中村桂子
表示
中村桂子 | |
---|---|
生誕 |
1936年1月1日(88歳) 日本 東京都 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 生命誌 |
研究機関 |
東京大学 国立予防衛生研究所 三菱化成生命科学研究所 早稲田大学 JT生命誌研究館 大阪大学 |
出身校 | 東京大学理学部化学科 |
主な受賞歴 |
毎日出版文化賞(1993年) 大阪文化賞(2007年) アカデミア賞(2013年) |
プロジェクト:人物伝 |
中村 桂子(なかむら けいこ、1936年(昭和11年)1月1日 - )は、生命誌研究者、JT生命誌研究館名誉館長。理学博士(東京大学、1964年)。東京府出身[1][2]。 長女は、スウェーデン語講師、翻訳家の中村友子。
東大理学部卒。企業所属の生命科学研究所開設に際し研究員となる。人間社会との接点を測りながら遺伝子研究に携わる。生命体の本質を知るには生物の履歴が必要と考え、生命誌研究館を設立。著書に『生命科学から生命誌へ』(1991年)など。
略歴
[編集]- 1936年1月:東京府生まれ
- 1948年3月:千代田区立麹町小学校卒
- 1951年3月:千代田区立麹町中学校卒
- 1954年3月:お茶の水女子大学附属高等学校卒
- 1959年3月:東京大学理学部化学科卒
- 1964年3月:東京大学大学院生物化学修了
- 1964年4月:国立予防衛生研究所研究員
- 1964年10月:東京大学 理学博士[3][4]
- 1971年4月:三菱化成生命科学研究所社会生命科学研究室長
- 1981年5月:同・人間自然研究部長
- 1989年4月:早稲田大学人間科学部教授
- 1991年:日本たばこ産業企画部顧問
- 1993年4月:JT生命誌研究館副館長
- 1995年:東京大学先端科学技術研究センター客員教授
- 1996年:大阪大学連携大学院教授
- 2002年4月:JT生命誌研究館館長(2020年まで)
- 2003年6月:関西電力株式会社取締役(2006年まで)
- 2006年6月:関西電力株式会社監査役(2007年まで)[5]
社会的活動
[編集]- 文部科学省中央教育審議会委員(第1期~第2期)
- 同 国立大学法人評価委員会委員(第1期)
- 日本学術振興会21世紀COEプログラムプログラム委員会委員(平成18年度)
恩師
[編集]受賞歴
[編集]- 1993年-第47回毎日出版文化賞『自己創出する生命』(哲学書房)[1][2]
- 1996年-第12回日刊工業新聞 技術・科学図書文化賞優秀賞『ゲノムを読む』(紀伊國屋書店)
- 2000年-第8回松下幸之助花の万博記念賞
- 2000年-第15回ダイヤモンドレディ賞
- 2002年-オメガ・アワード2002
- 2002年-第10回大阪府女性基金プリムラ賞
- 2007年-第45回大阪文化賞
- 2013年-アカデミア賞(全国日本学士会)
著書
[編集]単著
[編集]- 『生命科学』(講談社 1975 [講談社学術文庫] 1996年)
- 『女性科学者ノート――めぐりあい』(人文書院 1982年/改題『生命科学者ノート』岩波現代文庫 2000年)
- 『生きもののしくみ』(ほるぷ出版 1986年 科学者からの手紙)
- 『女性のための生命科学』(中央公論社 1987年)
- 『毎日が科学の目』( 講談社 1987年)
- 『子供の「なぜ」に答える本 親と子の科学教室』(PHP研究所 1987 のち文庫 )
- 『生命科学と人間』(日本放送出版協会NHKライブラリー、1989年)
- 『生命誌の扉をひらく――科学に拠って科学を超える』(哲学書房 1990年)
- 『ミクロコスモスに生命誌をよむ』大須賀節雄インタビュー(三田出版会 1990年)
- 『生命科学から生命誌へ』(小学館 1991年)
- 『自己創出する生命――普遍と個の物語』(哲学書房 1993年)--毎日出版文化賞受賞、(ちくま学芸文庫 2006年)
- 『あなたのなかのDNA――必ずわかる遺伝子の話』(ハヤカワ文庫 1994年)
- 『ゲノムの見る夢――中村桂子対談集』(青土社 1996年)(増補新版 2015年)
- 『科学技術時代の子どもたち』(岩波書店 1997年)
- 『生命誌の窓から』(小学館 1998年)
- 『食卓の上のDNA――暮らしと遺伝子の話』ハヤカワ文庫 1999年)
