプの「W11K」など、新しい形のケータイを生み出してきた「au design project」。発売モデル第4弾の「PENCK」は、最大2.4Mbps での通信が可能な「CDMA 1X WIN」対応、124万画素のカメラ搭載の多機能を誇るデザインケータイだ。この「PENCK」の魅力とは──。

「PENCK」のオリジナリティ

ミルク、メタル、ビターの3色

 「au design project」の特徴的なラインアップに注目してきた筆者は、過去に当時高性能だった機種を捨て、一目惚れした「INFOBAR」の真っ白なモデル「ANNIN」に機種変更した経験を持つ。今回の「PENCK」のレビューは、機能だけではない感覚的な部分も伝えたいと思い、「au design project」のファンの一人としての見解を含めてお届けする。

 「PENCK」を手にとって見るとまずその存在感と共に、「INFOBAR」や「talby」にはない重量感がある。これまでの同プロジェクトの他機種と比べると重く感じられるかもしれないが、134gという数値は、一般的な多機能ケータイと同じ程度であり、後述する豊富な機能が備わっていることを加味すれば問題ではない。

電源ON/OFF、本体開閉などすべての効果音と着信メロディはサイトウマコト氏にディレクションされた

 アンテナの突起や角のない「PENCK」は、個性的なデザインであると同時にとてもシンプルなため、ストラップや着信音を選ばない。装飾や設定次第でオーナー好みに変身させられるので、飽きずに長く持てそうだ。だが、徹底したラウンドフォルムを追求する「PENCK」は、側面も丸みを帯びているので通常のケータイのように指をかけられる平面部分が存在しない。さらにサブウィンドウを持たないので、デザインとしてはとても美しいが、片手で本体を開くのは難しく、ユーザビリティの面では疑問が残る。たとえば、片手が荷物などでふさがっている状態で着信があったときには、あまりスムースに対応することができないのである。

細部にまでこだわりぬかれたデザイン

メタルカラーにつく指紋も思ったほどは気にならない

白色に統一された充電機器は前例がないという

 デザイナーであるサイトウマコト氏のこだわりは、白で統一された付属の充電機器にも感じられる。卓上ホルダは、「PENCK」の丸みを踏襲したデザインであり、机の上に本体をスマートに座らせてくれる。さらに卓上ホルダの横カバーを開けば、「PENCK」のデータ通信用のポートにつなげられるようになっており、充電しながらもパソコンとのデータ通信が可能だ。だが、「PENCK」は閉じた状態でないと卓上ホルダの上に置けない形状のため、たとえば卓上ホルダを使って充電している最中に着信があった場合、一度ホルダから電話機をはずしてメールや着信の相手を確認しなければならない。デザインのためとはいえ、こうした部分を不便に感じる人もいるだろう。

 「PENCK」を見ていると、つい外観にばかり注目してしまいがちだが、実際購入して使用するとなればデザインだけでなく、機能や性能が気になるところだ。  「音(おん)の響きのかわいさ、自由さ、フリーハンド感」が名前の由来だと言う「PENCK」には、そのコンセプトにふさわしい機械的かつポップな音がインストールされている。これが不思議なほど「PENCK」のデザインとマッチしているのだ。2005年3月時点ではテレビCMも放映中なので、できるならこれを耳にして「PENCK」を実感してほしい。 大きな操作ボタンと数字や記号、デザインを害さないようにさりげない位置に配置された3Dサラウンドステレオスピーカーなど、機能が考えられているだけでなく、すべてが丸みをおびたデザインに統一されているところにかわいらしさが感じられる。

文字・背景色のテーマは4種類

 モニターは、「au design project」モデルでは初となる“高品質”QVGA液晶が採用されていて、待受画像の写真の美しさを楽しめるほど、きめが細かい。サイトウマコト氏によるflashを使った動きのあるメニュー画面は4種から選べるようになっており、どれもが「PENCK」の“かわいらしくて自由”というコンセプトが反映された、多分に動きのあるモーションが含まれている。 1つ気になったのは、詳細メニューに一般の機種と変わらない文字メニューが並んでいる点だ。背景・文字色などのテーマを変更する機能はあるのだが、選択できる文字色や背景色のテーマは、ほかのメニュー画面とはあまりマッチしていない印象を受ける。

アイコンと呼ばれるメニューテーマはEZWebを通じてダウンロードできるものにも設定できる
 
文字サイズ大は81文字、中は121文字、小では306文字の表示が可能


「au design project」で初めてメガピクセルに対応

マクロ撮影の切り替えスイッチはレンズの横にある

 これまでの「au design project」のデジタルカメラ機能は、すべて30万画素クラスで“一応つけました”的な性能であった。自分を含めて「au design project」のオーナーは、デザインへの愛着でデジタルカメラに対する不満を解消させていたと思われる。だが、「PENCK」には多機能をウリにした昨今の携帯電話と同等の124万画素のカメラが搭載されている。撮影できるサイズも待ち受け画面サイズ、VGA(640×480)サイズ、SXGA(1280×960)サイズでの撮影が可能で、カメラとしても十分に楽しめるだろう。


人物/風景/夜景/トワイライト/パーティ、5つの撮影シーンが選択できる ※リンク先未加工

 また、「PENCK」にはマクロ撮影モードのほか、ホワイトバランスや画像補正もできる撮影補助機能や、画像編集の機能として複数の写真使って1枚の壁紙を作るツールもそろっている。256MBまでのminiSDメモリーカードに対応しているほか、内部データフォルダの容量も24MB(「EZアプリ」保存領域を含む)あるので、容量に不満は生じないだろう。  実際に「PENCK」を使って撮影をしているときに気になったのは、何度も指を写しこんでしまったことだ。カメラのレンズが、撮影ボタンの真裏に位置しているため、片手でカメラを持とうとするとレンズを指で塞いでしまうことが多々あった。ただ、しばらく使えば慣れると思われるため、これはそのデザインで免じさせるべき妥協点の1つではないだろうか。


※リンク先未加工
※リンク先未加工
※リンク先未加工

先進機能がまるめこめられたPENCK

関西弁対応の入力変換機能、ATOK for au + AT推測変換「APOT」が搭載されている

 「PENCK」は「EZアプリ」実行機能としては「BREW」を採用しているので、「BREW」対応のゲームなどのコンテンツを楽しめる。また、「着うたフル」にも対応しており、イヤホンが標準セットとして付属されているので音楽プレーヤーとしての活用は充分にできる。また、256MBのminiSDメモリーカードを使えば、SD-Video形式で録画した動画を最長3時間に渡って連続再生できる。 これに加え、音声案内機能付の「EZナビウォーク」と2次元バーコードを読み取る「QRコードリーダー」は標準で搭載されている。


付属の白いイヤホンで音楽プレーヤーとしても楽しめる

 「PENCK」は、デザインが嫌いという人や、特に機能性の高さを追及する人には、おすすめできない機種だ。ただ、「au design project」のラインアップとしては、高性能・高機能であるため、「au design projectはずっと気になっていたけれど、性能を考えると購入に踏み切れなかった」という高機能かつ個性的なデザインを求めていた方や、「すでにデザインケータイオーナーだけれど、新鮮さがなくなった今機能的に物足りなさを感じている」という“design projectファン”な方には、ぜひおすすめしたい。

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