ドゥラエレーデ
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
ドゥラエレーデ | ||||||
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2023年東京優駿 本馬場入場 | ||||||
欧字表記 | Dura Erede[1] | |||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||
性別 | 牡[1] | |||||
毛色 | 黒鹿毛[1] | |||||
生誕 | 2020年1月29日(4歳)[1] | |||||
父 | ドゥラメンテ[1] | |||||
母 | マルケッサ[1] | |||||
母の父 | オルフェーヴル[1] | |||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | |||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | |||||
馬主 | (株)スリーエイチレーシング[1] | |||||
調教師 | 池添学(栗東)[1] | |||||
競走成績 | ||||||
生涯成績 |
17戦2勝[1] 中央:14戦2勝 地方:1戦0勝 海外:2戦0勝 | |||||
獲得賞金 |
2億5835万8000円[2] 中央:1億8108万円[1] 地方:2000万円 UAE:56万米ドル[3][4] (2024年12月1日現在) | |||||
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ドゥラエレーデ(欧字名:Dura Erede、2020年1月29日 - )は、日本の競走馬[1]。2022年のホープフルステークスの勝ち馬である。
戦績
[編集]デビュー前
[編集]2020年1月29日、北海道勇払郡安平町のノーザンファームで出生。祖母にアルゼンチンでGI3勝を挙げたマルペンサ、伯父に菊花賞と有馬記念を勝ったサトノダイヤモンドがいる良血で、2021年のセレクトセール1歳セールに上場されると、Charles-de-Gaulleに1億円(税別)で落札された[5]。
2歳(2022年)
[編集]6月26日、阪神競馬場の第5レース芝1800m戦でデビュー。鞍上に北村友一を迎え単勝2.0倍の1番人気に支持されるも、5着に終わる。(このレースの6着に後の全日本2歳優駿覇者・デルマソトガケがいる)
次は8月6日札幌競馬場芝1800mに出走。道中は逃げをうち上がり3ハロン35秒で駆けたが、後の札幌2歳ステークス勝ち馬・ドゥーラに差し切られ2着に終わった。
その後中1週で札幌競馬場ダート1700m戦に池添謙一騎手で出走し、初勝利を挙げた。
その後約3ヶ月の放牧を経て、11月19日のGII東京スポーツ杯2歳ステークスにライアン・ムーア騎手で挑戦。道中は他1頭と共に逃げ気味に先行し、道中では一時先頭に立った。最後の直線ではガストリックら差し馬勢に先着を許し4着に敗れたものの、他の先行勢が崩れた中で唯一掲示板に載る健闘を見せた。
ホープフルステークス
[編集]そして12月28日、中山競馬場で行われるGIホープフルステークスに新たな鞍上に短期免許で来日中のドイツのリーディングジョッキー、バウイルザン・ムルザバエフ騎手を迎えて出走した。 直前のオッズでは勝利レースがダート戦しかないことや、前走で先着された馬たちと比べて末脚の切れに欠けると見られたからか、全18頭中単勝オッズ90.6倍の14番人気に甘んじた。
レースは伏兵トップナイフが先手を奪い、道中は本馬のペースで走ることを優先し、2番手で折り合いをつけ前半1000mを1分1秒5とスローペースで通過した。残り600m過ぎからペースが上がるも2頭が悠々と先頭を通過し、最後の直線ではトップナイフとの壮絶な叩き合いを展開し、2頭並んだところでゴールとなる大接戦となった。
写真判定の末、ほんの数センチでトップナイフよりも前に出ていたため優勝となった。これにより、鞍上のB.ムルザバエフ騎手はJRA・GI初優勝、調教師の池添学もGI・JpnI級競走初勝利となった。なお、3着には6番人気のキングズレインが入り、3連単の払い戻しは246万6010円の高額配当となった[6]。父・母父がともにクラシック二冠以上という配合[注 1]の馬によるGⅠ制覇は史上初となる[注 2]。
3歳(2023年)
[編集]3歳初戦として3月25日のUAEダービーに出走することとなった。レースでは同じく日本馬のデルマソトガケの後ろにつき、追走するが直線で突き放され2着に敗れる[7]。
UAEダービー後、陣営は東京優駿に出走することを決定。最終追い切りでは坂路を単走で登板して、4ハロン54秒5-11秒6を記録した。この追い切りを見守った池添調教師は「1週前にしっかりとやっているので、今週はオーバーワークを避けて(4ハロン)54秒の指示。ラスト300メートルで手綱を緩めて人間が加速についていく感じだったが、すごい時計だった。馬自身、体が減るでもなく、張りが出ている。自分のリズムで走れたら、距離もこなせると思う」とコメントした[8]。
