高柳克弘
髙柳 克弘(たかやなぎ かつひろ、1980年7月1日[1][2] - )は、日本の俳人。静岡県浜松市生まれ[1]、東京都国分寺市在住。
経歴
編集静岡県浜松市生まれ[1]。静岡県立浜松北高等学校[1]、2003年早稲田大学第一文学部ロシア文学専修卒業。2006年早稲田大学大学院教育学研究科博士前期課程修了[1]、同大学院博士後期課程単位取得退学。大学では俳句研究会に入会[3]。高校の同級生で同じ大学に進んだ澤田和弥に入会を誘われたことをきっかけに俳句を始める[4]。その後、大学院にて堀切実のもと松尾芭蕉を研究する。2002年、結社「鷹」に入会、藤田湘子に師事。2004年「息吹」により第19回俳句研究賞を史上最年少で受賞[1][5]。同年、この業績により、小野梓記念賞を受賞[1]。
2005年、湘子の死去により、2007年小川軽舟で「鷹」編集長に就任[1]。2008年、『凛然たる青春』により第22回俳人協会評論新人賞を史上最年少で受賞[1][6]。2009年、第一句集『未踏』刊行。2010年、同句集で第1回田中裕明賞受賞[1][7]。「ことごとく未踏なりけり冬の星」[8]「つまみたる夏蝶トランプの厚さ」「木犀や同棲二年目の畳」(いずれも『未踏』所収)などの句がよく知られている[9]。
2013年、俳人の神野紗希と結婚。2015年には『文学界』4月号にて短編小説「蓮根掘り」を発表し、短編作家としてデビューした。続いて同5月号に「高きに登る」、7月号に「蟹」、12月号に「降る音」を発表している。2017年、「NHK俳句」選者に就任。読売新聞夕刊「KODOMO俳句」選者、中日俳壇選者、俳句賞「25」選者、俳句甲子園審査員、早稲田大学非常勤講師などを務める。俳人協会、日本文藝家協会会員。
著書
編集句集
- 未踏(2009年、ふらんす堂)
- 寒林(2016年、ふらんす堂)
- 涼しき無(2022年、ふらんす堂)
評論など
- 凛然たる青春―若き俳人たちの肖像(2007年、富士見書房)
- 芭蕉の一句(2008年、ふらんす堂)
- 芭蕉と歩く「おくのほそ道」ノート(2012年、角川学芸出版)
- どれがほんと?―万太郎俳句の虚と実(2018年、慶應義塾大学出版会)
- 究極の俳句(2021年、中公選書)
童話
- ゆきうさぎ(1993年、ひくまの出版、絵:狩野富貴子)- 中学1年生のときに遠鉄ストア童話大賞を受賞した児童小説。アニメ化もされた。
- そらのことばが降ってくる:保健室の俳句会 (teens’best selections 57) (2021年、ポプラ社、絵:あやのあゆ)
共著
メディア出演
編集受賞歴
編集- 第19回俳句研究賞(2004年)
- 第22回俳人協会評論新人賞(2008年)
- 第1回田中裕明賞(2010年)
- 第71回小学館児童出版文化賞(2022年)
参考文献
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j “高柳克弘氏の紹介”. 浜松市公式ホームページ. 浜松市. 2024年2月9日閲覧。
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.456
- ^ 第3回俳句界新人賞・奨励賞を受賞した 高柳 克弘さん(早稲田ウィークリー)
- ^ 『天の川銀河発電所』(佐藤文香編著、左右社)p.100
- ^ 俳句研究賞 中止(第21回まで) e-hon 文学賞ページ
- ^ 俳人協会各賞受賞者一覧
- ^ 2010年第1回田中裕明賞
- ^ ことごとく未踏なりけり~俳人・高柳克弘の世界
- ^ 週刊俳句 Haiku Weekly: 中学生が読む新撰21 第3回 髙柳克弘・村上鞆彦