BAD COMMUNICATION
『BAD COMMUNICATION』(バッド・コミュニケーション)は、日本の音楽ユニット、B'zの1枚目のミニ・アルバム。1989年10月21日にBMGビクターより発売された。このアルバムは、BMGルームス(現:VERMILLION RECORDS)の設立後も、発売権はソニー・ミュージックダイレクトのGT musicに残された。
『BAD COMMUNICATION』 | ||||
---|---|---|---|---|
B'z の EP | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | BMGビクター | |||
プロデュース | 中島正雄 | |||
チャート最高順位 | ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
B'z アルバム 年表 | ||||
|
概要
編集キャッチフレーズは「エンドレスで、かまわない。止めるまで、DANCE空間。DANCE ORIENTED SPECIAL」[3]。
本作からディスクレーベルが専用デザインになった[注釈 1]。初回盤のみCDケースを入れる紙製の箱が付いており、外からCDのレーベル面が見えるようになっているため、CDケースの中にある紙が入っていない。また、このケースの裏ジャケット(ディスクトレイとケースの間の紙)は収録曲が表記されている物と表記されていない物が存在する。
同時発売のカセットテープ版には、表題曲「BAD COMMUNICATION」のオリジナル・カラオケが収録されている。また、発売時に同時に製作されたプロモーション用の7インチ盤(レコード)には日本語ショートバージョンと英語ショートバージョンが、クラブ配布用の12インチ盤(レコード)には英語ロングバージョンとオリジナル・カラオケが収録されている。12インチ盤のレーベルには「Words&music:B'z」と記載されており、ジャケット裏面のクレジットが全て外国人(要はデタラメ)の表記となっている。
1枚目、2枚目のオリジナル・アルバムがヒットせず、松本は本作について「3枚目のアルバムに繋げる意味合いで実験的に制作した」とコメントしている[4]。
非公式ベスト・アルバム『Flash Back -B'z Early Special Titles-』には、全ての曲が収録されている。
2021年5月21日、サブスクリプションサービスにて全曲解禁に伴い[5]、iTunesでも本作が配信された。
記録
編集本作は、公式には『ミニ・アルバム』としているが、日本レコード協会では曲数の少なさからシングルとして扱われており、日本レコード協会調べにおいては12cmシングル(マキシシングル)で初のミリオンセラーとなった[注釈 2]。
オリコンアルバムチャートでは初登場15位[6]、最高位12位(1991年1月28日付)であり、100位以内に163週(1989年10月30日付〜1993年9月20日付。その期間中、9回にわたって100位圏外へ落ちている)チャートインしている[1][7]。1992年3月9日付においてオリコンでの累計100万枚突破を達成している。ちなみにオリコンアルバムチャートにおいて、10位以内に一度も入らずにミリオンヒットを達成した作品は本作と『Kind of Love』(Mr.Children)のみ。
ちなみに、本作から『FRIENDS II』までのミニ・アルバムは、全てミリオンセラーとなっている。
収録曲
編集全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘、全編曲: 松本孝弘・明石昌夫。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「BAD COMMUNICATION」 | |
2. | 「OUT OF THE RAIN -OFF THE LOCK STYLE-」 | |
3. | 「DA・KA・RA・SO・NO・TE・O・HA・NA・SHI・TE -OFF THE LOCK STYLE-」 | |
合計時間: |
楽曲解説
編集- BAD COMMUNICATION
- 本作の表題曲であるロック・ダンスビート曲で、様々な音をサンプリングしている。
- 稲葉は、曲名について「半端じゃない、生半可じゃないコミュニケーションと言う意味で使いたかった。」と語り、詞の内容については「歌詞はありがたくない表現で書いている。それを聞いて反対に『あぁ、やっぱりコミュニケーションって必要なんだ』と思ってくれると嬉しい。」と語っている[8]。
- 富士通「FM TOWNS」CMソングとして使用された[9]。また、本曲がきっかけでフジテレビ系の音楽番組『夜のヒットスタジオ』に出演し、これがB'zとしてのテレビ番組初出演となった[10]。
- 本曲のギターリフはレッド・ツェッペリンの「トランプルド・アンダーフット」と酷似しているため盗作との指摘があり、その酷似性と知名度からB'zの盗作疑惑において代表的な存在とされている[11][12][13]。
- ライブでは多く演奏されているが、その際は原曲とは大幅に異なるハードロック風にアレンジされている(詳細は下記を参照)。
- OUT OF THE RAIN -OFF THE LOCK STYLE-
- DA・KA・RA・SO・NO・TE・O・HA・NA・SHI・TE -OFF THE LOCK STYLE-
- 1stシングル「だからその手を離して」の全英詞アレンジバージョン。前曲とは異なり、「だからその手を離して」という言葉が歌詞やタイトルにそのまま使われている。
- BAD COMMUNICATION オリジナルカラオケ ※カセットテープ版にのみ収録
