雨竜川
雨竜川(うりゅうがわ)は、日本の北海道石狩平野北部に広がる雨竜平野を流れる一級河川。石狩川有数の支流である。
雨竜川 | |
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水系 | 一級水系 石狩川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 155 km |
平均流量 |
30.70 m3/s (幌加内観測所 2013年[1]) |
流域面積 | 1,673 km2 |
水源 | 相志向岳(幌加内町) |
水源の標高 | 896 m |
河口・合流先 | 石狩川(滝川市/雨竜町) |
流域 | 北海道空知総合振興局管内 |
地名の由来
編集地名「雨竜川」はアイヌ語に由来するが、正確な由来はわからなくなっている。
明治時代のアイヌ語学者・永田方正の説では、「鵜・たくさんいる/そこに群在する・川」を意味するアイヌ語(ラテン翻字)" urir-o-pet(日本語音写例:ウリリオペッ、ウリロペッ)" から来ているという[2]。当時は河口付近にカワウが数多く棲息していたらしいが、今では全く見られない[2]。
一方、北海道の地名・駅名に基づくなら、「そこに・波・立つ・川」を意味する " orir-o-pet(日本語音写例:オリリオペッ、オリロペッ)" から来ていることになる[2]。
他方、探検家の松浦武四郎は太古の神が「ウリウ」の名をつけたという伝説によるものであると記している[2]。ほかにも、アイヌ伝説上の巨大な怪鳥フリューが流域にいたとされることに由来するという説が存在する。
地理
編集北海道雨竜郡幌加内町の北端付近の中川郡中川町と天塩郡遠別町の境界にある相志向岳に源を発し、雨竜第1ダムでせき止められた朱鞠内湖(雨竜第1貯水池)に流れ込み、ほかの多くの沢を集める。ソバ畑の広がる幌加内盆地、ポンカムイコタン[注 1]という峡谷、そして幌加内の中心部を南へ流れ、深川市に入り鷹泊ダムの鷹泊貯水池に流れ込む。石狩平野に出ると南西に向きを変え著しく屈曲させながら流れ、秩父別町と北竜町の境界付近で再び南へ転じ、江竜橋付近の滝川市と雨竜町の境界で石狩川に合流する。
かつて流域は砂白金の日本最大の産出地であった[3]。国内の他の産出地と同じく、利用価値の無いゴミとして廃棄されていた明治時代とは異なり、砂白金の貴重さが認識されるようになった大正時代から採掘され始め、触媒の原料として大規模な開発となった第二次世界大戦の最中まで乱獲が続き、資源は消費され尽くした[3]。また、上流部は森林地帯であり、第二次世界大戦前から戦後にかけて森林資源開発や電源開発が盛んに行われていた。下流の平野部では極端に曲流し、多くの三日月湖を残すが、その反面、度々洪水をもたらしてきた。このため、流路を短絡する捷水路事業が行われている。
流域ではカヌーが楽しまれている。
気候
編集北海道で有数の豪雪地帯であり、寒冷地帯でもある。1978年2月17日には、朱鞠内湖北東に位置する幌加内町母子里で、日本での公式最低気温となる-41.2℃[注 2]を記録している。
災害
編集流域の自治体
編集並行する交通
編集1995年まで上中流域でJR北海道深名線が並行していた。現在はジェイ・アール北海道バスがバス路線(深名線)を運行している。中下流域でも国鉄札沼線が1972年まで並走していた。
道路
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “流況表/幌加内(ほろかない)”. 水文水質データベース. 国土交通省水管理・国土保全局. 2016年1月10日閲覧。
- ^ a b c d “アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ a b “北海道より「苫前鉱(とままえこう)」を発見 ―プラチナを主成分とする新鉱物―”. 東京大学物性研究所. 東京大学 (2022年9月8日). 2022年10月10日閲覧。
- ^ “令和5年8月3日から7日にかけての大雨による出水の概要(雨竜川)速報版_第2報”. 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部 (2023年9月11日). 2024年7月25日閲覧。
- ^ “北海道北部で記録的な大雨 雨竜川が氾濫 「浸水した稲はダメだ」”. 朝日新聞DIGITAL (2024年7月24日). 2024年7月25日閲覧。
外部リンク
編集- 雨竜川捷水路事業(石狩川開発建設部)