Robert Scobleは最近、FOGについての興味深い記事を投稿した。FOGとはFear of Google(Googleの恐怖)の頭文字を取ったもので、eMarketerの最高経営責任者(CEO)であるGeoff Ramseyが名づけたものだ。この現象が最初に顕著に見られたのはWeb 2.0 Expoのときで、このときわたしは自分の考えをThoughts from the Web 2.0 ExpoとしてR/WWに投稿した。Googleの並外れた収益成長率と、継続的な画期的な商品の投入、そして市場支配力の組み合わせは、かなりの大きさの恐怖と不確実性、疑念を生んだ。
これは理解できることだが、Googleがアナリストの評価水準よりも比較的弱い分野が1つある。Googleの収益の3分の1以上が、完全にGoogleの制御を外れていることだ。もっと細かく言うと、Googleの第1四半期の決算報告によると、収益の37%に相当する13億5000万ドルがほかのサイトでの広告配信からのものだ。これはMicrosoftが90年代半ばに抱えていた弱さと同じ種類の脆弱性だとわたしは考えている。
一緒に振り返ってみてほしいのだが、Paul Grahamのような先導者がその10年後に「Microsoftは死んだ」と宣言するなどと誰が考えただろうか(そして、そう言ったのは彼だけではなかった)。明らかに、Don Dodgeの説得力のある反論で分かるとおり、Microsoftは依然として大きな収益を上げている。しかし、10年前ほどは競合企業に恐れられてもいないし、ウォール街での評価も高くない。
それでは、Microsoftに起こったことは何で、Googleも似たようなことは起こるのだろうか。わたしの答えはイエスだ。この記事では、ありそうなシナリオを説明してみる。
最初に、Microsoftで何が起こったのかを検証してみよう。確かに、革新的なアプリケーションが生まれるプラットフォームの一部は、ユーザの注目と共に(Microsoftが支配する)デスクトップからウェブに移った。このシフトによって、競合他社はより積極的に動けるようになった。
もう1つ見逃せない要素は、競合するオープンソースソフトウェアのプロジェクトが現れたことだ。LinuxやMySQL、Firefoxなどのオープンソースプロジェクトの透明性とアクセス可能性は、競合企業やアナリストのMicrosoftに対する見方を変えた。わたしは、(これを量的に評価する方法はわからないのだが)Microsoftブランドに対するユーザの親近感や信頼も変わっていると思う。
すでにほのめかしたとおり、わたしは現在のGoogleは似たような不安定な状況に置かれていると考えている。これは、Googleが収益の3分の1を失いかねない深刻な問題だ(Googleはいくつかの大きなオンライン資産と契約しており、同社の広告ネットワークはそれを活用しているが、契約の更新時期にはこのネットワークは切り替わるかもしれない)。Microsoftがオープンソースプロジェクトの登場で市場支配が崩れるのを経験したように、広告ネットワーク空間(以後、「オープン広告ネットワーク」と呼ぶ)の競合企業は、新しくてよりオープンで透明性の高い経済構造を広告ネットワークの生態系に導入し、Googleのネットワーク収入を脅かす可能性がある。
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