W85式12.7mm高射機槍
W85式12.7mm高射機槍(ダブリューはちごしき12.7ミリこうしゃきやり、中:W85式12.7毫米高射机枪、英:W85 Anti-aircraft Machine Gun)は、中華人民共和国の長慶機器廠が1970年代後半から1980年代にかけて開発した重機関銃である。
W85式12.7mm高射機槍 | |
---|---|
種類 | 機関銃 |
製造国 | 中華人民共和国 |
設計・製造 |
長慶機器廠(設計・製造) (現・四川華慶機械有限責任公司) 建設工業集団有限責任公司(製造) |
年代 | 1980年代- |
仕様 | |
種別 | 重機関銃 |
口径 | 12.7mm |
ライフリング | 8条右回り |
使用弾薬 | 54式12.7mm重機槍弾 |
装弾数 | ベルト給弾60発弾薬箱 |
作動方式 |
ガス圧作動方式 フラップ閉鎖 |
全長 | 1,756mm |
重量 |
18.5kg(本体のみ) 39kg(三脚を含む) |
発射速度 | 540-600発/分 |
銃口初速 | 850m/s |
射程 |
1,600m(高射有効射程) 1,500m(平射有効射程) |
歴史 | |
設計年 | 1970年代後半-1988年 |
製造期間 | 1988年- |
配備期間 | 1988年-現役 |
配備先 | 中国 |
関連戦争・紛争 |
シリア内戦 2022年ロシアのウクライナ侵攻 |
概要
編集W85式は、中国陸軍が配備していた54式高射機槍及び77式高射機槍の後継の要求に応じて長慶機器廠が開発し、資江機器廠が開発した77-1式高射機槍との比較評価で敗れ不採用となった重機関銃である。
後に中国軍が重機関銃を歩兵用と車載用とで別々に調達する事となり、車載用にはW85式に幾つかの変更を加えた仕様がQJC88式12.7mm坦克高射機槍として採用された。
中国独自開発の重機関銃である77式がガス直噴式かつ54式と同様のヴァシーリー・デグチャレフが多用したポール・ダーシュ式のフラップ閉鎖を採用していたのに対し、W85式はロングストロークピストン式とホルステン・フリーベリ式のフラップ閉鎖を採用している。弾薬はかつてソ連からDShK38重機関銃と共に供与された12.7x108mm弾を国産化した中国製の54式12.7mm機槍弾を使用する。
1985年の競作で比較評価に勝利した77-1式が85式12.7mm高射機槍(中:85式高射机枪、英:Type 85 Anti-aircraft Machine Gun)として採用されたため、混同しないよう注意を要する。本項のW85式がQJC88式として車載用に採用されたのに対して、85式とその前身である77式は車載も可能ながら、QJC88式の採用以降は車載用には調達されず歩兵用にのみ調達運用された。
W85式はQJC88式として採用以降、中国軍の各種戦闘車両に搭載運用されている他、原型の歩兵用であるW85式と車載用のW88式として輸出も行われており、中東やアフリカなど各地の紛争で使用されている。