Monacoin
Monacoin(モナーコイン、モナコイン)とは、日本の巨大掲示板サイト2ちゃんねるのソフトウェア板で、Mr.Watanabe(わたなべ、2chpool ◆bzJIFpVqts)によって開発された日本初[1]の暗号通貨である。
Monacoin | |
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台帳 | 取引の正当性はP2Pネットワークによって担保される。 |
ウェブサイト | monacoin |
使用開始日 | 2014年1月1日 |
使用 国・地域 | 日本を中心に全世界 |
インフレ率 | ブロック報酬として、90秒ごとに50MONA。ブロック報酬は3年ごとに半減する。 |
補助単位 | |
0.001 | mMONA |
0.000001 | µMONA |
0.00000001 | watanabe |
通貨記号 | MONA |
名前の由来となったのは2ちゃんねる発祥のアスキーアート「モナー」であり、通貨単位表記は「MONA」である[2]。また日本初の暗号通貨とあって2ちゃんねるを中心とした日本のコミュニティで多くのサービスが作られている[3]。
歴史
編集Litecoinなどの採掘プール「2chpool」を運営していたMr.Watanabeが、2013年12月23日にβ版をリリースしたが直後にリセットされ、12月30日に新Monacoinの公式アナウンスをしたのちに2014年1月1日0時0分(UTC)に正式版がリリースされた[4][5]。
2014年3月21日:モナコインでの土地の売買が開始され、翌月に売買が成立する[6][5]。
2014年3月29日:モナコインを送ることができる掲示板Ask Monaがオープンする[5]。
2014年5月20日:取引所etwingsがモナコインの取り扱いを開始する[5]。
2015年3月4日:取引所etwingsが買収されZaifへリニューアルオープン[5]。
2017年3月8日:segwitの対応のシグナリング開始し[7]、4月16日にLocked_inされ[8]、4月27日にsegwitがActivateされた[9]。
2017年6月:秋葉原のパソコンショップアークがBitcoinと同時に、実店舗とWeb通販にて決済に対応する[10]。
2018年1月:アトミックスワップに成功する[5]。
2018年1月30日:Monacoinを不正入手するためのウイルス入りソフトを作成するなどした容疑で、大阪の高校生が逮捕される[11]。
2018年5月:モナコインがセルフィッシュ・マイニング攻撃を受け、ブロックチェーンの大規模な再編成(reorg)が発生した[12][13]。これにより1000万円規模の被害を受けた取引所があり、複数の取引所がMonacoin入金に必要な承認数を増やした[13]。 また9月にはジャッジノードと呼ばれる特別なノードをネットワーク上に複数設置し、reorgの対策を実施した[12][13]。
仕組み
編集ウォレット(財布)と呼ばれるクライアントプログラムを実行し、Monacoinネットワークに参加する。P2P通信なので管理者は存在しない[14]。
マイニングアルゴリズムにはASIC耐性のある「Lyra2REv2」(450,000ブロック以前はscrypt)を採用する[15]。また公開当初のブロック報酬(採掘者に対する報酬)は1ブロックにつき50 MONAが与えられ、105万1,200ブロック生成(約3年半)ごとに半減期を迎える[16]。2017年7月に半減期を迎えた事で25MONAになり、2020年9月には12.5MONAとなった[17]。ブロックが生成される時間は平均90秒であり発行量の上限は1億512万MONAである[17]。Premine(開発者による事前採掘)はない[18]。
当初のdifficulty再設定間隔は2,400ブロックごとだったが、2014年3月10日の公式クライアントのアップデート[19]で80,000ブロック以降のDifficulty retarget(difficultyを再設定する算出方法)に「KGW」が採用され、間隔が1ブロックごとに仕様変更された。2014年3月18日、80,000ブロックに達した。その後、KGWの致命的な欠陥が指摘されるようになり、Monacoinも2014年5月2日のアップデート[20]で140,000ブロック以降のDifficulty retargetを「DigiShield」に変更することになった。2014年5月19日、140,000ブロックに達した。2015年9月のアップデートで450,000ブロック以降のDifficulty retargetを「Dark Gravity Wave v3」に変更することになった[21][22]。
特徴
編集モナコインの主な特徴として「コミュニティの活動が活発であること」が挙げられ[23]、実際に以下のような事が起きている。
- モナコインは一部の店舗や「ビットコインモール」などのECサイトで決済手段に採用されたり、クリエイターなどにオンラインで支援する「投げ銭」に用いられている[18]。
- モナコインで売買された長野県山中の土地に、有志が祠などを持ち寄って“建立”した「モナコイン神社」がある[24][25]。
- コミュニティの有志による活動としてポスターラリーが行われた。この活動は店舗などに掲示されたポスターの前に行き写真を撮るという内容で、1回目は2017年3月、2回目は2017年8月に行われた[26]。
- モナコインを使ったトークン発行システム「Monaparty」がある[24][25]。
- モナコインでNFTを売買できる取引所である「チョコモナカ」が2021年4月にローンチされた[27]。
