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反抗的なグーグルをウォールストリートがそれでも大好きなワケ

Stefanie Olsen(CNET News.com)2005年06月09日 12時54分

 Googleに投資した人間たちは、いまだにハイテクブームが続いている別の世界の住人のようだ・・・・同社の株価に懐疑的な人々は、きっとそんなふうに感じていることだろう。

 Googleの時価総額が777億ドルとなったが、これはメディア業界最大手のTime Warnerにほぼ匹敵する規模だ。この金額はViacomの546億ドルを大きく上回り、Disneyと比べると45%も高い。Googleの株価は、米国時間7日に300ドル目前まで上昇した後、翌日8日には4.6%安の279ドル56セントで取引を終えてた。

 これは、7年前には存在さえしておらず、いつも利益予測を示さず、株式を購入しやすくする分割も実施せず、2位のYahooに比べて倍近い112ドル27セントという株価収益率を誇る会社の話だ。

 では、Googleの投資家には昔懐かしいドットコムバブルが再来しているのだろうか。

 多くの金融アナリストは、Googleが今後この勢いをどう維持していくのかについてはっきりした見通しを持っていないが、驚いたことに、それでもこれをバブルだとは考えていない。American Technology Researchのメディア/コミュニケーション担当アナリスト、Rob Sandersonは「Googleの利幅は凄まじく、同社は信じがたい成長を遂げている。もしこのような利幅と成長を維持できれば、同社は格段に大きくなれる」と語っている。

 Googleは4月、第1四半期の売上高が昨年同期比で倍増となり、純利益はおよそ6倍に達したと発表し、ウォールストリートの予想を圧倒した。同社の純利益は3億6920万ドル(1株あたり1ドル29セント)で、売上高は12億6000万ドルだった。

 「株価の推移には目を見張るが、利益もきちんと連動している」(Sanderson)

 Thomson Financialがウォールストリートのアナリストに行った調査によると、Googleは通年で36億ドルの売上高と1株あたり5ドル17セントの利益を計上する見通しだという。

 金融アナリストらは、Googleの一見非常に高く思える株価収益率も、特に将来の収益を考慮した場合、べらぼうに高いわけではないと述べている。Thomson Financialによると、2006年度末の予想利益である1株あたり6ドル60セントをベースに計算すると、同社の株価収益率は43倍になるという(これに対して、Yahooの予想PERは50)。

 Googleはまた、市場の活況にも助けられている。Goldman Sachsによると、検索広告の全世界合計の売上は、2004年の60億ドルから今年は最大90億ドルに達する可能性があるという。また、Forrester Researchでは、今年はマーケティング担当者がオンライン向け予算を2004年比で平均25%増やすとの予測を示している。

 とはいえ、これは綱渡り的であり、Googleが目を見張る株価を維持するには、まさに完璧な行動が余儀なくされると、アナリストは指摘している。同社が2004年8月19日に株式を公開した際、公募価格は1株85ドルだった。その後、同社の株価はほぼ一貫して上昇を続けてきており、特にここ4週間の間には226ドルから約300ドルへと、29%も急騰した。金融アナリストのなかには、株価が最高1株325〜350ドルに達するとの予測を示す者もいる。

 Piper Jaffrayは先ごろ、Google株のターゲットを275ドルから300ドルへと引き上げたが、これは同社が新たにはじめた2つの新サービス--Google Videoとローカル地図検索を織り込んだものだ。ただし、同社の株価が300ドルを突破するのは、しばらくの間は難しいかもしれないと、Piper JaffrayのGoogle担当主任アナリスト、Safa Ratchtyは付け加えている。

 だが、300ドル突破が決してありえないわけではない。Googleには強力なブランドイメージがあり、同社はそこから恩恵をこうむる可能性が高い。つまり、自社の名前がよく使われる動詞になったり、「Sex and the City」のような人気テレビ番組に登場したり、あるいは NBAを代表するスター選手Shaquille O'Nealが初期の投資家のなかに名を連ねている企業はめったに存在しない。多くの人にとって、Googleという言葉は技術革新を意味していると、ブランディングに関する権威であるDavid Aakerは指摘している。Profitというコンサルティング会社の副会長という肩書きを持つ同氏には、「Brand Portfolio Strategy」などの著作もある。

 「市場には、金融関係者の評価が低いとする見方がある。株価があまりに高すぎて反動がくる場合もたくさんあるが、今回のような場合には、その会社は確信を続けることでエネルギーを維持していく」(Aaker)

 ただし、同氏は「これだけ高い株価を維持していくのは相当たいへんだろう」と付け加えている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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