コンテンツにスキップ

マール (火山)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウキンレク・マール群(アメリカ合衆国、アラスカ州)

マール(英語: maar)とは、水蒸気爆発またはマグマ水蒸気爆発により形成された円形の火口で、火山地形の1つである[1]

が豊富にある場所でマグマ水蒸気爆発が起こって火砕サージを発生し、爆発によって生じた円形の火口の周囲に、少量の火砕サージ堆積物からなる低い環状のを形成する。火口底が地下水面より低い場合は、中に水が溜まることが多い。その場合、火口はとなり、沿岸部では湾入する。通常は1回だけの噴火で形成され(単成火山)、この点で成層火山頂上の火口(湖)とは異なる。

語源

[編集]

「マール」は、もともとドイツ西部のアイフェル地方の方言で「湖」を意味する。アイフェル地方にはこのようにして生じた湖沼が70か所以上に点在していて、俗に「アイフェルの目」とも呼ばれる。19世紀からドイツの地理学者によってこの種の地形を表す語として用いられるようになり、その後国際的に定着した。

おもなマール地形

[編集]
山川湾(鹿児島県)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
米丸ステレオ(平行法)空中写真(1974年)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

日本

[編集]
二ノ目潟

ユーラシア

[編集]

南北アメリカ

[編集]

アフリカ・大洋州

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 鈴木 2012, p. 962.
  2. ^ a b c 日本地形学連合 2017, p. 835.
  3. ^ 守屋 2012, p. 72.
  4. ^ 守屋 2012, pp. 73–74.
  5. ^ 守屋 2012, p. 73.
  6. ^ 守屋 2012, p. 74.

参考文献

[編集]
  • 小山真人『ヨーロッパ火山紀行』筑摩書房〈ちくま新書〉、1997年。ISBN 4-480-05730-7 
  • 鈴木隆介『火山・変動地形と応用読図』(改訂版)古今書院〈建設技術者のための地形図読図入門〉、2012年。ISBN 978-4-7722-5264-5 
  • 日本地形学連合 編『地形の辞典』朝倉書店、2017年。ISBN 978-4-254-16063-5 
  • 守屋以智雄『世界の火山地形』東京大学出版会、2012年。ISBN 978-4-13-066710-4 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]