飛行点検隊
飛行点検隊(ひこうてんけんたい、英称:Flight Check Squadron)は、航空自衛隊航空支援集団隷下の飛行検査部隊。入間基地に所属し、飛行点検機にU-680Aを2機、U-125(ホーカー 800)を3機[1]運用する。U-125以前はMU-2Jを用いていた。
飛行点検隊 Flight Check Squadron | |
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飛行点検隊の部隊マーク | |
創設 | 1958年10月1日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 航空自衛隊 |
部隊編制単位 | 隊 |
兵種/任務 | 航空保安施設の点検 |
所在地 | 埼玉県入間基地 |
編成地 | 鳥取県美保基地 |
上級単位 | 航空支援集団 |
担当地域 | 日本全国 |
概要
編集飛行点検隊は全自衛隊の航空保安施設及び航空交通管制施設の点検を行なう部隊で、点検対象施設は日本全国の43基地約167施設に及ぶ[2][3]。
主な点検任務内容は、運用中施設への「定期飛行点検」、施設の定期整備後に行う「特別飛行点検」、新設した施設への「初度飛行点検」があり、施設新設の際に最適な設置位置を調査する「設置位置調査」も行っている[2]。
隊本部のほか、点検用航空機を運用する飛行隊とそれを点検・整備する整備隊で構成されている。
沿革
編集- 1958年(昭和33年)10月1日 - 航空保安管制気象群隷下部隊として美保基地において部隊編成[4]。
- 1959年(昭和34年)6月1日 - 木更津基地へ移動[4]。
- 1963年(昭和38年)12月26日 - 入間基地にT-33Aを運用する第2飛行班編成[4]。
- 1968年(昭和43年)5月31日 - 飛行点検隊本隊が入間基地へ移動[4]。
- 1971年(昭和46年)2月25日 - YS-11FC配備開始[4]。
- 1975年(昭和50年)1月31日 - MU-2J配備開始[4]。
- 1978年(昭和53年)2月15日 - C-46D用途廃止[5]。
- 1993年(平成 5年)7月1日 - U-125配備開始[4]。
- 1994年(平成 6年)3月22日 - MU-2Jラストフライト。
- 2005年(平成17年)9月21日 - 飛行点検20,000回達成[6]。
- 2016年(平成28年)
- 4月6日 - U-125が鹿児島県御岳に墜落(詳細はU-125御岳墜落事故参照)[6]。
- 12月1日 - 新たな飛行点検機としてサイテーション680Aを機種選定[7]。
- 2018年(平成30年)10月5日 - 部隊創設60周年記念式典を実施[3]。
- 2020年(令和 2年)3月21日 - U-680A 2機が入間到着。26日、自衛隊に納入[8]。
- 2021年(令和 3年)
部隊編成
編集- 飛行点検隊
- 隊本部
- 飛行隊
- 整備隊
歴代運用機
編集主要幹部
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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飛行点検隊司令 | 1等空佐 | 髙野彰彦 | 2023年 | 9月 6日飛行点検隊副司令 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 木下惠夫 | 1989.3.16 - 1990.11.30 | 飛行点検隊長 | 航空支援集団司令部付 →1900.12.26 定年退官 |
2 | 矢本 勲 | 1990.12.1 - 1993.7.31 | 第2輸送航空隊副司令 | 中部航空方面隊司令部付 →1993.11.7 定年退官 |
3 | 前田敏行 | 1993.8.1 - 1996.3.31 | 航空自衛隊幹部学校教官 | 警戒航空隊副司令 |
4 | 鈴木崇世 | 1996.4.1 - 1998.3.31 | 第12飛行教育団航空学生教育群司令 | 飛行点検隊付 →1998.6.10 定年退職 |
5 | 欠瀬勝男 | 1998.4.1 - 1999.11.30 | 航空自衛隊幹部学校主任研究開発官 | 飛行点検隊付 →1999.12.21 定年退職 |
6 | 金井正明 | 1999.4.1 - 2002.7.31 | 第4航空団基地業務群司令 | 飛行点検隊付 →2002.8.28 定年退職 |
7 | 内田 隆 | 2002.8.1 - 2004.11.30 | 第3輸送航空隊副司令 | |
8 | 栗林秀人 | 2004.12.1 - 2006.3.31 | 第11飛行教育団飛行教育群司令 | 第3航空団副司令 |
9 | 東福久則 | 2006.4.1 - 2007.12.2 | 航空教育集団司令部教育部計画課長 | 第3航空団副司令 |
10 | 亀山正登 | 2007.12.3 - 2009.3.31 | 警戒航空隊副司令(三沢) | 飛行点検隊付 →2009.4.20 退職 |
11 | 唐澤誓男 | 2009.4.1 - 2011.11.30 | 航空支援集団司令部防衛部運用第2課長 | 航空救難団飛行群司令 |
12 | 渡部佐斗司 | 2011.12.1 - 2014.5.31 | 警戒航空隊副司令(三沢) | 航空中央業務隊付 |
13 | 川波徳通 | 2014.6.1 - 2016.3.24 | 航空安全管理隊航空事故調査部 総括調査官 |
南西航空混成団司令部監理監察官 |
14 | 吉廣敏幸 | 2016.3.25 - 2018.4.9 | 航空安全管理隊教育研究部長 | 退職 |
15 | 中澤武志 | 2018.4.10 - 2020.5.31 | 航空救難団飛行群副司令 | 硫黄島基地隊勤務 →2020.6.15 同基地隊司令 兼 硫黄島分屯基地司令 |
16 | 新崎秀樹 | 2020.6.1 - 2023.9.5 | 航空安全管理隊航空事故調査部 総括調査官 |
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17 | 髙野彰彦 | 2023.9.6 - | 飛行点検隊副司令 |
脚注
編集- ^ このうち1機が2016年4月のU-125御岳墜落事故で失われた。
- ^ a b イカロス出版 Jwing No.211 2016年3月号 60頁-63頁 「突撃レポート部隊の舞台裏 第3回航空自衛隊飛行点検隊」白石嶺
- ^ a b イカロス出版 Jwing No.244 2018年12月号 52頁 「自衛隊の飛行場を支えて60年! 飛行点検隊創設60周年記念式典」
- ^ a b c d e f g イカロス出版 自衛隊の名機シリーズ5 航空自衛隊T-4/C-1/E-767 99頁-100頁 「航空自衛隊機ヒストリー 4.航空自衛隊飛行点検機の系譜」松崎豊一
- ^ イカロス出版 自衛隊機年鑑 116頁 「C-46コマンド」松崎豊一
- ^ a b “航空支援集団の歴史|航空支援集団|[JASDF]航空自衛隊”. 防衛省・自衛隊. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “航空自衛隊の新たな飛行点検機の機種選定結果について” (PDF). 防衛省・自衛隊 (2016年12月1日). 2020年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月16日閲覧。
- ^ “航空自衛隊入間基地への飛行点検機サイテーションU-680Aの配備”. 入間市 (2020年5月20日). 2020年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月24日閲覧。
- ^ “空自新型飛行点検機、U-680A 3機揃う いよいよYS-11退役へ”. Fly Teamニュース (2021年1月20日). 2021年3月24日閲覧。
- ^ “空自YS-11FC、半世紀飛びラストフライト 最後のダートサウンド”. Aviation Wire. (2021年3月18日). オリジナルの2021年3月18日時点におけるアーカイブ。 2021年3月24日閲覧。
外部リンク
編集- 飛行点検隊 - 航空自衛隊
- 飛行点検隊隊員インタビュー - 入間基地ホームページ