脚注
編集- ^ 「特集 ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状」『日経ビジネス』2014年4月21日、34頁。
- ^ “モナコイン(Monacoin)とは? | 仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の購入/販売所/取引所【bitFlyer(ビットフライヤー)】”. bitflyer.com. 2021年12月24日閲覧。
- ^ “モナコインは日本発祥の仮想通貨!その将来性と買い方・使い道を解説”. マイナビニュース 仮想通貨比較|仮想通貨の投資方法と最新ニュースを掲載!. 2021年12月24日閲覧。
- ^ “日本発の暗号通貨「モナーコイン」の概要 | 富裕層向け資産防衛メディア”. 幻冬舎ゴールドオンライン. 2021年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f “モナコインの歴史を知る”. みんかぶ[暗号資産]. 2021年12月24日閲覧。
- ^ “2ちゃんねる発祥の仮想通貨『モナーコイン』で別荘地を売りたい人が現れる”. (2014年3月21日) 2014年5月1日閲覧。
- ^ “モナーコインのSegwitシグナリングが3月8日より開始 | ビットバンク マーケット情報”. markets.bitbank.cc. 2021年12月24日閲覧。
- ^ 「モナーコイン、最新技術導入で価格高騰【アルトコイン評価ニュース】」『Reuters』2017年4月21日。2021年12月24日閲覧。
- ^ “日本発祥の暗号資産(仮想通貨)モナコインとは?その特徴を探る - 【DMMビットコイン】暗号資産(仮想通貨)ならDMM Bitcoin”. DMM Bitcoin. 2021年12月24日閲覧。
- ^ https://www.ark-pc.co.jp/release/2017-06-08/
- ^ “仮想通貨「モナコイン」盗むウイルス入りソフト作成容疑 17歳高校生を逮捕”. ITmedia NEWS. ITmedia (2018年1月31日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ a b 株式会社インプレス (2018年9月14日). “Monacoin v0.16.2を公開、51%攻撃などreorgを悪用した仮想通貨の盗難防止 〜確定ブロックをチェックポイントとして配信する新仕様で対策”. 仮想通貨 Watch. 2021年12月24日閲覧。
- ^ a b c “モナコインのブロックチェーン、攻撃受け「巻き戻し」 国内取引所も警戒”. ITmedia NEWS. ITmedia (2018年5月18日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “水面下で広まる『2ちゃんねる』発祥の仮想通貨『モナーコイン』”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2014年2月19日). 2014年3月10日閲覧。
- ^ “モナコインへの攻撃、なぜ成功? 小さな「アルトコイン」襲う巨大なハッシュパワー”. ITmedia NEWS. 2021年12月26日閲覧。
- ^ “ビットコインの半減期とは?ライトコインやモナコインにも存在する!”. マイナビニュース 仮想通貨比較|仮想通貨の投資方法と最新ニュースを掲載!. 2021年12月26日閲覧。
- ^ a b “モナコイン(Monacoin/MONA)の半減期は2020年9月頃!価格への影響と今やるべき準備”. coincheck(コインチェック). 2021年12月26日閲覧。
- ^ a b “モナーコイン(MONACOIN)の今後と将来性|買い方・購入方法・おすすめの取引所・価格・チャート・最新ニュース【2020年最新版】 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン”. CoinDesk Japan (2019年2月27日). 2021年12月26日閲覧。
- ^ Monacoin-qt 0.8.6.2
- ^ Monacoin-qt 0.8.7.0
- ^ “Monacoin project” (英語). monacoin.org. 2018年11月17日閲覧。
- ^ “Monacoinの新仕様に対するASICpool.infoでの対応” (日本語). びりあるの研究ノート. (2015年9月8日) 2018年11月17日閲覧。
- ^ “モナコイン(MONA)とは?日本生まれの暗号資産(仮想通貨)に将来性はあるのか”. coincheck(コインチェック). 2021年12月26日閲覧。
- ^ a b “自腹切っても「楽しいから」……アキバで“流通”する仮想通貨「モナコイン」の謎”. ITmedia NEWS. 2021年12月24日閲覧。
- ^ a b “自腹切っても「楽しいから」……アキバで“流通”する仮想通貨「モナコイン」の謎 - 産経ニュース”. www.sankei.com. 2021年12月24日閲覧。
- ^ “第二回Monacoin 広告ラリープロジェクト”. 2018年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月2日閲覧。
- ^ “仮想通貨モナコインでNFTを売買——「チョコモナカ β版」がローンチ”. CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年12月24日閲覧。