鋼管杭
概要
編集鉛直・水平方向に大きな耐力を持つため、ビルなどの建築物の基礎[1]や地すべり土塊の移動の抑制に用いられる。資材搬入や打ち込みの都合から、2m程度の短い管を溶接しながら地中に打ち込むことが多い。施工後は、鋼管の中にコンクリートを注入する。打ち込みの方法としてはBH工法、打撃工法、中堀工法、回転工法などがある。
歴史
編集鋼管杭が発達していない頃には、杭基礎としてマツの丸太などが打ち込まれていた。 1938年(昭和13年)に建設が開始された新丸ノ内ビルヂングの例では約10000本のマツ丸太の使用が計画されていた[2]。 一方、鋼管杭は水平抵抗力が大きい、貫入性能が優れている、溶接接合により長尺杭の施工が可能、杭長さの調節も可能といった特徴があり[3]、日本工業規格などで規格化(例:JIS A 5525(鋼管ぐい))されると従来の木杭などを一掃して普及した。