SP THE MOTION PICTURE
『SP 野望篇/革命篇』(エスピー)は、2010年と2011年に公開された岡田准一主演の日本映画。
SP 野望篇/革命篇 | |
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SP: The Motion Picture | |
監督 | 波多野貴文 |
脚本 | 金城一紀 |
製作 |
関口大輔 稲葉直人 中島久美子 古郡真也 |
製作総指揮 |
石原隆 和田行 島谷能成 加太孝明 |
出演者 |
岡田准一 堤真一 香川照之 真木よう子 松尾諭 神尾佑 山本圭 |
音楽 | 菅野祐悟 |
主題歌 | V6「way of life」 |
撮影 | 相馬大輔 |
編集 | 穂垣順之助 |
制作会社 | FILM |
製作会社 | 「SP」プロジェクトチーム |
配給 | 東宝 |
公開 |
野望篇:2010年10月30日 革命篇:2011年3月12日 |
上映時間 |
野望篇:98分 革命篇:128分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 |
野望篇:36.3億円[1] 革命篇:33.3億円[2] |
2007年からフジテレビ系土曜ドラマ枠で放送された連続ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』の劇場版であり、『野望篇』(やぼうへん)『革命篇』(かくめいへん)の2部作からなる。監督はドラマ版でも演出を務め、本作が初監督映画となる波多野貴文。テロリストから警護対象者を守るSPの戦いと連続ドラマで描かれた謎が明らかにされる。
概要
編集2009年9月から8か月に渡る撮影が行われた。2010年10月30日に『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』、2011年3月12日に『SP THE MOTION PICTURE 革命篇』が全国東宝系にて公開され、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)3週連続1位となる。『野望篇』は最終興行収入36.3億円[1]。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、『革命篇』は全国4割ほどの劇場の休館や節電のため上映時間縮小などが行われたものの、興行収入33.3億円を記録[2]。年間総合興行収入ランキング9位となる[3]。この収益の一部は復興支援のため被災地へ寄付された[4]。
『SP 野望篇』は第34回日本アカデミー賞・話題賞作品部門を受賞[5]。
『SP 革命篇』の公開に先立ち、2011年3月4日金曜プレステージ枠では、『革命篇』のメイキング映像と共に2008年放送の『スペシャルアンコール特別編 Episode IVex.』を再放送。翌日3月5日土曜プレミアム枠では、『野望篇』のダイジェストとスペシャルドラマ『SP 革命前日 Pre Episode VI』が放送された。シリーズにおいては、映画『野望篇』がEpisode V、『革命篇』がEpisode VI(THE Final Episode)となる。また、2011年2月26日から『革命篇』公開までの期間、一部劇場では割引価格で『野望篇』とロングバージョンの予告編「予習編」を上映する復習上映が実施された。
2013年3月29日に『野望篇』、3月30日に『革命篇』が地上波初放送された。視聴率は、それぞれ『野望篇』13.7%、『革命篇』17.8%。
ストーリー
編集野望篇(Episode V)
編集麻田首相襲撃事件後、西島の死に「大義のためだ」と謎の言葉を発した尾形に対し、井上は疑念を抱いていた。1ヶ月後、第4係機動警護班のメンバーと共に六本木ヒルズのイベントで応援警護に当たっていた井上は、爆弾テロを起こそうとする不審な男の存在を察知、追跡劇の末に男を逮捕する。
尾形は公安部の視察下に置かれながらも、同じ大学の政治サークル「雄翔会」に所属し官僚として要職に就く成員と、彼らを支援する与党幹事長・伊達と一堂に会す。彼らは国民の価値観を揺るがす強大な計画を実行に移す時を伺っていた。井上を疑問視する伊達に対し、計画に引き入れることを決めた尾形は20年前の場所で井上と対峙し、その過去と大義に同調させようとするも決裂する。
翌日、伊達の警護を命じられた第4係が丁度任務を終えた時、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したという情報が入る。尾形に命じられた井上たち4人は、この事態に対応するため総理大臣官邸に向かう官房長官の警護を担当することに。尾形を監視していた伊達らはこの機に井上を排除するべく動き出し、第4係は突如送り込まれたテロリストの襲撃を受ける。
革命前日(Prelude to Episode VI)
編集前作『野望篇』等のダイジェストと共にテレビ放送されたスペシャルドラマ。『革命篇』で描かれる事件を巡る1日のエピソードとなっている。
