企業は、スマートフォンを標的としたウイルスの大規模な発生をあと18カ月間は心配しなくてもよいだろうと、セキュリティ専門家は予測している。
しかし、その後は、ウイルス対策ソフトの助けにも期待できないほどの事態が発生すると、GartnerのアナリストJohn PescatoreとJohn Girardは6月に入って発表した調査レポートのなかで述べている。同調査レポートには、携帯電話とPDAを標的とした悪質なソフトウェアの脅威度が増すなか、企業はどのような対策を講じるべきかといった事柄が記載されている。両アナリストによれば、携帯電話を標的とし、急速な勢いで感染を広げる能力を備えたウイルスやワームは、2007年末までは出現しないだろうという。
「ベンダーやマスコミによって憶測が語られたり、一部ではデマが広まったりしている。しかし、ウイルスやワームが、企業で使われるモバイル端末の30%以上に急速な勢いで感染するために必要な条件は、2007年末までは整わない」とPescatoreとGirardは予測している。
両アナリストによると、ウイルスをまん延させる環境を作り出すには、主に2つの条件を満たす必要があるという。まず、悪質なソフトウェアに感染することが可能なスマートフォンが、市場に出回っている携帯電話全体の約3分の1を占めていなければならない。次に、それらスマートフォンのユーザー同士が、何らかの実行ファイルを定期的にやりとりしている必要がある。
PescatoreとGirardは、「多数のワイヤレス端末がウイルスやワームに感染するには、少なくとも30%のユーザーが電子メールで添付ファイルを頻繁に受け取っている必要がある。2007年末には、複雑な実行ファイルをユーザー間で送信し合うことが一般的に行われるようになるだろう。使用される携帯電話のうち、スマートフォンの占める割合が30%に達すれば(おそらく2007年末まではそうならないだろう)、攻撃が急速に広まる可能性は現実味を帯びてくる」と述べた。
IDC AustraliaのWireless & Mobility部門でリサーチマネージャを務めるWarren Chaisatienも、2008年初めまでは大規模なウイルスの発生がないと述べている。
「現在、(ウイルスに感染可能な)オペレーティングシステムを搭載した携帯端末は、まださほど普及していない。そのため、企業の最高情報責任者(CIO)や最高技術責任者(CTO)は、この問題について迅速な対応を求められているわけではない。ウイルス感染については、相変わらずPCの対策を講じる方が重要だ」(Chaisatien)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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