- 『生命誌の世界』(日本放送出版協会・NHKライブラリー 2000年) (改題『生命誌とは何か』 講談社学術文庫 2014年)
- 『「生きもの」感覚で生きる』(講談社 2002年)
- 『ゲノムが語る生命-新しい知の創出』(集英社新書 2004年)
- 『子ども力」を信じて、伸ばす』(三笠書房 2009年)
- 『「生きている」を考える』(NTT出版 2010年)
- 『科学者が人間であること』(岩波新書 2013年)
- 『ゲノムに書いてないこと』(青土社、2014年)
- 『絵巻とマンダラで解く生命誌』(藤原書店、2016年)
- 『知の発見 「なぜ」を感じる力』(朝日出版社、2015年)
- 『小さき生きものたちの国で』(青土社、2017年)
- 『いのち愛づる生命誌(バイオヒストリー) 38億年から学ぶ新しい知の探求』(藤原書店、2017年)
- 『「ふつうのおんなの子」のちから 子どもの本から学んだこと』(集英社クリエイティブ、2018年)
- 『中村桂子 ナズナもアリも人間も』(のこす言葉KOKORO BOOKLET)のこす言葉編集部 編・構成 平凡社、2018.11
- 『こどもの目をおとなの目に重ねて』(青土社、2020年)
- 『生きている不思議を見つめて』(藤原書店)2021
- 『中村桂子コレクション いのち愛づる生命誌』1-8巻 藤原書店、2019-23
- 『老いを愛づる 生命誌からのメッセージ』中公新書ラクレ、2022
- 『科学はこのままでいいのかな 進歩?いえ進化でしょ』 (ちくまQブックス)筑摩書房、2022
- 『人類はどこで間違えたのか 土とヒトとの生命誌』中公新書ラクレ、2024
共著
[編集]- (加藤順子・辻堯)『組換えDNA技術の安全性――研究室から環境まで』(講談社, 1989年)
- (松原謙一)『生命のストラテジー』(岩波書店, 1990年/増補新版・早川書房[ハヤカワ文庫], 1996年)
- (多田富雄・養老孟司)『「私」はなぜ存在するか――脳・免疫・ゲノム』(哲学書房, 1994年/哲学文庫, 2000年)
- (松原謙一)『ゲノムを読む――人間を知るために』(紀伊國屋書店, 1996年)
- (養老孟司)『生命の文法――「情報学」と「生きること」』(哲学書房, 2001年)
- (東倉洋一編)『22世紀への手紙――生命・情報・夢』(NTT出版, 2001年)
- (山折哲雄)『往復エッセイ 「いのち」についての60の手紙』(産経新聞ニュースサービス, 2002年)
- (鶴見和子)『40億年の私の「生命」――生命誌と内発的発展論』(藤原書店, 2002年/新版, 2013年)
- (稲本正編)『森を創る 森と語る』(岩波書店, 2002年)
- (本庶佑)『生命の未来を語る』(岩波書店, 2003年)
- (鶴見俊輔)『わたしの中の38億年──生命誌の視野から』(編集グループSURE, 2008年)
- (和田誠)『生き物が見る私たち』(青土社、2014年)
- (大田堯)『百歳の遺言 いのちから「教育」を考える』(藤原書店, 2018年)
- 『ウイルスとは何か コロナを機に新しい社会を切り拓く』村上陽一郎, 西垣通共著 藤原書店、2020.11
- 『人間が生きているってこういうことかしら?』内藤いづみ共著 ポプラ社、2022.2
編著
[編集]- 『日本の名随筆 別巻89 生命』(作品社, 1998年)
共編著
[編集]- (松原謙一)『ゲノムから進化を考える』(岩波書店, 1997年-1998年)
編集
[編集]- 『愛づるの話。――生命誌〈2003(37‐40)〉』(JT生命誌研究館, 2005年)
- 『語る科学――生命誌年刊号Vol.41-44』(JT生命誌研究館, 2005年)
- 『観る――生命誌年刊号Vol.45-48』(JT生命誌研究館, 2006年)
訳書
[編集]- ジェームズ・ワトソン『二重らせん――DNAの構造を発見した科学者の記録』江上不二夫共訳(タイム・ライフ・インターナショナル 1968年/改訂版 1980年/講談社文庫、1986年)
- マイケル・ロジャース『遺伝子操作の幕あけ』渡辺格共訳(紀伊国屋書店 1978年)
- J・グッドフィールド『神を演ずる――遺伝子工学と生命の操作』(岩波書店 1979年)
- 今日のがん治療 L.イスラエル 丸の内棣共訳 共立出版 1980
