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酢酸イソブチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酢酸イソブチル[1][2]
Skeletal formula of isobutyl acetate
Ball-and-stick model of the isobutyl acetate molecule{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 110-19-0 チェック
PubChem 8038
ChemSpider 7747 チェック
UNII 7CR47FO6LF チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL46999 チェック
特性
化学式 C6H12O2
モル質量 116.16 g/mol
外観 無色の液体
匂い 果実臭、花のような[3]
密度 0.875 g/cm3, 液体
融点

-99°C

沸点

118°C

への溶解度 わずかに溶ける
0.63~0.7 g/100g at 20 °C
蒸気圧 13 mmHg (20 °C)[3]
磁化率 −78.52·10−6 cm3/mol
危険性
爆発限界 1.3–10.5%[3]
許容曝露限界 TWA 150 ppm (700 mg/m3)[3]
半数致死量 LD50 4673 mg/kg (ウサギ, 経口)
13,400 mg/kg (ラット, 経口)[4]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酢酸イソブチル(さくさんイソブチル、isobutyl acetate)は、酢酸イソブチルアルコールが脱水縮合した構造を持つエステルで、バナナの香気の主成分である。

引火性が高く、空気と混合すると爆発の危険がある。α位がフェニル基で置き換わったフェニル酢酸イソブチルバラの香りの香料として、食品衛生法食品添加物に指定されている。

酢酸ブチル酢酸 sec-ブチル酢酸 tert-ブチルと同様に溶媒としても用いられる。

安全性

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引火性があり、日本の消防法では危険物第4類・第2石油類に分類される[5]。強酸や強塩基、強酸化剤との接触により火災・爆発のおそれがある[6]。動物実験での半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与で15g/kg、ウサギへの経皮投与で20 mL/kg以上[7]。眼や皮膚に対する軽度の刺激性があり、吸入により中枢神経に影響が生じることがある[6]

脚注

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  1. ^ Isobutyl acetate Chemical Profile, Canadian Centre for Occupational Health and Safety
  2. ^ Isobutyl acetate at chemicalland21.com
  3. ^ a b c d e NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0351
  4. ^ Isobutyl acetate”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年12月29日閲覧。
  5. ^ 安全衛生情報センター
  6. ^ a b 国際化学物質安全性カード
  7. ^ 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X