官房長官襲撃事件から2ヶ月後、第4係の5人は異例の休暇を過ごしていた。一人病院へと赴いた井上は脳内の症状が亢進していることを指摘され、医師から休養を強く勧められるが、今は現場を離れることは出来ないと断る。病院を訪れた笹本は「リハビリ」と称して井上を強引に誘い出す。一方、尾形らに疑惑を募らせる公安の田中は、上層部に難色を示されながらも独自に背後関係の捜査を開始、ある衝撃の事実へと辿り着く。しかし情報を報告しようとした田中は、突如尾形らの仲間に襲われてしまう。
革命篇(Episode VI<The Final Episode>)
編集官房長官襲撃事件による怪我も回復し、第4係のメンバーは通常任務に復帰していた。新たなメンバーと共に麻田内閣の内閣不信任決議が行われる国会議事堂での応援警護に付くが、尾形からの違和感を確実に感じている井上の症状は悪化の一途を辿っていた。正にその日、尾形の人生を賭けた計画が実行に移されることとなる。
周到な計画により、無防備な議事堂内に次々と潜入するテロリスト達は「革命」に共鳴する精鋭SP達と共謀し、水面下で衆議院棟を分断・制圧。全ての根回しを終えた尾形らは、遂に本会議場へと突入した。その凶行の一部始終は全国民に知らされることとなる。
一方、尾形の指示によって本会議場から引き離されていた井上達も異変を察知し、記者クラブのテレビでこの事態を知る。犯行を止めるべく決意した4人は、要人の拘束される議場に向かってテロリストとの戦いを開始する。
出演
編集警視庁
編集- 四係
- 警護課・上層部
- 公安部
- 四係・新人チーム(新四係)
- 一係(総理担当SP)
- 警察関係者
政界
編集- 伊達國雄(与党・幹事長) - 香川照之(20年前:渡部飛鳥)
- 横溝雅治(伊達の秘書) - 堀部圭亮
- 高島清(内閣総理大臣秘書官) - 近江谷太朗
- 滝川英治(防衛大臣秘書官) - 平岳大
- 安斎誠(外務省国際テロ対策協力室・主任) - 波岡一喜
- 田辺晋一(内閣官房長官) - 螢雪次朗
- 但馬克哉 - 野仲イサオ
- 楠本健一郎(政和党埼玉県連) - でんでん
- 吉原剛(国土交通大臣) - 大林丈史
- 坂田良政(厚生労働大臣) - 中山克己
- 麻田雄三(内閣総理大臣) - 山本圭
テロリスト
編集- 「野望篇」に登場
- 「革命前日」「革命篇」に登場
- 回想シーンに登場
その他
編集製作
編集撮影は、2009年9月5日よりクランクインしており、お台場湾岸スタジオ、滋賀県庁[6][7]、新桜台駅[8]桜蔭中学校・高等学校等で撮影が行われ、8ヶ月間の撮影の末に撮影終了。4月19日に製作報告記者会見が東京都内で開かれた[9]。
ドラマ版の撮影のために肉体改造を行っていた岡田は本作の撮影にあたりフィリピン伝統武術カリを2年稽古していた。 撮影にはアクションシーンを事前にアニメで作り、その上で撮影を開始する「プレビジュアリゼーション」という手法が採用されており、ポストプロダクションはハリウッドのスタジオで行われた[10][11]。サウンドデザインは、ルーカスフィルムの音響部門であるスカイウォーカーサウンドが担当した。
スタッフ
編集- 原案・脚本 - 金城一紀
- 監督 - 波多野貴文
- 音楽 - 菅野祐悟
- 主題歌 - V6「way of life」(avex trax)
- 製作 - 亀山千広、藤島ジュリー景子
- エグゼクティブプロデューサー - 石原隆、和田行、島谷能成、加太孝明
- プロデューサー - 関口大輔、稲葉直人、中島久美子、古郡真也
- セカンドユニット監督 - 田澤裕一(革命篇のみ。波多野監督と共同で革命前日の演出も担当。)
- 撮影 - 相馬大輔、小松高志(革命前日)
- 照明 - 和田雄二
- 録音 - 阿部茂
- 美術プロデュース - 宮崎かおる
- 美術デザイン - 棈木陽次、竹中健
- 美術進行 - 福井大
- 編集 - 穂垣順之助
- 記録 - 目黒亜希子
- VFXスーパーバイザー - ロバート・スコタック
- VFXディレクター - 山本雅之
- サウンドデザイン - トム・マイヤー
- 選曲 - 藤村義孝
- アクション監督 - 大内貴仁
- 製作担当 - 鹿浜勉、長谷川晴彦(革命篇)
- 助監督 - 田澤裕一(野望篇)、高橋正弥(革命篇)
- スーパーバイザー - 杉山泰一
- 製作 - 「SP」プロジェクトチーム(フジテレビジョン、ジェイ・ストーム、東宝、ROBOT、FNS27社)
- 製作プロダクション - FILM
- 配給 - 東宝
使用楽曲
編集野望篇(Episode V)
編集- リヒャルト・ワーグナー
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- 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
- ポーランド国立放送交響楽団(ヨハネス・ヴィルトナー指揮)
- ジャコモ・プッチーニ
ドラマスペシャル 革命前日(Pre Episode VI)
編集- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
- アントニン・ドヴォルザーク
-
- 交響曲第9番「新世界より」より第4楽章
