KN-02
KN-02は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で開発された短距離弾道ミサイル(SRBM)である。[1]
KN-02 | |
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種類 | 短距離弾道ミサイル |
原開発国 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
運用史 | |
配備先 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
諸元 | |
重量 | 2,000kg |
全長 | 6.4m |
直径 | 0.65m |
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射程 | 160 km |
精度 | CEP100m |
弾頭 |
核弾頭 5kt 生物弾頭 化学弾頭 通常弾頭 |
炸薬量 | 500kg |
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エンジン | 固体燃料ロケット |
推進剤 | 固体燃料 |
誘導方式 |
慣性航法装置 レーダー終末誘導 |
発射 プラットフォーム | 移動式ミサイル発射車両 |
概要
編集KN-02とはアメリカ合衆国が付けたコードネームであり、ドクサとも呼ばれている。北朝鮮での呼び名は判明していない。このミサイルは旧ソ連製の短距離弾道ミサイルOTR-21 トーチカ(SS-21 Scarab)を、北朝鮮が独自改良したものとなっており、移動式発射車両を用いた道路移動型短距離弾道ミサイルである。KN-02は、2007年4月25日の朝鮮人民軍の創立から75周年記念の軍事パレードで初めて一般に公開された。
開発経緯
編集1996年
編集- シリアとのミサイル開発協定により、シリアがロシアから導入し保有していたOTR-21 トーチカを入手したと考えられ、リバースエンジニアリングの手法で解析を開始。
2004年
編集- 2004年4月、北朝鮮が試作したOTR-21 トーチカのコピーを試射したが、失敗したとされる。
2005年~2006年
編集- 北朝鮮が試作したOTR-21 トーチカのコピーを試射した。2006年にオリジナルのOTR-21 トーチカと同等のものが初期配備された。KN-02は北朝鮮で配備されている無誘導の戦術ロケットであるFROGの後継兵器として導入されたと考えられている。
2007年
編集- 2007年6月28日に日本海に向け3発の試射を行い、成功させたと見られ、これ以降に本格配備を開始。射程は140kmまで延伸したタイプが配備された。
2007年~2013年
編集- 配備後も発射実験を頻繁に繰り返し、2013年3月15日までの実験で射程を160kmまで延長させたと考えられている。[2]
技術的特徴
編集KN-02は1段式の道路移動型短距離弾道ミサイルであり、全長6.4mで直径は65cmで重量は2t程度と考えられている。射程は初期配備型で100~120km、その後に射程を徐々に延伸させ、2013年までで160kmまで延伸させたと考えられている。CEPは誘導装置に慣性誘導と目標照合レーダーを組み合わせたものとされ、100~160m程度と推測されており、命中精度は高い。搭載可能な弾頭重量は500kg程度である。ロケットモータとしては固体燃料を採用している。よって、従来のスカッド短距離弾道ミサイルが発射に30分以上必要であったものが、5分程度で発射する事が可能とされ、移動式発射車両と組み合わせると即応性は極めて高い。 弾頭はペイロードに合わせて高性能爆薬・核・生物化学兵器が選択可能である。戦術弾道ミサイルとして運用が想定されるため、多数の子爆弾を搭載した運用もあるだろうと想定されている。
出典
編集関連項目
編集- 北朝鮮核問題
- (パキスタンの核実験 (1998年))北朝鮮の代理核実験とされる
- 北朝鮮の核実験 (2006年)
- 北朝鮮の核実験 (2009年)
- 北朝鮮の核実験 (2013年)
- ミサイル防衛 (MD)