GoogleはGoogle Desktopにより、デスクトップ分野へのよい足がかりを作った。YahooはKonfabulatorによって、デスクトップ分野に飛び込んだ。Konfabulatorはデスクトップの背景を非常に便利なものにしてくれる。ウィジェット的な時計やゲーム、ユーティリティソフトをデスクトップに組み込むことができるのだ。それに加え、Konfabulatorはサードパーティーが自由にアドオンを開発できるようになっている。ただし、Microsoftが発売した新しいWindows Vistaにも同じような機能がある。これはYahooにとってはよいニュースではないかもしれない。
動画産業で10億ドル級の買収をする代わりに(できなかったのだが)、Yahooは自社のサービスを充実させ、ビデオエンターテインメントを提供して消費者を惹きつけたいと考えた。Yahooはオンライン動画編集をサービスに加えたいと考え、Jumpcutを買収した。
Yahooはその後、カラオケサービスであるBixを買収した。これは、人々がYahoo Videoに移行する大きなインセンティブになり得たが、Yahooがこれを同社の動画サイトに統合する動きは緩やかだ。むしろ、動画をYahooのホームページに載せて、Yahoo Videoの認知度を向上させることを優先している。
「Facebookに10億ドル」という話は、とうとう実現しなかった。しかし、結局Yahooは別の形のソーシャルネットワーキングプラットフォームを独特の手法で買収した。MyBlogLogはブログを基盤にした分散ソーシャルネットワークだ。MyBlogLogはFacebookほどの大きなユーザーベースは持たないが、この分散的アプローチは非常に前途有望だ。
ソーシャルネットワーキングの最も大きな機能は、自己表現と友人とのコミュニケーション、そして新しい友人とのつながりを作ることだ。MyBlogLogの考え方は、ブログは自分の考えや写真を自分のスタイルで提示するところであり、自己表現のためには最もよい場所だということだ。MyBlogLogはブログをつなぎ、それらをソーシャルネットワーキングプラットフォームに加える。この方向性を維持できれば、MyBlogLogは非常に大きくなる可能性を秘めている。
もしYahooがそんなによい買収だけを行ってきたのなら、Yahooの財務状況はどうしてこんなに悪いのかと思う人がいるかもしれない。その理由は、同社のビジネスの中核を占める広告にある。広告が血液を送り出し、Yahooの他の全てのサービスを維持する役割をしている。Yahooの広告ネットワークは、まだGoogleのAdSenseやAdWordsと互角に戦えずにいる。しかし、Yahooは次に示す3つの買収によって、この分野で賢い一歩を踏み出した。
TeRespondoは中南米地域の大きなインターネット広告市場への第一歩だ。これは、この大きく重要な市場を牛耳るための動きとして的を射ている。
AdInteraxは、Yahooのウェブベースの広告ツールを強化するために買収された。
しかし、最大のヒットはニューヨークにあるRightMediaに対する投資だろう。RightMediaはリアルタイム競売制度を用いてサイトオーナーの収入を最大化するためのメタ広告プラットフォームで、Googleの広告サービスを含め、全ての現存する広告プロバイダを視野に収めている。Yahooは同社株式の20%を所有しており、これは同社の将来の広告収入のためには重要な投資だ。
1999年にYahooはGeoCitiesを36億ドルという莫大な金額で買収した。しかし今ではGeoCitiesは忘れられた資産だ。
Yahooの最近の買収は、堅実で安価な買い物だ。ピーナッツバターマニフェストの本質は新しい脱ポータル戦略だ。しかし、ブランドを潰さない(ただしそれぞれを別の存在にしておき、成功をもたらした魂の部分には触らないようにする)のはいいとしても、Yahooはこれだけ多くの関係する商品を所有している利点をもっと迅速に生かせたはずだ。del.icio.usとYahoo Search、JumpcutとYahoo Videoなどがその例だ。これらは、すでに統合されていてもおかしくない。
ただ、ゆっくりとした(着実な?)統合がYahooの常だ。OddPostが良い例で、同社は2004年に買収されたが、未だにYahooのデフォルトメールインターフェースにするための作業の途中だ。したがって、Yahooが買収したものを中心的な製品ラインに統合するまでには、おそらく3〜4年かかるのだろう。
Yahooの脱ポータル戦略と同社が安くて賢い企業買収を好むことを念頭に置いたときに、Yahooが次に買収する新興企業はどこで、そしてその理由は何だろうか。
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