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大型貫通爆弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
GBU-57 MOP

大型貫通爆弾(おおがたかんつうばくだん、Massive Ordnance Penetrator、MOP)とは、アメリカで実戦配備中[1]の大型地中貫通爆弾の1つである。

アメリカ軍における制式名称は、GBU-57A/B

概要

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アメリカ空軍によって開発された30,000ポンド(約13,600kg)の「バンカーバスター」精密誘導爆弾で、この爆弾はこれまで最大の重量を持ち、GBU-28(重量5,000ポンド(約2,270kg)、貫通力30m)よりも、総重量、威力ともに大きなものとなる。

MOPの開発は、フロリダ州エグリン空軍基地英語版内の軍需品理事会、アメリカ空軍研究所で進められ、設計と試験作業は米ボーイング社によっても行われた。主に強固な地下要塞・地下弾道ミサイル・地下指令所の精密破壊用として必要な場合に使用される。

B-2[2]B-52Hに統合されており、GPSを使用して誘導される[3]

2014年度以降、ETR-IIIおよびETR-IV型とよばれる改善型がリリースされている。また空軍では妨害防止コードM GPS信号をMOPに統合するよう努めている[3]

開発

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2002年に米ノースロップ・グラマン社と米ロッキード・マーティン社は、「ビッグブルー」(Big Blue)として知られた30,000ポンドの地中貫通兵器の開発を行っていたが、財政的な理由と技術的な理由によって開発は中断されていた。

2003年のイラク戦争の後に、バンカーバスター爆弾によって目標とされた攻撃跡地を分析したところ、不十分な貫通力と不満足な破壊力が明らかとなった[要出典]。そこで非常に巨大なバンカーバスターの開発への関心が再燃し、MOPプロジェクトが開始された。アメリカ空軍には、超巨大爆弾に対する軍としての特段の要求はなかったが、大きなサイズの貫通および爆風型の兵器を収集する構想は存在し、それは大規模爆風爆弾(Massive Ordnance Air Blast bombMOAB)を含む「ビッグブルー」(Big BLU)コレクションと呼ばれた。

2007年7月19日に、米ノースロップ・グラマン社は250万米ドルステルス爆撃機を改修する契約を明らかにした。機数は公表されていないが、各機が2基ずつのMOPを運搬可能なよう改修される[4][5]

2007年3月14日に、ニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場アメリカ国防脅威削減局(Defense Threat Reduction Agency, DTRA)の保有するトンネル内でMOPの最初の爆発試験が行われた。

2018年1月、ブルームバーグはGBU-57 の4回目のアップグレードが完了し、既存の在庫分も改装されていると空軍のスポークスマンであるエミリー・グラボウスキ大尉は電子メールを引用して報じた。この改装により。地中深く埋められた固い目標に対する性能が改善される[6]

2023年5月、空軍が発表したフェイスブックの写真に新型のGBU-57 が写っていたことが明らかにされている[7]

配備

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2007年12月、実物大模型の公表とともに、本爆弾が既にミズーリ州ホワイトマン空軍基地の第509爆撃隊のB-2搭載用に実戦配備されたと発表された。この模型は中央側面に巨大な4枚のフィンを持ち、GPSによって誘導され、正確に目標地点に命中した後、直径80cmの弾体が地中に70m以上貫通、爆発するとされた[8]

2011年11月、米空軍地球規模攻撃軍団にMOPの納入が開始され、「現状必要とされる性能要求を満たす」とされた。2012年3月時点で、16個のMOPがホワイトマン空軍基地に配備されている。[1][9]

2018年2月8日、新しいバッジのMOP調達のための2,100万ドルの契約をボーイングと結んだ。空軍は、2020年7月31日より前倒しでの出荷開始を期待している[3]

ギャラリー

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要目

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  • 全長 - 20.5フィート (6.2 m)[10]
  • 直径 - 31.5インチ (0.8 m)[10]
  • 重量 - 30,000ポンド(約13.6トン
  • 弾頭 - 6,000ポンド(約2.7トン)爆薬
  • 貫通力
    • 200フィート(60m) - 5,000psi(35MPa)、コンクリート
    • 26フィート(8m) - 10,000psi(69MPa)、強化コンクリート
    • 130フィート(40m) - 中程度に堅い岩

登場作品

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シン・ゴジラ
大型貫通爆弾をモデルとした「MOP2大型貫通爆弾」が登場。B-2戦略爆撃機からゴジラに対して6発投下され、そのうち2発は表皮を突き破ってダメージを与えることに成功するも、残り4発はゴジラの放射熱線の迎撃によって破壊されてしまう。
シン・ウルトラマン
田村班長のセリフのみに登場。その後、宗像室長が米軍にただの「地中貫通型爆弾」を要請した。

脚注

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関連項目

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外部リンク

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