新興成長市場の拡大により、世界PC出荷台数が2005年第1四半期に、2ケタ台の成長率を記録した。
IDCが米国時間15日に発表した調査結果によると、第1四半期の世界PC出荷台数は前年同期より10.9%増加し、4610万台となった。
ノートPC出荷台数の増加に加え、欧州/中東/アジア地域における持続的な成長が全体的な出荷台数の伸びにつながったと、IDCは分析している。これらの地域における合計出荷台数は、IDCの予測値を約1%上回り、前年同期比15%の成長を遂げている。米国のPC市場はIDCの予測通りに推移しており、ノートPCと中小企業向けマーケットにおいて、著しい成長が見られたという。
第1四半期はこうした堅調な結果が得られたわけだが、IDCは2005年後半に関しては慎重な見方を示している。IDCと競合する調査会社のGartnerも同様の予測を行っており、第1四半期に見られた成長が年末までに縮小し、出荷台数の伸び率も10%以下になると見込んでいる。Gartnerによると、2005年以降の数年間は状況がより厳しくなり、市場競争はますます激化するという。PC市場では、Hewlett-PackardがCompaqを買収したり、IBMが中国の大手PCベンダーLenovo GroupにPC事業部を売却すると発表したり、GatewayがeMachinesを買収したりと、これまでにも大きな動きが起こっている。
「昨年の好景気が去りつつあるなか、PCメーカー各社は顧客企業に(PC)支出を続けてもらわねばならない状況に置かれている。留意が必要だ」とIDCのWorldwide Quarterly PC Tracker部門のディレクターLoren Loverdeは述べる。「第1四半期は、堅調に推移した。だが、マーケットは成熟しつつあり、今後の成長率に関する予測値も高くない。(今後の見通しについては)限定的な態度を維持し、過剰に楽観的になったり、反対に保守的になったりするのは避けようと考えている」(Loverde)
第1四半期中、世界PC市場のトップに君臨したのは、これまでに引き続きDellだった。Dellは、870万台以上のPCを出荷し、マーケットシェア19%を獲得した。2位は引き続きHPで、PC出荷台数は710万台、マーケットシェアは15%超だった。2社の第1四半期における成長率は、それぞれ13.6%と10.6%である。両社には引き離されているが、IBMが3位に食い込んでおり、出荷台数は230万台。同社の成長率は、わずか2%だった。
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