2017年横浜市長選挙
2017年横浜市長選挙(2017ねんよこはましちょうせんきょ)とは、日本の地方自治体である横浜市の執行機関である横浜市長を選出するために執行された選挙。2017年7月30日に投開票が行われた[1]。
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概要
編集現職の林文子(現在3期目)の任期満了に伴う選挙。
この選挙は、改正された公職選挙法において、選挙権が20歳から18歳に引き下げられてから、初めての横浜市長選挙となった。統合型リゾート(IR)誘致の是非が争点の一つとなった。
タイムライン
編集- 2016年
- 12月26日 - 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)が施行された。
- 2017年
- 1月11日 - 元逗子市長で元衆議院議員の長島一由が無所属で出馬する考えを表明した。記者会見で統合型リゾート(IR)誘致に反対の考えを述べた[2]。
- 1月25日 - 現職の林文子は記者会見し「(IR誘致に向けて)具体的な動きをやっていくのはかなり難しい」と述べ、「推進」から「白紙」に立場を変えた[3][4]
- 5月17日、横浜港運協会は拡大理事会を開き、横浜市が進める山下埠頭の再開発への見解をまとめた。この会で会長の藤木幸夫はIR誘致計画について、「カジノは必要ない」と述べた[5]。
- 6月6日 - 林は市議会本会議で出馬する考えを正式に表明した。林は出馬表明後、自由民主党、公明党、民進党の各党に支援を要請。自民党市連は同日の会見で林の推薦を決定したことを明らかにした[6]。
- 6月9日 - 公明党が林の推薦を決定。民進党は横浜市総支部協議会総会を開催。旧民主系が推す林と、維新の党出身の江田憲司の意向を受けて出馬を目論む横浜市議の伊藤大貴のどちらを推薦するか議論したが、結論は出なかった[7]。旧民主系の森敏明横浜市会副議長は「8年前、林さんを担いだ責任と義理、人情がある」と明かした[8]。
- 6月11日 - 民進党は、旧民主系と伊藤を支援する旧維新系の意見がまとまらず、自主投票とすることを決めた[9][10]。なお長島は衆議院議員時代民主党所属であったため、民進党系は実質3分裂選挙となった。
- 6月15日 - 連合神奈川が林の推薦を決定[11]。
- 6月20日 - 伊藤が民進党を離党し無所属で出馬する考えを正式に表明した[10]。
- 7月7日 - 日本共産党県委員会は伊藤を自主的に支援すると発表した[12]。次期衆院選をにらむ同党は「野党共闘の大義」を強調し、江田に協力する構えを見せた。しかし告示前の集会の壇上において、伊藤は民進党参議院議員の真山勇一に対しては握手に応じたものの、共産党参議院議員の小池晃に対しては握手を拒絶した[8]。
- 7月12日 - 自由党は伊藤を自主的に支援することを決定[13]。
選挙データ
編集同日選挙
編集- 横浜市議会議員補欠選挙(緑区選挙区)
選挙の争点
編集出典:[14]
立候補者
編集候補者名 (読みかた) |
年齢 | 党派 | 現新 | 肩書きと代表的経歴 | 公式サイト |
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林文子 (はやし ふみこ) |
71 | 無所属 | 現 | 横浜市長 元東京日産自動車販売株式会社代表取締役社長ほか |
横浜市長 林文子 ウェブサイト |
長島一由 (ながしま かずよし) |
50 | 無所属[注 1] | 新 | 映画監督 元衆議院議員 元逗子市長(第14・15・16代) |
長島一由 |
伊藤大貴 (いとう ひろたか) |
39 | 無所属[注 2] | 新 | 前横浜市会議員 |
横浜市長候補 伊藤ひろたか |
政党・団体の推薦・支援
編集選挙結果
編集投開票の結果、現職・林が、元衆議院議員・長島と元横浜市議・伊藤の両新人候補に勝利し、3選を決めた[19]。一方、敗れた2候補はカジノ誘致反対や中学校給食実現を争点に掲げたが、結果的に似通った政策となってしまい、反現職票を2人で票を分け合う形となってしまった[20]。
※当日有権者数:3,062,061人 最終投票率:37.21%(前回比:+8.16pts)
候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 得票率 | 推薦・支持 |
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林文子 | 71 | 無所属 | 現 | 598,115票 | 53.13% | 自由民主党・公明党推薦 |
長島一由 | 50 | 無所属 | 新 | 269,897票 | 23.98% | |
伊藤大貴 | 39 | 無所属 | 新 | 257,665票 | 22.89% |
区 | 林文子 | 長島一由 | 伊藤大貴 | |||
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得票 | % | 得票 | % | 得票 | % | |
合計 | 598,115 | 53.13% | 269,897 | 23.98% | 257,665 | 22.89% |
鶴見区 | 40,979 | 53.86% | 17,113 | 22.49% | 17,990 | 23.65% |
神奈川区 | 36,598 | 53.60% | 16,501 | 24.17% | 15,177 | 22.23% |
西区 | 16,921 | 56.23% | 6,930 | 23.03% | 6,240 | 20.74% |