- 表題曲のカラオケ・トラック。なお、B'zは基本的に『B'z TV Style SONGLESS VERSION』と『B'z TV STYLE II Songless Version』以外では、『love me, I love you』までのシングル・カセットテープにしかカラオケバージョンを収録していない[注釈 4]。
「BAD COMMUNICATION」のバージョン違い
編集- BAD COMMUNICATION (JAPANESE SHORT VERSION)
- 7インチ盤にのみ収録。日本語バージョンを短くしたバージョン。CD作品には未収録となっている。
- Bad Communication E.Style
- 12インチ盤と、2ndミニ・アルバム『WICKED BEAT』に収録の全英詞バージョン。アレンジは原曲とほぼ変わらないが、全体的に音がやや重くなり、稲葉のボーカルにも厚みが出ている。
- 7インチ盤、ベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure"』、韓国限定発売のミニ・アルバム『DEVIL』には、ショートバージョンで収録された。
- BAD COMMUNICATION (000-18)
- 8thアルバム『LOOSE』収録。アコースティックブルース調になっており、3番の歌詞がカットされている。
- BAD COMMUNICATION -ULTRA Pleasure Style-
- ベスト・アルバム『B'z The Best "ULTRA Pleasure"』収録。原曲の打ち込みだった部分の多くが生音になり、ハードロック調にアレンジされている。一部カットされている箇所があり、演奏時間は原曲より約1分短い。
タイアップ
編集参加ミュージシャン
編集ライブ映像作品
編集BAD COMMUNICATION
- JUST ANOTHER LIFE
- "BUZZ!!" THE MOVIE
- once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜
- Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜
- B'z LIVE-GYM 2006 "MONSTER'S GARAGE"
- B'z The Best "ULTRA Pleasure"(特典DVD)
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-
脚注
編集注釈
編集- ^ オリジナル・アルバムでディスクレーベルが専用デザインになったのは3枚目のアルバム『BREAK THROUGH』から。
- ^ ただし、オリコンではミニ・アルバム扱いだったため、オリコン調べによる12cmシングル初のミリオンヒットとなった作品は、福山雅治の『HELLO』。
- ^ 『The Ballads 〜Love & B'z〜』の隠しトラックを除く。
- ^ 例外的に、38thシングル『愛のバクダン』の初回盤にのみ表題曲の「TV STYLE」を収録している。
出典
編集- ^ a b “B'z、さらなる記録更新へ!ニューアルバムリリース決定!”. ORICON NEWS (オリコン). (2006年5月10日) 2020年9月1日閲覧。
- ^ 「日本レコード協会 ミリオン以上認定作品」『The Record』第443号、日本レコード協会、1996年10月1日、4頁。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「キャッチコピー」「catch copy」の項)”. エムアールエム. 2011年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月28日閲覧。
- ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、240頁。<『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、239頁。
- ^ “B'zが全曲サブスク解禁、初配信ライブを映像作品化”. 音楽ナタリー. (2021年5月21日) 2021年5月21日閲覧。
- ^ オリコン週間アルバムチャート1989年10月30日付
- ^ “B'z、歴代No.1アーティストまでの軌跡!”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2006年5月25日) 2020年11月25日閲覧。
- ^ 『B'z Unreal Music『B'z TWELVE』』祥伝社、2000年、171頁。ISBN 4-3966-1118-8。
- ^ 『平成のテレビを彩ったCMキング&クイーン|ニホンモニターCM起用社数ランキングまとめ』(プレスリリース)ニホンモニター株式会社、2018年12月13日 。2024年5月6日閲覧。
- ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、240頁。<『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、240頁。
- ^ 都築響一「サルマネクリエイター天国18回」『マルコポーロ』94年10月号、文藝春秋社。
- ^ TAK・E. 著「元ネタ完全ガイド」、宝島編集部 編『音楽誌が書かないJポップ批評14 「B'zの不思議」再考!』宝島社、2001年。ISBN 4-7966-2335-3。
- ^ 夏至明 著「B'z」、宝島編集部 編『「パクリ・盗作」スキャンダル読本』宝島社、2006年。ISBN 4-7966-5072-5。
外部リンク
編集- B'z DISCOGRAPHY 『BAD COMMUNICATION』 ※楽曲の試聴が可能