- フランシス・クリック『生命――この宇宙なるもの』(思索社 1982年/増補版 1987年/新思索社・再装版 2005年)
- フランシス・クリック『熱き探究の日々――DNA二重らせん発見者の記録』(TBSブリタニカ 1989年)
- ロバート・ポラック『DNAとの対話――遺伝子たちが明かす人間社会の本質』中村友子共訳(早川書房 1995年)のちハヤカワ文庫
- 生物学と人間の価値 スティーブ・オルソン オーム社 1992
- マーロン・ホーグランド, バート・ドッドソン『Oh!生きもの――生物のみごとなしくみ』中村友子共訳(三田出版会 1996年)
- シャロン・バーチュ・マグレイン『お母さん, ノーベル賞をもらう――科学を愛した14人の素敵な生き方』(工作舎, 1996年)
- マーサ・C・ナスバウム, キャス・R・サンスタイン編『クローン、是か非か』渡会圭子共訳(産業図書 1999年)
- ロバート・ワインバーグ『裏切り者の細胞がんの正体』(草思社 1999年)
- ヒトはなぜのぞきたがるのか 行動生物学者が見た人間世界 ロバート・M.サポルスキー 白揚社 1999
- ロバート・ポラック『脳の時計、ゲノムの時計――最先端の脳研究が拓く科学の新地平』中村友子共訳(早川書房 2000年)
- マット・リドレー『ゲノムが語る23の物語』斉藤隆央共訳(紀伊國屋書店 2000年)
- リン・マーギュリス『共生生命体の30億年』(草思社 2000年)
- マット・リドレー『やわらかな遺伝子』斉藤隆央共訳(紀伊國屋書店 2004年)
- ナタリー・アンジェ『Woman女性のからだの不思議(上・下)』桃井緑美子共訳(集英社 2005年)
監訳
[編集]- Albertsほか『細胞の分子生物学 第4版』(ニュートンプレス, 2004年)
- Albertsほか『Essential 細胞生物学 原書第2版』(南江堂, 2005年)
- Watsonほか『ワトソン遺伝子の分子生物学 第5版』(東京電機大学出版局, 2006年)
監修
[編集]- (まんが・本庄敬)『まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅1 / 海からの創世 進化の不思議な大爆発』(小学館, 1994年)
- (まんが・本庄敬/監修・濱田隆士)『まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅2 / 魚たちの上陸作戦 花に追われた恐竜』(小学館, 1995年)
- (まんが・本庄敬/監修・松井孝典)『まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅3 / 大空への挑戦者』(小学館, 1995年)
- (まんが・本庄敬/監修・大島泰郎)『まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅4 / 奇跡のシステム“性” 昆虫たちの情報戦略』(小学館, 1995年)
- (まんが・本庄敬/監修・河合雅雄)『まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅5 / ヒトがサルと別れた日 ヒトは何処へいくのか』(小学館, 1995年)
- (翻訳工房ことだま訳)ニコラス・ウェイド『DNAのらせんはなぜ絡まらないのか』(翔泳社, 2000年)
- (中村友子訳)デイヴィス・ケヴィン『ゲノムを支配するものは誰か クレイグ・ベンターとヒトゲノム解読競争』(日本経済新聞社, 2001年)
脚注
[編集]- ^ a b “中村桂子【JT生命誌研究館 館長】文化部門 一般社団法人 全国日本学士会”. 全国日本学士会. 2018年1月4日閲覧。
- ^ a b “Nakamura, Keiko (中村桂子、日本)”. イオン環境財団. 2018年1月4日閲覧。
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 中村桂子「Genetic and biochemical studies on 80dt, a defective phage carrying tryptophane genes(80dtの遺伝学的および生化学的研究)」、東京大学、1964年、NAID 500000430939。
- ^ 一般社団法人 全国日本学士会 中村桂子【JT生命誌研究館 館長】 文化部門