東京優駿では8枠17番で出走するも、スタート直後に躓いて、騎手の坂井瑠星を振り落として落馬、競走中止となった。レース後、人馬ともに異状なしと発表された[9]。本競走の落馬による競走中止は1993年南井克巳騎乗のマルチマックス以来30年ぶりのことである[10]。続いて宝塚記念にも出走、幸英明騎手を鞍上に迎えたが、10着に終わり、夏は休養に入って朝日杯セントライト記念に登録。日本ダービー以来の坂井瑠星騎手と再コンビを組んだが、8着に終わった。いったん放牧し、今度はチャンピオンズカップに登録。当初はライアン・ムーア騎手との再コンビの予定だったが、直前で同騎手が落馬競走中止し負傷したため、再度短期免許を取得したB.ムルザバエフ騎手とホープフルステークス以来のコンビを組むことが決まった。レースは9番人気ながらも大外枠から発走したレモンポップと前をつける形で進めていったが、ゴール直前に大外から12番人気のウィルソンテソーロの強襲にあいながらもトップのレモンポップと0秒3差の3着に踏みとどまった[11]。このため3連単は190万馬券となったが、レース後にB.ムルザバエフ騎手は「追い切りで気性的な成長を感じていた。最後まで素晴らしいメンバー相手に一生懸命ファイトしてくれた。これなら来年サウジ、ドバイに挑戦していい。まだ3歳。未来はいっぱいあるんだから。」と語っていた[12]。続いて12月29日の大井競馬場で開催された東京大賞典にも出走し、チャンピオンズカップと同じ3着に好走した。
競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.com[13]、JBISサーチ[14]、エミレーツ競馬協会[15]およびTotal Performance Data[16]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2022. 6.26 | 阪神 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 12 | 5 | 5 | 2.0 (1人) | 5着 | 1:50.9(35.0) | 0.7 | 北村友一 | 54 | カルロヴェローチェ | 510 | |
8. 6 | 札幌 | 2歳未勝利 | 芝1800m(良) | 10 | 1 | 1 | 2.5 (2人) | 2着 | 1:49.4(35.0) | 0.3 | 横山和生 | 54 | ドゥーラ | 506 | |
8.20 | 札幌 | 2歳未勝利 | ダ1700m(稍) | 12 | 6 | 7 | 1.5 (1人) | 1着 | 1:46.6(37.8) | -0.1 | 池添謙一 | 54 | (シゲルカミカゼ) | 508 | |
11.19 | 東京 | 東スポ杯2歳S | GII | 芝1800m(良) | 11 | 6 | 7 | 20.1 (6人) | 4着 | 1:46.0(35.0) | 0.2 | R.ムーア | 55 | ガストリック | 504 |
12.28 | 中山 | ホープフルS | GI | 芝2000m(良) | 18 | 6 | 11 | 90.6(14人) | 1着 | 2:01.5(35.0) | 0.0 | B.ムルザバエフ | 55 | (トップナイフ) | 508 |
2023. 3.25 | メイダン | UAEダービー | G2 | ダ1900m(Fs)[注 3] | 13 | 8 | 6 | 17.0 (7人) | 2着 | 1:56.81(38.28) | 1.00 | C.デムーロ | 55 | Derma Sotogake | 計不 |
5.28 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 8 | 17 | 44.3 (8人) | 競走中止 | 坂井瑠星 | 57 | タスティエーラ | 512 | ||
6.25 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(良) | 17 | 8 | 17 | 30.2 (7人) | 10着 | 2:12.3(36.5) | 1.1 | 幸英明 | 53 | イクイノックス | 506 |
9.18 | 中山 | セントライト記念 | GII | 芝2200m(良) | 15 | 3 | 5 | 15.3 (5人) | 8着 | 2:12.5(35.5) | 1.1 | 坂井瑠星 | 56 | レーベンスティール | 524 |
12. 3 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 15 | 3 | 5 | 31.2 (9人) | 3着 | 1:50.9(37.5) | 0.3 | B.ムルザバエフ | 57 | レモンポップ | 510 |
12.29 | 大井 | 東京大賞典 | GI | ダ2000m(良) | 9 | 6 | 6 | 11.9 (4人) | 3着 | 2:07.9(37.8) | 0.2 | B.ムルザバエフ | 56 | ウシュバテソーロ | 510 |
