鳥居清朝
江戸時代初期の浮世絵師
来歴
編集初代鳥居清信の門人と推定される。江戸に生まれた。享保2年(1717年)から同12年(1727年)の約10年間に、主として、鳥居派風の細判の丹絵、紅絵、漆絵を描いている。長所短所両方ともに二代目鳥居清信の影響も見受けられる。代表作として細判の漆絵「草摺曳」があげられるが、現在確認されている作品は役者絵23図など一枚絵27図と極めて少ない。これは、せりふ本の表紙の作画や大量に出版された清信・清倍の代筆など、一枚絵以外の仕事が多かったからだとも推測される。しかし、その作品は両者に負けておらず、剛健でかつ抑制された力と穏やかな描写と表情、丁寧な彩色、工夫された構図など独特の香りを放っている。
作品
編集- 「市川団十郎のすの字尽しせりふ」 細判 丹絵 日本浮世絵博物館蔵
- 「市村竹之丞 三条勘太郎」細判 漆絵
- 「草摺曳」 細判 漆絵
参考文献
編集- 日本浮世絵協会編 『浮世絵之研究3 鳥居清信と鳥居清倍』 刀江書院、1923年
- 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年、近代デジタルライブラリー※57頁
- リッカ―美術館編編集・発行 『鳥居派の役者絵展図録』 1977年
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典 第2巻』 大修館書店、1982年
- 武藤純子 『初期浮世絵と歌舞伎』 笠間書院、2005年2月、pp.257-260。ISBN 978-4-305-70287-6