中区 | 22,942 | 56.37% | 9,654 | 23.72% | 8,102 | 19.91% |
南区 | 32,426 | 56.24% | 13,066 | 22.66% | 12,164 | 21.10% |
港南区 | 38,280 | 54.02% | 17,853 | 25.19% | 14,733 | 20.79% |
保土ケ谷区 | 34,278 | 54.49% | 15,614 | 24.82% | 13,020 | 20.70% |
旭区 | 41,010 | 53.37% | 19,146 | 24.92% | 16,688 | 21.72% |
磯子区 | 27,948 | 53.28% | 13,310 | 25.38% | 11,195 | 21.34% |
金沢区 | 36,057 | 52.83% | 17,910 | 26.24% | 14,288 | 20.93% |
港北区 | 52,062 | 51.70% | 23,949 | 23.78% | 24,695 | 24.52% |
緑区 | 26,595 | 47.28% | 10,287 | 18.29% | 19,373 | 34.44% |
青葉区 | 42,564 | 48.14% | 21,418 | 24.23% | 24,427 | 27.63% |
都筑区 | 30,659 | 53.15% | 13,641 | 23.65% | 13,386 | 23.20% |
戸塚区 | 48,781 | 54.35% | 21,503 | 23.96% | 19,464 | 21.69% |
栄区 | 21,881 | 51.21% | 12,157 | 28.45% | 8,689 | 20.34% |
泉区 | 27,640 | 55.80% | 11,663 | 23.55% | 10,231 | 20.65% |
瀬谷区 | 20,494 | 56.18% | 8,182 | 22.43% | 7,803 | 21.39% |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 横浜市長選挙の選挙期日について 横浜市選挙管理委員会 2017年3月14日(PDF)
- ^ “カジノ誘致、争点に 横浜市長選 長島・元衆院議員が出馬表明”. 日本経済新聞. (2017年1月12日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ “カジノ誘致に一転して慎重姿勢 横浜市長「具体的動き難しい」”. 日経新聞. (2017年1月26日) 2017年7月24日閲覧。
- ^ “市長定例記者会見(平成29年1月25日(水)14:00~市庁舎2階応接室 )”. 横浜市政策局 報道担 (2017年1月25日). 2017年7月23日閲覧。
- ^ “「カジノ必要ない」 横浜・山下ふ頭再開発で港運協会 公募・入札に反対表明”. 日本経済新聞. (2017年5月18日) 2021年8月8日閲覧。
- ^ “横浜市長選 林文子氏3選出馬表明 自民党市連が推薦”. 産経新聞. (2017年6月7日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ “横浜市長選 民進、結論先送り 公明は林市長推薦”. 東京新聞. (2017年6月10日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ a b “自・民で「争点隠し」 検証・市長選 林さん当選の裏側”. 東京新聞. (2017年8月2日) 2017年8月3日閲覧。
- ^ a b “横浜市長選 民進党は自主投票へ 林市長と伊藤市議のどちらも推薦せず”. 東京新聞. (2017年6月13日) 2017年7月23日閲覧。
- ^ a b “横浜市長選 伊藤大市議が出馬表明 民進、足並みそろわず”. 東京新聞. (2017年6月21日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ 横浜市長選挙に現職の「林 文子」氏の推薦を決定 | 連合神奈川
- ^ “横浜市長選 伊藤大貴氏を支援、共産党県委が発表”. 産経新聞. (2017年7月8日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ “自由党、前市議伊藤氏を「自主的支援」”. 神奈川新聞. (2017年7月13日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ きょう告示 現新三つどもえか カジノ誘致、中学校給食が争点産経新聞 7月15日
- ^ 横浜市長選挙立候補者一覧 (PDF, 36KB) - 横浜市> 平成29年横浜市長選挙(緑区補選) > 候補者一覧・選挙公報
- ^ “横浜市長選 候補者の横顔”. 東京新聞. (2017年7月20日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ “横浜市長選、候補者の第一声(届け出順) カジノ誘致 子育て…論戦スタート”. 東京新聞. (2017年7月17日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ “横浜市長選 告示 現新三つどもえ /神奈川”. 毎日新聞. (2017年7月16日) 2017年7月28日閲覧。
- ^ 【速報】林氏が3選 横浜市長選神奈川新聞 2017年7月30日
- ^ 横浜市長選 林さん3選「政策評価された」神奈川東京新聞 2017年7月31日
- ^ 横浜市長選挙・横浜市議会議員緑区選挙区補欠選挙(平成29年7月30日執行)結果表(PDF)