.org
.org(ドット オーグ または ドット オルグ)は、インターネットのDomain Name Systemで使用されるジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)の一つである。
.org | |
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施行 | 1985年1月1日 |
TLDの種類 | gTLD |
現在の状態 | 利用可能 |
管理団体 | Public Interest Registry(技術的業務はAfilias) |
後援組織 | 技術的な援助はないが、PIRはInternet Societyと関係がある。 |
利用地域 | 他の種別に当てはまらない組織(一般的に非営利組織) |
使用状況 | 非営利組織、個人サイト、オープンソースプロジェクト。多くは非営利団体により使用される。 |
登録の制限 | なし |
階層構造 | セカンドレベルドメインの登録が許可されている。 |
関連文書 | RFC 920; RFC 1591; ICANN registry agreement |
紛争解決方針 | UDRP |
ウェブサイト | Public Interest Registry |
DNSSEC | 利用可能 |
IDN | 利用可能 |
この名前は「組織・団体」を意味する"organization"に由来している。1985年に設立された最初のドメインの一つであり、2003年以来Public Interest Registryによって運営されている。ドメインは元々非営利団体を対象としていたが、この制限は強制されず、後に削除された。このドメインは、Wikipedia、学校、オープンソースプロジェクト、コミュニティによって広く使用されているが、営利団体によっても使用されている。登録されたドメインの数は、1990年代の100万未満から、2013年6月の時点で1000万まで増加した。
歴史
編集.orgは、.com、.jp、.net、.edu、.gov、.mil、.arpaとともに当初からあるトップレベルドメインの一つで、1985年1月に創設された[1]。当初は、非営利団体や他のgTLDの要件を満たしていない非商業的な性格の団体を対象としていた。
最初に.orgドメインを取得したのは、1985年7月にmitre.orgを取得した非営利のシンクタンク・MITREコーポレーションだった[2]。TLDは、2003年1月1日から、ベリサインの一部門であるVeriSign Global Registry Servicesから任務を継承したPublic Interest Registryによって運営されている[3]。現在、ウィキペディアやウィクショナリーなど、ウィキメディア財団のサイトでも.orgドメインが使われている。
2019年11月13日、Internet Societyが保有するPublic Interest Registry(PIR)を、投資会社であるen:Ethos Capitalに11億3500万米ドルに売却することで合意した。[4]PIRが非営利の運営から営利目的の運営に移行されることや、ICANNの元CEOがEthos Capitalに在籍していることなどの不透明性、その他様々な嫌疑によって、OSSで活動する非営利団体などが懸念を示した。[5][6][7]
2020年4月30日、ドメインデータベースの維持管理を行うICANNによって、PIRの所有権の移行を拒絶されたことで、この売却は却下された。[8]
登録
編集ドメインの登録は、認定レジストラを介して処理される。制限なしに、だれでも.orgのセカンドレベルドメインを登録できる[9][10]。そのため、craigslist.orgなどの商用サイトでも.orgドメインが使用されている。
ICANNダッシュボード(ドメイン名)レポートによると、.orgドメインを取得している組織の構成は、文化機関、団体、スポーツチーム、宗教団体、市民団体、オープンソースソフトウェアプロジェクト、学校、環境イニシアチブ、社会団体、友愛団体、保健機関、法務サービス、クラブ、地域ボランティアグループなど、様々である。沿ドニエストル共和国のRybnitsa[1]など、いくつかの都市でも.orgドメイン名が使用されている。
オーストラリア(.au)、カナダ(.ca)、日本(.jp)、アルゼンチン(.ar)、ボリビア(.bo)、ウルグアイ(.uy)、トルコ(.tr)、ソマリア(.so)、シエラレオネ(.sl)、ロシア(.ru)、バングラデシュ(.bd)、インド(.in)、イギリス(.uk)などでは、ccTLDの下に、同様の目的のセカンドレベルドメインを設定している。日本の場合は".or.jp"である。
.orgの登録ドメイン数は、2009年には800万を超え[11]、2010年には880万[12]、2011年には960万[13]になった。2012年6月現在で、Public Interest Registryは約1000万の.orgドメインを登録している[14]。950万件目の.orgドメインが2011年12月に登録されたとき、.orgは3番目に大きいgTLDとなった[15]。
国際化ドメイン名
編集.orgドメインレジストリでは、セカンドレベルドメインに国際化ドメイン名(IDN)を登録できる[16]。ドイツ語、デンマーク語、ハンガリー語、アイスランド語、韓国語、ラトビア語、リトアニア語、ポーランド語、スウェーデン語のIDNは、2005年から登録可能となった。スペイン語のIDN登録は2007年から可能となった。
ドメイン名のセキュリティ
編集2009年6月2日、Public Interest Registryは、.orgドメインは、オープンgTLDレジストリで初めてDNS Security Extensions(DNSSEC)を使用してDNSゾーンに対応したと発表した[17]。これにより、DNSクライアントを準拠させることで、DNSデータの発信元の信頼性と整合性を検証できる。
登録の費用
編集Public Interest Registryは、認定レジストラに対して1ドメインにつき年間9.05米ドルを請求する[18]。レジストラがエンドユーザに設定する料金には規制はない。
脚注
編集- ^ RFC 920, Domain Requirements, J. Postel, J. Reynolds, The Internet Society (October 1984)
- ^ Mitre.org
- ^ InterNIC - FAQs on org transition
- ^ “Ethos Capital to Acquire Public Interest Registry from the Internet Society” (英語). Internet Society. 2022年8月8日閲覧。
- ^ Allemann, Andrew (2020年7月17日). “Fadi Chehadé is now co-CEO of Ethos Capital” (英語). Domain Name Wire | Domain Name News. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “SaveDotOrg.org |” (英語). SaveDotOrg.org. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “Questions About .org | The Mozilla Blog” (英語). blog.mozilla.org. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “ICANN Board Withholds Consent for a Change of Control of the Public Interest Registry (PIR)”. www.icann.org. 2022年8月8日閲覧。
- ^ ICANN Top-Level Domains (gTLDs) ,Retrieved 2011-03-31.
- ^ Buy .ORG (Registrant) General Questions, Retrieved 2001-10-25.
- ^ Ragan, Steve (March 12, 2012). “DNSSEC to become standard on .ORG domains by end of June”. The Tech Herald August 3, 2012閲覧。
- ^ Berkens, Michael (February 14, 2011). “.ORG Grows Over 10% To Over 8.8 Million Registrations”. The Domains August 3, 2012閲覧。
- ^ Prestipino, Peter (February 16, 2012). “The .ORG Registry Grows 10 Percent”. Website Magazine August 3, 2012閲覧。
- ^ Goldstein, David (July 12, 2012). “ORG Seventh TLD To Pass Ten Millionth Registration Milestone”. DomainPulse August 3, 2012閲覧。
- ^ “The PIR Dashboard”. The Public Interest Registry. 4 April 2012閲覧。
- ^ “Internationalized Domain Name (IDN) Questions”. Public Interest Registry. 2012年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月28日閲覧。
- ^ Ajay D'Souza. “DNSSEC announcement in The .ORG Blog”. 2009年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月2日閲覧。
- ^ “Exhibit A--REGISTRATION FEES”. Public Interest Registry. Jan 16, 2018閲覧。