鮎雑炊(あゆぞうすい)とは、岐阜県木曽川流域、長良川流域、揖斐川流域に伝わる郷土料理の一つである。

鮎ぞうすいあゆ雑炊とも称する。

概要

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  • を使用した雑炊であり、鮎漁が盛んな6月から10月に食される。
  • 主に木曽川流域の中濃地域、長良川流域の岐阜地域、揖斐川流域の西濃地域に伝わる郷土料理である[1]。岐阜県では岐阜地域(長良川、根尾川流域)と揖斐地域(揖斐川流域)の郷土料理としている[2]が、鮎漁が行われる飛騨地域下呂市など)や東濃地域恵那市など)でも食される。
  • 元々は鵜匠の家庭料理であり、傷がつくなど商品として出せない鮎を使用したのが始まりという[3]。夏の蒸し暑さを乗り切るため鮎を雑炊にしたとも伝えられている[1]
  • 木曽川、長良川、揖斐川流域の飲食店で季節限定(主に5月下旬から10月上旬)の鮎料理の一品として提供される他、長良川水系、揖斐川水系のやなで鮎料理の一品として提供される。
  • 近年は冷凍食品やレトルト食品もあり[4][1]、販売されている。

調理法

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主な材料は鮎、炊いたご飯である[1]。鮎は予め素焼きをする。

調理法は、鮎を出汁として使用する方法と使用しない方法がある。鮎を出汁として使用する場合は、水に昆布などを入れて中火で煮出し、その中に素焼きした鮎を入れて弱火で煮たてて鮎出汁を作る[5]。鮎はいったん取り出して身をほぐし、頭、骨、尾を取り除く。鮎出汁にご飯を入れて中火で煮、塩などで味をととのえてからほぐした鮎を入れて提供する[5]。また、素焼きにした鮎をほぐして身を取り、残ったと昆布などで鮎出汁を作る方法もある。

鮎を出汁として使用しない場合は、昆布や鰹節などで出汁を作る[2][6][1]。出汁にご飯と身をほぐした鮎を入れて煮立てる調理法[2][1]、出汁にご飯を入れて煮立て、最後に身をほぐした鮎を入れる調理法[6]がある。

味付けは様々であり、塩の他、しょうゆ味、味噌味などがある[3]

具は鮎以外にネギユズショウガ、溶き卵を加えることもある。

脚注

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  1. ^ a b c d e f 鮎ぞうすい 岐阜県(うちの郷土料理)”. 農林水産省. 2024年2月15日閲覧。
  2. ^ a b c 農林水産政策室 2004, p. 2.
  3. ^ a b 日本調理学会 2023, p. 30.
  4. ^ 発売中のアユ/加工製品”. 岐阜県魚苗センター. 2024年2月15日閲覧。
  5. ^ a b 日本調理学会 2023, p. 31.
  6. ^ a b 常見 1978, p. 139.

参考文献

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  • 一般社団法人日本調理学会 岐阜県著作委員会 編『今こそ伝えたい岐阜の家庭の味』岐阜新聞社、2023年。 
  • 岐阜県農林水産政策室和食文化振興チーム 編『ぎふのおかあちゃんの味』岐阜県、2004年。 
  • 常見勝也 編『あゆ 川魚料理』第一出版、1978年。