AN/SPS-10
AN/SPS-10は、アメリカ合衆国のシルバニア社が開発した2次元レーダー。
種別 | 2次元レーダー |
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目的 | 目標捕捉 |
開発・運用史 | |
開発国 | アメリカ合衆国 |
就役年 | 1953年 |
送信機 | |
周波数 | Cバンド(5.45-5.825GHz) |
パルス幅 |
(a) 0.25マイクロ秒 (b) 1.3マイクロ秒 |
パルス繰返数 | 625-650 pps |
送信尖頭電力 |
190 kW(平均) 500 kW(最大) |
アンテナ | |
形式 | パラボラアンテナ |
直径・寸法 | 幅3.2 m×高さ1.93 m |
アンテナ利得 | 30 dB |
ビーム幅 | 横1.5°×縦16° |
走査速度 | 15 rpm |
方位角 | 全周無制限 |
探知性能 | |
探知距離 | 14.6km(潜望鏡に対して) |
分解能 |
(a) 37.5m(41yds) (b) 194.8m(213yds) |
その他諸元 | |
重量 | 200 kg(アンテナ部のみ) |
設計
編集本機は、第二次世界大戦中に配備されていたSO-6/10の更新用として開発された[1]。送信機としては、当初は出力250キロワットのものが使用されていたが、SPS-10B以降は500キロワットに強化された[2]。アンテナとしては、当初は右表の諸元を備えたものが使用されていたが、SPS-10E以降は、ビーム幅1.9×16度、走査速度17 rpmに変更された[2]。1956年に行われた試験では、露頂したスノーケルに対し、シーステート2では平均9,630ヤード (8,810 m)で探知可能、シーステート1では16,000ヤード (15,000 m)で追尾可能であった[2]。
1953年10月より引き渡しが開始された[1]。アメリカ海軍の標準的な対水上捜索用レーダーとして広く配備され、1956年末には、既に対潜戦艦艇の25%が本機を搭載していた[1]。1976年の時点で、平均故障間隔は約150時間、平均修復時間は5-6時間であり、アメリカの対水上捜索用レーダーとしてはもっとも信頼性に優れたものと評価された[1]。
その後、1980年代に入ると、本機をもとにソリッドステート化するかたちでノルデン社が開発したAN/SPS-67が後継として運用を開始し、本機の搭載艦の一部もこちらに換装した[2]。また、一部の艦対空ミサイルの射撃指揮装置と周波数が干渉するおそれが指摘されたことから、XバンドのAN/SPS-55も後継として採用された[2]。
OPS-16/17
編集海上自衛隊では、ありあけ型護衛艦(旧米フレッチャー級駆逐艦)のSGの換装用としてAN/SPS-10Bを入手した[3]。そしてこれをベースとして、敵味方識別装置(IFF)のアンテナを組み込んだ国産版として開発されたのがOPS-16であり[3]、68式OPS-16レーダとして制式化され[4]、昭和33年度計画艦から装備化した[3]。またこのほか、駆潜艇用のOPS-36も開発されている[3]。
マイナーバージョンアップを受けたOPS-16Cでは、真方位・相対方位のいずれでも切り替え使用できるようになり、ビデオ出力・トリガー出力端子が付加されている[5]。またOPS-16Dでは、16C型をもとに半導体素子化されたほか、パルス幅・パルス繰り返し周波数が変更され、性能向上が図られている[5]。また、メジャーバージョンアップ版のOPS-17では、中間周波数帯域幅およびビデオ帯域幅をそれぞれ2系統ずつ備えている[5]。
採用国と搭載艦艇
編集AN/SPS-10
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OPS-16/17
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集- Friedman, Norman (1981). Naval Radar. Naval Institute Press. ISBN 9780870219672
- Friedman, Norman (1997). The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681
- 佐藤義明「海自水上艦艇用レーダの開発・導入の軌跡」『第5巻 船務・航海』 第1分冊、水交会〈海上自衛隊 苦心の足跡〉、2014年、226-233頁。
- 長井荒人「海上自衛隊の現有艦載レーダー」『世界の艦船』第433号、海人社、84-89頁、1991年3月。