コンテンツにスキップ

扶養控除

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

扶養控除(ふようこうじょ)とは、納税者本人に配偶者以外の扶養親族がある場合、その人数に応じて一定額を所得金額から差し引くことが認められる税金の控除制度をいう。[1]

制度の内容

[編集]

日本では、所得税及び個人住民税において、納税者が16歳以上の扶養親族を有する場合に、控除対象扶養親族一人につき所定の控除額が総所得金額等から控除される。所得控除であり、人的控除である。(所得税法第84条地方税法第314条の2)

年末調整等にて提出するマルフ。扶養控除の申告が出来る。

扶養親族の要件

[編集]

扶養親族の身分要件は、その年12月31日現在(死亡時はその時の現況)で、次のすべてに該当するものである。

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)、又は市町村長から養護を委託された老人であること。
  • 納税者と生計を一にしていること。
    • 生計を一にしているとは、日常生活上同居し生計を共にすることを言い、就業・修学・療養のために別居している場合であって仕送り等により生計を共にしている場合を含む。例えば郷里の父母や、子息に仕送りをしているなど。海外留学子供は、国外の留学先でアルバイトしても1年以上の出国の場合、非居住者に該当し国外での所得は日本での合計所得に計算されない。
  • 年間の合計所得金額が48万円(給与所得のみの場合、給与収入103万円)以下であること。
    • 2019年分迄は、合計所得金額が38万円(給与所得のみの場合、給与収入103万円)以下であること。
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、かつ白色申告者の事業専従者でないこと。

そして、控除対象扶養親族の身分要件は、扶養親族のうち年齢16歳以上の者である。

控除額

[編集]
扶養控除の控除額
対象者 年齢 控除額
年少扶養親族 16歳未満  -
一般の控除対象扶養親族 16-18歳、23-29歳 38万円(住民税:33万円)
特定扶養親族 19-22歳 63万円( 〃 45万円)
一般の控除対象扶養親族
(下記を除く)
30-69歳 38万円( 〃 33万円)
一定の国外居住親族
(2023年分以後の扶養親族)
30-69歳  -
老人扶養親族(同居老親等) 70歳以上 58万円( 〃 45万円)
老人扶養親族(その他) 70歳以上 48万円( 〃 38万円)

留意点

[編集]
  • 16歳未満の扶養親族対する控除である「年少扶養控除」は、子ども手当(現・児童手当)が導入されて、その対象になったことで廃止された。所得税の扶養控除は2011年分から、個人住民税は平成24年度(2012)徴収分から廃止された[2]
    • 年齢16歳未満の扶養親族は扶養控除の適用対象外であっても、障害者に該当する場合の障害者控除は認められる。[3]
    • 年少扶養親族は住民税でも対象外であるが、住民税の非課税限度額の人数計算には算入される。[4]
  • 同居老親等は、納税者本人又はその配偶者の直系尊属となる老人扶養親族で、その納税者等と普段同居している者をいう。[5]
  • 2023年分所得税から、非居住者である扶養親族(年齢30歳以上70歳未満に限る)のうち、留学生障害者生活費又は教育費に充てるための送金を38万円以上受けている者の何れにも該当しないものは控除対象扶養親族から外される。(2016年分所得税より、非居住者である親族を扶養控除等の対象にする場合には、親族関係書類と送金関係書類が必要とされる。[6]

脚注

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]