2024. 2.18 | 東京 | フェブラリーS | GI | ダ1600m(良) | 16 | 2 | 4 | 5.5 (3人) | 12着 | 1:36.8(38.5) | 1.1 | B.ムルザバエフ | 58 | ペプチドナイル | 514 |
3.30 | メイダン | ドバイワールドC | G1 | ダ2000m(良) | 12 | 5 | 5着 | 2:04.7 | 2.4 | B.ムルザバエフ | 57 | Laurel River | 計不 | ||
8. 4 | 札幌 | エルムS | GIII | ダ1700m(稍) | 14 | 6 | 10 | 3.4 (1人) | 2着 | 1:44.1(37.0) | 0.1 | 武豊 | 57 | ペイシャエス | 522 |
8.18 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000m(良) | 12 | 1 | 1 | 20.0 (6人) | 10着 | 2:01.0(35.4) | 1.4 | 藤岡佑介 | 58 | ノースブリッジ | 524 |
11. 3 | 京都 | みやこS | GIII | ダ1800m(重) | 15 | 2 | 3 | 6.1 (2人) | 11着 | 1:51.9(39.2) | 2.2 | 北村友一 | 57 | サンライズジパング | 518 |
12. 1 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 16 | 3 | 6 | 42.6 (9人) | 3着 | 1:50.4(36.4) | 0.3 | R.ムーア | 58 | レモンポップ | 512 |
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- 海外のオッズ・人気はRacing Postのもの(日本式のオッズ表記とした)
- 競走成績は2024年12月1日現在
血統表
[編集]ドゥラエレーデの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系(ミスタープロスペクター系) |
[§ 2] | ||
父 ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
父の父 キングカメハメハ2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
父の母 アドマイヤグルーヴ2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | ||
Wishing Well | ||||
エアグルーヴ | *トニービン | |||
ダイナカール | ||||
母 マルケッサ 2015 鹿毛 |
オルフェーヴル 2008 栗毛 |
ステイゴールド | *サンデーサイレンス | |
ゴールデンサッシュ | ||||
オリエンタルアート | メジロマックイーン | |||
エレクトロアート | ||||
母の母 *マルペンサ2006 鹿毛 |
Orpen | Lure | ||
Bonita Francita | ||||
Marsella | *サザンヘイロー | |||
Riviere | ||||
母系(F-No.) | (FN:1-w) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | サンデーサイレンス 3×4、Halo 4×5・5、ノーザンテースト 5×5 | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ドゥラエレーデの場合は父が二冠馬、母父が三冠馬であるため
- ^ 重賞制覇であればハシコトブキ(父シンザン、母父メイズイ)が既にいる他、父・母がともにクラシック二冠以上という配合であればアカイトリノムスメ(父ディープインパクト、母アパパネ)が既にGⅠを制している
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[17]。これをJRAは「良」と発表した[18]。馬場状態#ダートコース参照。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ドゥラエレーデ”. JBISサーチ. 2023年9月18日閲覧。
- ^ a b “競走馬情報 - ドゥラエレーデ”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年9月18日閲覧。
- ^ “2023ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2023年3月25日閲覧。
- ^ “2024ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2024年3月30日閲覧。
