経済産業省と次世代電子商取引推進協議会(ECOM)、NTTデータ経営研究所は6月28日、国内における2004年の電子商取引(EC)市場についてまとめたレポート「平成16年度電子商取引に関する実態・市場規模調査」を発表した。
同レポートによるとEC市場は専用線などの従来型EDIからインターネットを利用した取引へと移行しており、インターネットを利用した企業間(BtoB)のECの市場規模は100兆円を突破したという。また、携帯電話を利用した企業・個人間(BtoC)のモバイルコマースは約1兆円の規模に成長している。
インターネットベースのBtoB-EC市場は前年比33%増の102兆6990億円となった。これまでインターネットの利用で先行していた自動車や電子・情報関連製品の占める割合が減少しており、幅広い品目・業界でインターネットの利用が進んでいることがうかがえる(図1)。なお、専用線など従来のEDIを利用した場合も含んだBtoB-EC市場の規模は約191兆円で、全体の半分以上がインターネットを利用した取引となっている。
BtoCの市場規模は前年比28%増の5兆6430億円となった。健康ブームを背景に医薬品や化粧品、健康食品の分野が前年比44%増の2220億円となったほか、デジタル家電の需要増に伴って家電分野が同42%増の1190億円となっている。
BtoC-EC市場におけるモバイルの比率は17%で、前年と同水準だった。ただし金額を見ると前年比24%増の9710億円となり、大きな産業へと成長している。モバイルコマースで大きく伸びているのは書籍・音楽分野で、前年比85%増の718億円となった。これは第3世代携帯電話向けの着うたサービスが伸びたため。また、衣料・アクセサリー分野も79%増の339億円となった。なお、PCや専用端末を利用した「固定系EC」とモバイルコマースを比べると内訳には大きな差が見られ、モバイルではエンタテインメントなどの非物販系が中心となっている(図2)。
インターネットオークションに代表される個人間取引(CtoC)については、流通総額が7840億円となった。これはBtoC-EC市場の6分の1程度の規模で、物販系BtoCのどの特定品目よりも大きい規模となっている。今回の調査で消費者に落札経験率を聞いたところ、ファッション関連や本・雑誌、おもちゃ・ゲームなどが上位を占めている。
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