- ジャコモ・プッチーニ
革命篇(Episode VI<The Final Episode>)
編集クラシック楽曲なし 革命篇のために書かれた楽曲を使用
DVD/Blu-ray
編集野望篇は2011年4月23日、革命前日・革命篇は2011年8月26日発売。Blu-rayとDVDでリリース。発売元はフジテレビジョン、販売元はポニーキャニオン。
野望篇
編集- SP 野望篇 通常版(1枚組)
- 映像特典
- 特報・劇場予告編・TVスポット集・プロモーション映像
- 『SP 革命篇』劇場予告編
- 映像特典
- SP 野望篇 特別版(3枚組、特典ディスクは2枚ともDVD版はDVDで、BD版はBDで収録)
- ディスク1:本編ディスク(通常版と同様)
- ディスク2:特典ディスク1
- ビジュアルコメンタリー(波多野貴文監督×岡田准一、MC:笠井信輔)
- ディスク3:特典ディスク2
- メイキング“制作篇”
- キャンペーン“広報篇”(製作報告会見、フジテレビの日、完成披露試写会、広島県警察学校訪問、東京国際映画祭、公開初日舞台挨拶、大ヒット御礼舞台挨拶)
- 未公開シーン集
- 封入特典
- SP CONFIDENTIAL 〜Episode V〜(56P)
- プレミアムアウターケース仕様&初回生産分のみデジパック仕様
革命前日
編集- SP 革命前日(1枚組)
- 映像特典
- 岡田准一 in Hollywood
- ノンクレジットエンディング
- 『SP 野望篇』劇場予告編
- 『SP 革命前日』番組予告
- 『SP 革命篇』劇場予告編
- 封入特典
- SP CONFIDENTIAL 〜Prelude to Episode VI〜(8P)
- 初回生産分のみプレミアムアウターケース仕様&デジパック仕様
- 映像特典
革命篇
編集- SP 革命篇 通常版(1枚組)
- 映像特典
- 特報・劇場予告編・TVスポット集・プロモーション映像
- 『SP 野望篇』劇場予告編
- 映像特典
- SP 革命篇 特別版(3枚組、『野望篇』同様、特典ディスクは2枚ともDVD版はDVD、BD版はBDで収録)
- ディスク1:本編ディスク(通常版と同様)
- ディスク2:特典ディスク1
- ビジュアルコメンタリー(波多野貴文監督×岡田准一、MC:笠井信輔)
- ディスク3:特典ディスク2
- メイキング“制作篇”
- キャンペーン“広報篇”
- イベント映像集(完成披露試写会、大阪舞台挨拶、東京舞台挨拶)
- CS特番集
- インタビュー集
- 未公開シーン集
- 隠し映像
- 封入特典
- SP CONFIDENTIAL 〜The Final Episode〜(60P)
- プレミアムアウターケース仕様
- 初回生産分のみデジパック仕様&映画『SP』シリーズ『野望篇』『革命前日』『革命篇』完全収納コンプリートBOX付き
脚注
編集- ^ a b “2010年度(平成22年)興収10億円以上番組 (平成23年1月発表)[邦画]” (PDF). 日本映画製作者連盟 (2011年1月27日). 2011年1月28日閲覧。
- ^ a b “2012年記者発表資料(2011年度統計)” (PDF). 最新映連発表資料. 一般社団法人日本映画製作者連盟. p. 3 (2012年1月). 2012年1月26日閲覧。
- ^ 2011年興収トップ、邦画は『コクリコ坂』、洋画は『ハリー・ポッター』 Business Media 誠(2012年01月27日)2013年3月30日閲覧。
- ^ 「これからは元気が大事」 映画「SP革命篇」震災で延期の舞台あいさつ実現 毎日jp (2011年03月26日)2013年3月30日閲覧。
- ^ 第34回日本アカデミー賞優秀作品(2011年) 日本アカデミー賞公式サイト 2013年3月21日参照。
- ^ 『SP革命篇』滋賀県庁ロケレポート!(2011年2月28日)、滋賀ロケーションオフィス、2013年3月21日参照。
- ^ 引き続き『SP革命篇』滋賀県庁ロケレポート!(2011年3月1日)、滋賀ロケーションオフィス、2013年3月21日参照。
- ^ 作中では架空の「麻布台駅」という設定。西武ニュース『ゆうゆうゆう』2010年11月号より。
- ^ 映画版「SP」は2部作…岡田が限界に挑戦 - SANSPO.COM 2010年4月19日(2010年4月22日時点のアーカイブ)
- ^ 『スポーツニッポン』2009年9月7日及び公式サイトより
- ^ 映画『SP(エスピー)』公開記念フォトギャラリー、楽天エンタメナビ、2013年3月21日参照。
関連項目
編集外部リンク
編集- 公式コンテンツ
- 映画『SP』公式サイト - ウェイバックマシン(2012年3月8日アーカイブ分)
- SP 革命前日 - ウェイバックマシン(2012年1月21日アーカイブ分)
- SP THE MOTION PICTURE (@SP_movie) - X(旧Twitter)
- データベース
- SP: The Motion Picture I - IMDb (SP 野望篇)
- SP: The Motion Picture II - IMDb (SP 革命篇)