- ^ “セレクトセール2021 セール結果”. 日本競走馬協会. 2022年1月5日閲覧。
- ^ “【ホープフルS結果】14番人気ドゥラエレーデが勝利し3連単246万超の大波乱!短期騎乗ムルザバエフ騎手の手綱”. 株式会社ネットドリーマーズ. (2022年12月28日) 2023年1月9日閲覧。
- ^ “【UAEダービー】デルマソトガケが逃げ切り ドゥラエレーデら続き日本勢が上位4着まで独占!”. JRA-VAN Ver. World (2023年3月26日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ “【ダービー】ドゥラエレーデ坂路でラスト11秒6「すごい時計だった」池添師/G1追い切り速報”. 日刊スポーツ (2023年5月24日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ “【日本ダービー】発馬後に落馬、競走中止のドゥラエレーデ 人馬ともに異状なし”. スポニチ競馬Web (2023年5月28日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ “【ダービー・記録アラカルト】今年も青葉賞組は"壁"を越えられず ドゥラメンテ産駒の"偉業"達成もお預け”. 東スポ競馬 (2023年5月28日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ 【チャンピオンズC】9番人気ドゥラエレーデ3着 さすがのムルザバエフ「未来はいっぱいある」 2023年12月3日 16:41 スポニチ
- ^ 【チャンピオンズC】3着ドゥラエレーデ ムルザバエフ健闘称える「まだ3歳。未来はいっぱいある」 2023年12月4日 05:28 スポニチ
- ^ “ドゥラエレーデの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年9月18日閲覧。
- ^ “ドゥラエレーデ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月18日閲覧。
- ^ “Emirates Racing Authority”. emiratesracing.com. エミレーツ競馬協会. 2023年3月25日閲覧。
- ^ “Total Performance Data”. 2023年4月7日閲覧。
- ^ “Results|Emirates Racing Authority”. emiratesracing.com. エミレーツ競馬協会. 2023年3月25日閲覧。
- ^ “UAEダービー(G2)の結果”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年3月26日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ドゥラエレーデ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “ドゥラエレーデの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年12月28日閲覧。
- ^ “ドゥラエレーデ - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年12月29日閲覧。
関連項目
[編集]- 人気二桁番台でGI級競走を制した競走馬
- ノアノハコブネ - 1985年優駿牝馬(21番人気)
- サンドピアリス - 1989年エリザベス女王杯(20番人気)
- ダイユウサク - 1991年有馬記念(14番人気)
- タケノベルベット - 1992年エリザベス女王杯(17番人気)
- メジロパーマー - 1992年有馬記念(15番人気)
- ダイタクヤマト - 2000年スプリンターズステークス(16番人気)
- ノーリーズン - 2002年皐月賞(15番人気)
- ヒシミラクル - 2002年菊花賞(10番人気)
- イングランディーレ - 2004年天皇賞(春)(10番人気)
- ヘヴンリーロマンス - 2005年天皇賞(秋)(14番人気)
- ピンクカメオ - 2007年NHKマイルカップ(17番人気)
- クィーンスプマンテ - 2009年エリザベス女王杯(11番人気)
- ビートブラック - 2012年天皇賞(春)(14番人気)
- マイネルホウオウ - 2013年NHKマイルカップ(10番人気)
- コパノリッキー - 2014年フェブラリーステークス(16番人気)
- サンビスタ - 2015年チャンピオンズカップ(12番人気)
- ロジャーバローズ - 2019年東京優駿(12番人気)
- キャッスルトップ - 2021年ジャパンダートダービー(12番人気)
- アカイイト - 2021年エリザベス女王杯(10番人気)
- ファストフォース - 2023年高松宮記念(12番人気)
- ペプチドナイル - 2024年フェブラリーステークス(11番人気)
- テンハッピーローズ - 2024年ヴィクトリアマイル(14番人気)