順徳(じゅんとく)は、ベトナム高平に拠った莫朝の明宗莫敬宇(莫敬完)が使用した元号。1638年に建元したが、その後に改元があったかは明らかではない。山本達郎編『ベトナム中国関係史 曲氏の抬頭から清仏戦争まで』所収年表は院(ママ、阮?)如麟『両百年陰陽暦対照』(サイゴン、1961年)を引用し、莫敬宇が黎朝に討たれてに亡命する1677年まで「一応順徳の年号を用いた」と見なしている。


西暦・干支・他元号との対照表

編集
順徳 元年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
西暦 1638年 1639年 1640年 1641年 1642年 1643年 1644年 1645年 1646年 1647年
干支 戊寅 己卯 庚辰 辛巳 壬午 癸未 甲申 乙酉 丙戌 丁亥
黎朝 陽和4年 陽和5年 陽和6年 陽和7年 陽和8年 陽和9年
福泰元年
福泰2年 福泰3年 福泰4年 福泰5年
崇禎11年 崇禎12年 崇禎13年 崇禎14年 崇禎15年 崇禎16年 崇禎17年 - - -
南明 - - - - - - - 弘光元年
隆武元年
隆武2年 永暦元年
崇徳3年 崇徳4年 崇徳5年 崇徳6年 崇徳7年 崇徳8年 順治元年 順治2年 順治3年 順治4年
順徳 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
西暦 1648年 1649年 1650年 1651年 1652年 1653年 1654年 1655年 1656年 1657年
干支 戊子 己丑 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳 甲午 乙未 丙申 丁酉
黎朝 福泰6年 福泰7年
慶徳元年
慶徳2年 慶徳3年 慶徳4年 慶徳5年
盛徳元年
盛徳2年 盛徳3年 盛徳4年 盛徳5年
南明 永暦2年 永暦3年 永暦4年 永暦5年 永暦6年 永暦7年 永暦8年 永暦9年 永暦10年 永暦11年
順治5年 順治6年 順治7年 順治8年 順治9年 順治10年 順治11年 順治12年 順治13年 順治14年
順徳 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年
西暦 1658年 1659年 1660年 1661年 1662年 1663年 1664年 1665年 1666年 1667年
干支 戊戌 己亥 庚子 辛丑 壬寅 癸卯 甲辰 乙巳 丙午 丁未
黎朝 盛徳6年
永寿元年
永寿2年 永寿3年 永寿4年 永寿5年
万慶元年
景治元年 景治2年 景治3年 景治4年 景治5年
南明 永暦12年 永暦13年 永暦14年 永暦15年 永暦16年 永暦17年 永暦18年 永暦19年 永暦20年 永暦21年[1]
順治15年 順治16年 順治17年 順治18年 康熙元年 康熙2年 康熙3年 康熙4年 康熙5年 康熙6年
順徳 31年 32年 33年 34年 35年 36年 37年 38年 39年 40年
西暦 1668年 1669年 1670年 1671年 1672年 1673年 1674年 1675年 1676年 1677年
干支 戊申 己酉 庚戌 辛亥 壬子 癸丑 甲寅 乙卯 丙辰 丁巳
黎朝 景治6年 景治7年 景治8年 景治9年 景治10年
陽徳元年
陽徳2年 陽徳3年
徳元元年
徳元2年 永治元年 永治2年
康熙7年 康熙8年 康熙9年 康熙10年 康熙11年 康熙12年 康熙13年 康熙14年 康熙15年 康熙16年
  1. ^ 大越史記全書は黎朝君主が清から安南国王に封ぜられたこの年まで「永暦」を記載している。

出典

編集

参考文献

編集
  • 山本達郎編『ベトナム中国関係史 曲氏の抬頭から清仏戦争まで』(山川出版社、1975年)所収「ベトナム中国交渉年表」

関連項目

編集


前の元号
乾統
隆泰
ベトナムの元号
莫朝
次の元号
(なし)