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“RSSビジネス元年”の立役者らが腹を割る期待と思惑

特集

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 「New Industry Leaders Summit 2005 Autumn」(NILS)のセッション「RSSによるフィードビジネスの可能性」は、RSSコンテンツマッチ技術を提供するRSS 広告社 代表取締役の田中 弦 氏、企業用RSSマーケティングサービスを提供しているルートコミュニケーションズ 代表取締役 塚田耕司 氏、モバイルに特化したフィードビジネスと次世代情報通信プラットフォームの開発を手がけるゆめみ 取締役会長 兼 Sweet 代表取締役社長 片岡俊行 氏の3名をスピーカーに迎えて行われた。RSS配信ビジネスの詳細や現状、ユーザー層、携帯電話端末でのRSS利用などを討論しながら、フィードビジネスの課題や今後の展開を明らかにしていく。

事業者が分析するRSSの市場

 RSSそのものは10年程前に登場した技術であり、決して目新しいものではない。しかし近年のブログ活性化に伴い、RSSによるブログの情報配信から急速に注目を集め出した。現在RSSはどういった層に使われ、どこにビジネスチャンスが生まれていくのだろうか。

 2005年4月に創業したRSS広告社は、通常のコンテンツ連動広告がページ全体における記事内容を分析して広告キーワードを導き出しているのに対し、RSSを利用すれば記事エントリーの内容ごとにクリティカルなキーワードを合致させられることに注目した。多様なメディアにRSSコンテンツマッチの仕組みを導入し、RSSのリクエストは月間で1.5〜2倍もの伸びを記録しており、RSSリーダーの普及を実感するという。

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「RSSマーケットのプレーヤー領域に変化が見られる」とRSS広告社の田中氏

 田中氏は、RSSマーケットのプレーヤーに関して「3カ月前までは3つのレイヤーに分かれていると分析していた」と語った。それは、「配信元」「付加価値追加(フィードを集約する、広告を加えるなど)」、「フィード受信(RSSリーダー)」の3層だ。

 しかし、近頃はその考え方では割り切れないのではないかと田中氏は考える。例えば、ルートコミュニケーションズのようにRSSの配信技術を持たない企業のためのRSS配信代行では、RSSリーダーからのリクエストを解析してマーケティングデータとして活用したり、RSS/Atomフィード配信管理サービス「FeedBurner」が広告の領域へと進出してきたりと、分断されていた3層にまたがるビジネスが目につくようになったためだ。現在は、RSSフィードの「加工」「生成」「集約」「広告」「RSSリーダー」の5層と認識。RSS広告社としては広告のみならず、他のレイヤーへも進出を考えているという。

 ルートコミュニケーションズがRSSにマーケットツールとしての可能性を見いだし、研究開発を開始したのは、2004年の後半だ。2005年5月には、RSSフィードの自動作成、パーソナライズ、効果測定を統合する企業向けのRSS導入用ASPパッケージ「RSS suite」と、取得したRSS情報をエンドユーザーのデスクトップに表示させられる「RSS gadget」のサービスを開始した。

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ルートコミュニケーションズの塚田氏はRSSのサービスレイヤーを4つと考える

 塚田氏が考えるRSSのサービスレイヤーは4つ。パブリッシャーがRSSに変換、配信する「情報発信者(主に企業)」、RSSに付加価値情報を加える「アドバリュー」、RSSを収集、整理して配信する「アグリゲート」、情報を取得するエンドユーザーの「リーダー」だ。

 ルートコミュニケーションズもRSS配信ビジネスを開始した当初は、パブリッシュとアドバリューのみにフォーカスしていたが、情報発信から受信まで一気通関で効果を測定しないと、クライアントからサービスとして認められにくいという現実にぶつかった。その結果、RSS suite、RSS gadgetにて4つの領域をすべてカバーしている。

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